shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

【追悼】フランス・ギャル特集

2018-01-08 | European Pops
 昨日の晩、いつものようにオークション・チェックをしようとパソコンを開いて何気なくヤフー・ニュース欄を見ると “フランスギャルさんが死去” というショッキングなニュースが目に飛び込んできた。えー、ウソやろ...(*_*)  私は今から十数年ほど前に901さんに「夢見るシャンソン人形」のシングル盤を聴かせていただいて、その昭和歌謡にも相通ずる哀愁のメロディーに一発KOされて彼女の大ファンになり、仏オリジナルLPやらEPやら(←60年代に活躍したフレンチ・ポップスの歌手はLPよりもむしろ4曲入りEP盤の方がメインという人が多かった...)を狂ったように集めまくったものだった。わざわざ仏和辞典を買ってフランス人のセラーとメールで交渉してようやく手に入れた彼女のレコードの数々は私の大切な宝物だ。今日はそんなレコードの中から選りすぐりの愛聴曲をピックアップして(←「夢見るシャンソン人形」はカヴァー曲も含めてこれまで何度も取り上げているので今回は除きます)彼女の早過ぎる死を悼もうと思う。

①Laisse tomber les filles(邦題「娘たちにかまわないで」)
フランス版ズンドコ節(?)みたいなリフが耳に残るこの曲は「夢見るシャンソン人形」と並ぶフランス・ギャルの代表曲で、様々なアーティストによってカヴァーされているイエイエの代名詞的なナンバーだ。ダンサブルなイエイエ・ビートに乗ってグルーヴするギャルが最高にカッコイイ(^o^)丿
France Gall - Laisse Tomber Les Filles (1964) HD 1080p Interactive.mp4


②N'écoute pas les idoles(邦題「アイドルばかり聞かないで」)
 上記①の三軒隣りに住んでいるようなこの②も印象的なリフが支配するイエイエ・ナンバーで、こちらはゲンスブール版「恋の片道切符」という感じ。アイドルであるギャルに「アイドルばかり聞かないで♪」と歌わせてしまうあたりがいかにも曲者のゲンスブールらしい。
France Gall - 1965 - N'écoute pas les idoles (Stéréo)


③Dis a ton capitaine(邦題「あなたのキャプテンに言いなさい」)
 心の琴線をビンビン刺激するマイナー調のメロディーを舌っ足らずでキュートなギャルの萌え萌えヴォーカルで楽しめるというキラー・チューンがコレ。それにしてもこのこっ恥ずかしい直訳邦題はもーちょっと何とかならんかったんか...
France Gall --Dis a Ton Capitaine


④Le temps de la rentrée(邦題「恋の家路(新学期)」)
 “ベンチャーズ歌謡”的な雰囲気を持ったこの曲は軽快なリズムに乗って炸裂するギャルのウィスパー・ヴォイスがたまらない。ダブル・トラック処理されたヴォーカルによるギャルの“一人二重唱” が曲の魅力を更に引き立てている。
France Gall "Le temps de la rentrée" | Archive INA


⑤Polichinelle(邦題「恋のためいき」)
 私が好きなフランス・ギャルの曲は昭和歌謡を想わせるマイナー調のナンバーが多いが、この「ポリシネル」という曲なんかもうその典型と言っていいだろう。鼻歌でも歌うかのように“ル~ル~ル~ル~♪” とハミングする彼女に絡みつくフルートが実に良い味を出している。
France Gall - Polichinelle


⑥Attens ou va t'en(邦題「涙のシャンソン日記」)
 昔ホンダCR-XのCMソングに使われたこともあるこの曲は哀愁舞い散るハーモニカのイントロからセンチメンタルなムードが横溢、2拍子のリズムに乗ってギャルが切々と歌うというまさに絵に描いたような名曲名演だ。そのアレンジの見事さにはもう脱帽するしかない。
France Gall. "Attens ou va t'en"


⑦La guerre des chansons(邦題「シャンソン戦争」)
 フランス・ギャルを舌っ足らずでキュートなだけのカワイコチャン歌手だと誤解している人はこの曲を聴けば彼女のヴォーカルのキメ細やかな表現力を実感できるだろう。オルガンを上手く使ったゲンスブールの器楽アレンジの妙も聴き所だ。
France Gall La guerre des chansons 1966


⑧Pense à moi(邦題「パンス・ア・モア」)
 フランス・ギャルの “裏の顔” とでも言うべき魅力が炸裂しているのがこの曲だ。デイヴ・ブルーベックの「テイク・ファイヴ」を裏返しにした様なこのジャジーなナンバーをも楽々と歌いこなしてしまう懐の深いシンガーがフランス・ギャルなのだ。
France Gall - Pense à moi (1963) (Restaurée)


⑨Jazz à go go(邦題「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」)
 「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」という曲名からも明らかなようにバリバリのジャズサウンドをバックに堂々たるスキャットを聴かせるフランス・ギャルにビックリ。「夢見るシャンソン人形」と同一人物とは思えないクールなヴォーカルがめちゃくちゃカッコイイ。
FRANCE GALL JAZZ A GO GO (1964)


⑩Boom Boom(邦題「ブーム・ブーム」)
この「ブーム・ブーム」は彼女の数多い隠れ名曲の中でも三指に入る名演で、ジャジーなイントロ、瀟洒なブラッシュ、雰囲気抜群のサックス、そしてアンニュイなギャルの歌声と、ソフィスティケーションの極みとでも言うべきメロウなポップスに仕上がっている。やっぱりフランス・ギャルはエエなぁ...
France Gall - Boom boom

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