スーちゃんが亡くなって数日経ったが、ショックであまり仕事が手に付かない。特に一昨日の葬儀で流された彼女の肉声テープを聴いた時は心が震えた。癌が他の臓器に転移して呼吸するのすら苦しい状態で、絞り出すような声で彼女が最初に口にしたのが震災で被災した人々を気遣う言葉... スーちゃんって何て心の優しい、そして強い女性だったんだろうと改めて思う。 “本当の死というは、その人の存在が人々の記憶から消えた時” という言葉を何かで読んだことがあるが、そういう意味では彼女は私達の心に永遠に生き続け、思いを馳せるたびに微笑みをかえしてくれるだろう。
田中好子ラストメッセージ.wmv
ありがとうスーちゃん!
ということで今日もスーちゃん追悼の想いを込めてキャンディーズにしよう。彼女達はただ可愛いだけの単なるアイドル・グループではなかった。「年下の男の子」や「春一番」、「微笑み返し」といった代表曲を書いた穂口雄右氏の言葉を借りれば、キャンディーズは他のアイドル達とは激しく一線を画す “音楽的で、上品で、よりミュージシャンに近いグループ” だったという。当時の私はそんなこと全然意識せずにレコードを聴いて喜んでいたが、今の耳で聴くと穂口氏のこの発言は大いに納得がいく。
そのことを如実に示しているのが彼女達のライヴ・コンサートのセットリストで、そこでカヴァーしている洋楽の選曲センスが抜群なんである。ラスト・ライヴとなったファイナル・カーニバルなんかオープニングから洋楽カヴァーを11連発(←歌謡界では普通あり得へんでしょ!)、しかもスリー・ドッグ・ナイトの「ゴーイング・イン・サークルズ」なんか間奏部でキング・クリムゾンの「エピタフ」を引用するという実に硬派なアレンジだ。このように、キャンディーズのライヴは洋楽ロック・ファンの目から見ても十分傾聴に値する内容になっているのだ。
キャンディーズは公式にライヴ・アルバムを3枚リリースしているが、その中で私が一番愛聴しているのがこの「キャンディーズ・ライブ ~蔵前国技館 10,000人カーニバル Vol.2~」で、A面はカヴァー曲中心、B面はシングル・ヒット曲とこのライヴ用の新曲という構成になっている。
A面ではまず、CCRをカヴァーしたアイク&ティナ・ターナーの①「プラウド・メアリー」、ライヴで生まれ変わったように弾むデビュー曲②「あなたに夢中」、コントゥアーズの③「ドゥー・ユー・ラヴ・ミー」、躍動感溢れる歌声に圧倒される④「危ない土曜日」、ロボットみたいな振り付けがめちゃくちゃ可愛い⑤「恋のあやつり人形」、スーちゃんの語りで始まる⑥「朝日の当たる家」、アソシエイションの⑦「ネヴァー・マイ・ラヴ」の7曲がメドレー形式で歌われている。彼女達のオリジナル曲にはライヴを意識したロックなアレンジが施されており、それらが他の洋楽カヴァー曲と見事に溶け合って実に聴き応えのあるメドレーになっている。のっけからアクセル全開でたたみかけるようなこの展開、タマランなぁ...(≧▽≦)
これに続くのが何と私のスーパーウルトラ愛聴曲⑧「夜空の星」だ。加山雄三が1966年にヒットさせ、ベンチャーズもカヴァーした日本テケテケ史上屈指の名曲を大好きなキャンディーズの歌声で聴ける喜びを何と表現しよう!!! 「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!」での共演がきっかけらしいが、加山さんの数多いヒット曲の中から彼女達がこの曲を選んでくれたことが何よりも嬉しい。バックを務めるMMP(後のスペクトラム)の演奏もノリノリで言うことナシ。これで親衛隊の “○○ちゃーん” という耳障りなコールがなければ最高なんやけど...(>_<)
A面後半はワイルドワンズの⑨「想い出の渚」、カーペンターズの⑩「クロース・トゥ・ユー」、そしてスティーヴィー・ワンダーの⑪「サー・デューク」と洋邦織り交ぜてカヴァー曲が続くが、特に⑪はミキちゃんがスティーヴィーのアルバム「キー・オブ・ライフ」のリリース前にテープを貰ってその中から選んだというからそのセンスの良さには恐れ入る。3人のコーラス・ハーモニーは絶品だし、 “Here are SOME of~♪” のラインでスティーヴィーそっくりに唸るミキちゃんはもう完全にアイドルの域を超えている。とにかく楽しそうに歌い踊る3人の姿が最高だ。(関係ないけど「その気にさせないで」のバックの演奏は「迷信」に似てるような気が...)
