shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Beatles For Sale」各国盤バトルロイヤル①

2019-07-18 | The Beatles
 当ブログのビートルズの各国盤バトルロイヤル・シリーズ(←いつの間にかしれっとシリーズ化www)は本体にソロを含めてその時の気分次第でテーマ・アルバムを決めているのだが、前回は中期ビートルズの「Help!」だったので今回も同じく中期の傑作「Beatles For Sale」にしようと思い立ち、警報明けで人の少なそうな平日の夕方を狙って B-SELS を急襲(笑)した。持っていったのはUK盤、デンマーク盤、スウェーデン盤、ノルウェー盤、ニュージーランド盤、イタリア盤、フランス盤、ブラジル盤の8枚で、3時間かそこらで全部を聴くのは到底不可能なため、とりあえずUKマザーの北欧3国と本家本元のUK盤の計4枚を聴き比べ、残りは後日に回すことにした。

①デンマーク盤(4N/3N, 166g)
 私:それじゃあまず「With The Beatles」チャンピオン(笑)のデンマーク盤からいきましょか。
 Sさん:おぉ、いきなりコレは文句ナシの良い音ですね。
 私:いやぁ、おっしゃる通り、文句のつけようがありませんね。
 Sさん:思い描いていた通りの音です。
 私:何も言わずに聴き入ってしまいますよね。
 Sさん:B面は更に音が良いですね。かなり細かい音まで聞こえて、音楽が豊かに響きます。
 私:「Help!」とは違って音のまとめ方が上手いですよね。さすがはチャンピオン!(笑)

②ノルウェー盤(4N/3N, 160g)
 Sさん:カッコ良いレーベルですね。パープル・パーロフォンですか。
 私:アナログ盤はレーベル・デザインを目でも楽しめるのが良いですね。
 Sさん:さっきのデンマーク盤よりも音が大きいですね。しかも音がクッキリしていて、まるで薄皮が剥がれたように聞こえます。
 私:ダイナミックな音ですよね。前へグイグイくる圧力が凄いです。
 Sさん:同じUKマザーなのにこっちの方が音が大きいって不思議ですね。プレスの違いとか色々あるんでしょうか。色んな音が聞こえますよね。
 私:「Mr. Moonlight」のドラムの響きが実にリアルです...(≧▽≦)
 Sさん:「Kansas City」のこの余韻は素晴らしい!!! こんなの他の盤では聴いたことがないですよ。まるで歌ってるポールの表情が目に浮かぶようです。コーラスも活き活きしてますね。楽しそうな感じがすごく伝わってきます。
(A面が終わり、盤をひっくり返しながらしみじみと)このレーベル・デザイン、ホンマにカッコエエなぁ...
 私:音の鮮度が高いですね。55年前のレコードとは思えませんわ。「Eight Days A Week」のベースがめっちゃよぉ聞こえますね。
 Sさん:コレ凄いですよ。さっきのデンマーク盤も良かったですが、コレは更にその上をいってますね。
 私:F1の予選でいきなり良いタイム出してトップに立ったのにすぐ後ろから来た車が更に凄いタイムでコースレコード更新したような、そんな感じですかね。とにかくハイレベルな戦いです。それにしてもコレ、手拍子がめっちゃクリアですね。それに「Words Of Love」のベースがこんなによく聞こえるなんて... (≧▽≦)
 Sさん:ギターの音が生々しいですし、エンディング部分も最後までコーラスがキレイに残ってますね。
 私:この「Honey Don't」、何だか違うレコードを聴いてるみたいです。
 Sさん:リンゴの声がよく伸びてるんですよ。リンゴってこんなに歌上手かったっけって感じです。
 私:「Every Little Thing」のティンパニの響きがたまりませんねぇ。
 Sさん:音が残るのが長いので余韻が凄く気持ちいいんですよ。それと「I Don't Want To Spoil The party」の間奏のギターですけど、何ですか、このパワーは! もうコレが優勝でエエんとちゃいますか(笑)
 私:私も同じことを言おうと思ってましてん(大爆笑) まぁせっかく持ってきたんで一応他のも聴いてみてくださいな(^.^)

③スウェーデン盤(3N/4N, 146g)
 Sさん:コレも音大きいですね。
 私:高域が良く伸びてるし、低域も豊かです。
 Sさん:結構きますね。ベースもしっかりしてるし。
 私:スウェーデン盤らしい華やいだ感じがしますね。
 Sさん:この前の「With The Beatles」もこんな感じの良い音でしたね。
 私:「Rock & Roll Music」のピアノのカン高い音が超刺激的!!!
 Sさん:かなりの高音質ですね。ただ、「Kansas City」はさっきのノルウェー盤の方が良かったです。色んなものが一杯詰まった豊かな音でした。
 私:B面にいきましょう... う~ん、B面はA面と比べるとちょっと落ちるかな。
 Sさん:さっきのノルウェー盤は「Eight Days A Week」のココのベースのボンボンボンボン~♪っていう4拍子のとこが凄かったですけど、コレはそこんところがちょっとイマイチかな。
 私:コレ単体で聴けば全然不満はないんですけど、さっきのノルウェー盤と比べてしまうとどうしても物足りませんね。
 Sさん:A面よりも少しだけヴォーカルとコーラスが引っ込んだかな? もう一盛り倍音成分が足りない感じですね。
 私:今のところ、ノルウェー>デンマーク≧スウェーデンですかね。とにかくこの北欧3国、めっちゃレベル高いです。これはもうUK盤と直接対決させるしかないでしょう。

④UK盤(3N/3N, 165g)
 Sさん:さすがは本家本元、コレは立派な音ですわ。
 私:自分で持ってきて言うのも何ですけど、盤質がめちゃくちゃ良いですね(笑)
 Sさん:確かにこのレコードは盤質に左右される要素が多いですね。カッティングやプレス技術の実力をシビアに暴き出すレコードです。これがもし「Please Please Me」や「With The Beatles」やったらモノのド迫力だけで感動させてしまうところがありますけど、この「Beatles For Sale」には色んな要素が詰まってますから総合力が問われるんですね。
 私:なるほど... その視点は私には無かったです。確かに言われてみればその通りですね。私なんかいつも「With The Beatles」のラウドカット聴いて “んほぉ~” ってヨガってるだけでしたもん(笑)
 Sさん:「Words Of Love」のこのギターの音がさっきのスウェーデン盤では倍音が後退してましたけど、やっぱりUK盤はそのあたりがしっかりしてます。
 私:コーラス・ハーモニーの素晴らしさに改めて感心させられますね。演奏も、ヴォーカルも、コーラスも、どこをとっても欠点のない完全無欠な音作りですよ。
 Sさん:でも私としてはノルウェー盤が一番です。あの音はホントに凄い!!!

と2人で大いに盛り上がったところで聴き比べパート1は時間切れ終了。独自マトの盤を含む残りの4枚は日を改めて行うことにした。それにしてもこのバトルロイヤル企画、段々大ごとになってきたな... (つづく)