shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Revolver 2022 Super Deluxe Edition ④

2022-11-20 | The Beatles
 ディスク4は「Original Mono Master」だ。ロックであれジャズであれ、昔のモノラル音源をデジタルでCD化したものがオリジナル盤LPよりも音が良かったなんて経験はこれまで一度も無かったので正直言って今回のモノ・マスターにもあまり期待はしていなかったのだが、案の定CD版モノは良くも悪くも私の予想通りの音で、それなりに空間の広がりのようなものは感じるが、“まぁこんなもんかな...”というところ。その後届いたLP版モノは、CD版よりは音が良かったものの、オリジナル盤の足元には遠く及ばなかった。まぁ人によって音の好みはそれぞれだが、少なくとも私がモノラル音源に求めるものは一にも二にも “生々しさ” であり、“有無を言わせぬ圧倒的パワー” であるからして、少なくともモノラルに関してはUKオリジナルのアーリー・プレス盤さえあれば他は何も要らないというのが私の正直な感想だ。因みにステレオに関しては今回のニュー・リミックスLP版の音は十分合格点だと思う。
 ディスク5「Revolver EP」には「Paperback Writer」と「Rain」のステレオとモノの計4トラックが入っている。「Paperback Writer」のステレオはコーラス・ハーモニー部分の重ね方がデミックスによってかなり精緻に再構築され、メリハリ感が大きくアップしてシャキシャキした “とってもモダンな音” に生まれ変わっており、これはこれでアリやなぁという感じ。逆にギターの荒々しさはオリジナル・ミックスよりも控え目になってしまっているのが私的にはちょっと残念。まぁこのあたりはディスク1の本編ステレオと同じく、オリジナルとの優劣云々よりも “こんな音作りの「Revolver」もアリか...” と楽しむ選択肢が増えたことを喜ぶべきなのだろう。
Paperback Writer (2022 Stereo Mix)

 モノラルの方は比較対象が鬼ラウドカットのシングル盤なので、ハッキリ言って相手にもならない。これは上記のモノ・マスター同様、今回のミックスがどーのこーのではなく、UKオリジナル盤の音があまりにも凄すぎるのだ。特に「Paperback Writer」はビートルズの全シングル中最強と言われるスーパーウルトラ爆音盤であり、リイシュー盤の分際でそんなエグいレコードの音とタイマンを張れるワケがない。それと、私はモノ・ミックスの中盤でエコーが強くかかるところにどうしても違和感を感じてしまうのだが、今回のニュー・ミックスではそのあたりが強調されて聞こえるので余計にアウトだ。
Paperback Writer (Mono)

 「Rain」のステレオはベースが大きく前面に出て来たりヴォーカルの配置が変えられていたりで結構面白い。ただ、だからと言ってこれからこれを頻繁に聴くようになるかと問われると答えに窮してしまう。“興味深い”と“好き”とは違うのだ。モノラルの方は、「Paperback Writer」同様にアナログ・シングル盤の音に勝るものは無い。この曲のキモである混沌としたカオスな感じが強く出ていてリヴォ指数が高く感じられるからだ。あくまでも私個人の好みの問題だが、モノラル音源はやっぱりアナログのアーリー・プレス盤に限ると思う。
Rain (Mono)

 ということで4回に分けてダラダラと感想を書き散らかしてきたこの「Revolver 2022 Super Deluxe Edition」。届いてからもう3週間ほど経ったが、ずーっと頭の中がリヴォりまくりで毎日が実に愉しい。それにしても大好きな「Revolver」の珍しい音源が一杯聴けるなんて、長生きはするモンですなぁ...

【おまけ】この前の日曜に行われたF1サンパウロGPでレース前のグリッド上にサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドが降臨! サンバとペパーズという組み合わせがいかにもブラジルという感じだ。私的にはレース結果よりもこのビートルズの巨大案山子(?)とレッドブルのチームオーダーを巡る内輪揉め(←今後めちゃくちゃ尾を引きそうで楽しみ...笑)が一番印象に残りました。