B面は⑫「春一番」、⑬「夏が来た!」、⑭「ハート泥棒」、⑮「その気にさせないで」と、もう何の説明も必要ないヒット曲のつるべ打ち。まさに旬というか、売れてるアーティストの勢いを感じさせるトラックだ。このライヴのために用意された新曲⑯「ダンシィング・ジャンピング・ラブ」、⑰「めざめ」、⑱「さよならのないカーニバル」の3曲では⑯でフィンガー5の「学園天国」のフレーズを使ってファンと掛け合いをする所が楽しい。
76年にリリースされたこのアルバムは98年になってやっとCD化されたもののすぐに廃盤となり、アマゾンでは1万円台という驚愕のプレミア価格(゜o゜) たかがCD選書1枚に諭吉さんとは、キャンディーズ人気恐るべしである。運悪く買いそびれた私はオリジナルLPを持っていたこともあってまぁエエわぃと諦めていたが、2008年の「タイムカプセル20枚組CD-BOX」の中の1枚として首尾よくゲット。嬉しいことにこの CD が実に丁寧にリマスタリングされており(←男性ファンのウザいコールもLPほど気にならない...)、私の知る限りでは最高の音質でキャンディーズの歌声が楽しめる。ちょっと値は張るが内容的には一生モノのお宝なので、ファンの方はあるうちに買っときましょう。
P.S. 5月8日午後4時半から NHK-BS で、貴重な映像満載の特番「我が愛しのキャンディーズ」が再放送されるそうです。コレは絶対に見逃せませんね!!!
Yozorano-hoshi
キャンディーズ プラウドメアリー
キャンディーズ・恋のあやつり人形
キャンディーズ / 日劇 朝日のあたる家(何かが違うシリーズ)
キャンディーズ 愛するデューク
田中好子ラストメッセージ.wmv
ありがとうスーちゃん!
ということで今日もスーちゃん追悼の想いを込めてキャンディーズにしよう。彼女達はただ可愛いだけの単なるアイドル・グループではなかった。「年下の男の子」や「春一番」、「微笑み返し」といった代表曲を書いた穂口雄右氏の言葉を借りれば、キャンディーズは他のアイドル達とは激しく一線を画す “音楽的で、上品で、よりミュージシャンに近いグループ” だったという。当時の私はそんなこと全然意識せずにレコードを聴いて喜んでいたが、今の耳で聴くと穂口氏のこの発言は大いに納得がいく。
そのことを如実に示しているのが彼女達のライヴ・コンサートのセットリストで、そこでカヴァーしている洋楽の選曲センスが抜群なんである。ラスト・ライヴとなったファイナル・カーニバルなんかオープニングから洋楽カヴァーを11連発(←歌謡界では普通あり得へんでしょ!)、しかもスリー・ドッグ・ナイトの「ゴーイング・イン・サークルズ」なんか間奏部でキング・クリムゾンの「エピタフ」を引用するという実に硬派なアレンジだ。このように、キャンディーズのライヴは洋楽ロック・ファンの目から見ても十分傾聴に値する内容になっているのだ。
キャンディーズは公式にライヴ・アルバムを3枚リリースしているが、その中で私が一番愛聴しているのがこの「キャンディーズ・ライブ ~蔵前国技館 10,000人カーニバル Vol.2~」で、A面はカヴァー曲中心、B面はシングル・ヒット曲とこのライヴ用の新曲という構成になっている。
A面ではまず、CCRをカヴァーしたアイク&ティナ・ターナーの①「プラウド・メアリー」、ライヴで生まれ変わったように弾むデビュー曲②「あなたに夢中」、コントゥアーズの③「ドゥー・ユー・ラヴ・ミー」、躍動感溢れる歌声に圧倒される④「危ない土曜日」、ロボットみたいな振り付けがめちゃくちゃ可愛い⑤「恋のあやつり人形」、スーちゃんの語りで始まる⑥「朝日の当たる家」、アソシエイションの⑦「ネヴァー・マイ・ラヴ」の7曲がメドレー形式で歌われている。彼女達のオリジナル曲にはライヴを意識したロックなアレンジが施されており、それらが他の洋楽カヴァー曲と見事に溶け合って実に聴き応えのあるメドレーになっている。のっけからアクセル全開でたたみかけるようなこの展開、タマランなぁ...(≧▽≦)
これに続くのが何と私のスーパーウルトラ愛聴曲⑧「夜空の星」だ。加山雄三が1966年にヒットさせ、ベンチャーズもカヴァーした日本テケテケ史上屈指の名曲を大好きなキャンディーズの歌声で聴ける喜びを何と表現しよう!!! 「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!!」での共演がきっかけらしいが、加山さんの数多いヒット曲の中から彼女達がこの曲を選んでくれたことが何よりも嬉しい。バックを務めるMMP(後のスペクトラム)の演奏もノリノリで言うことナシ。これで親衛隊の “○○ちゃーん” という耳障りなコールがなければ最高なんやけど...(>_<)
A面後半はワイルドワンズの⑨「想い出の渚」、カーペンターズの⑩「クロース・トゥ・ユー」、そしてスティーヴィー・ワンダーの⑪「サー・デューク」と洋邦織り交ぜてカヴァー曲が続くが、特に⑪はミキちゃんがスティーヴィーのアルバム「キー・オブ・ライフ」のリリース前にテープを貰ってその中から選んだというからそのセンスの良さには恐れ入る。3人のコーラス・ハーモニーは絶品だし、 “Here are SOME of~♪” のラインでスティーヴィーそっくりに唸るミキちゃんはもう完全にアイドルの域を超えている。とにかく楽しそうに歌い踊る3人の姿が最高だ。(関係ないけど「その気にさせないで」のバックの演奏は「迷信」に似てるような気が...)
B面は⑫「春一番」、⑬「夏が来た!」、⑭「ハート泥棒」、⑮「その気にさせないで」と、もう何の説明も必要ないヒット曲のつるべ打ち。まさに旬というか、売れてるアーティストの勢いを感じさせるトラックだ。このライヴのために用意された新曲⑯「ダンシィング・ジャンピング・ラブ」、⑰「めざめ」、⑱「さよならのないカーニバル」の3曲では⑯でフィンガー5の「学園天国」のフレーズを使ってファンと掛け合いをする所が楽しい。
76年にリリースされたこのアルバムは98年になってやっとCD化されたもののすぐに廃盤となり、アマゾンでは1万円台という驚愕のプレミア価格(゜o゜) たかがCD選書1枚に諭吉さんとは、キャンディーズ人気恐るべしである。運悪く買いそびれた私はオリジナルLPを持っていたこともあってまぁエエわぃと諦めていたが、2008年の「タイムカプセル20枚組CD-BOX」の中の1枚として首尾よくゲット。嬉しいことにこの CD が実に丁寧にリマスタリングされており(←男性ファンのウザいコールもLPほど気にならない...)、私の知る限りでは最高の音質でキャンディーズの歌声が楽しめる。ちょっと値は張るが内容的には一生モノのお宝なので、ファンの方はあるうちに買っときましょう。
P.S. 5月8日午後4時半から NHK-BS で、貴重な映像満載の特番「我が愛しのキャンディーズ」が再放送されるそうです。コレは絶対に見逃せませんね!!!
Yozorano-hoshi
キャンディーズ プラウドメアリー
キャンディーズ・恋のあやつり人形
キャンディーズ / 日劇 朝日のあたる家(何かが違うシリーズ)
キャンディーズ 愛するデューク