shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

音壁Japan (Pt. 3)

2012-06-16 | Wall Of Sound
 「音壁Japan」特集もいよいよ最終回だ。シーナ&ザ・ロケッツは私が高校生の時に音楽誌のレコード・レビューで彼らの 2nd アルバム「真空パック」が大絶賛されているのを見て興味を持ち、試しに何曲かエアチェックして聴いてみたらコレがもうめちゃくちゃカッコ良いガールズ・ロックで大コーフン(^o^)丿 当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったYMOのメンバーも参加しており、実にキャッチーなロックンロール・アルバムになっているのだが、中でも最もインパクトが強かったのがシングル・カットされた⑫「ユー・メイ・ドリーム」だ。
 この曲には細野晴臣が作曲とプロデュースで参加しており、素朴だったシナロケにポップな魔法をかけ、邦楽ガールズロック史上に残る名曲名演に仕上げている。エコー感はそれほど強くはないが、“スペクター印” の刻印を押しまくるかのように随所で鳴り響くカスタネットがとても印象的だし、「ユー・メイ」と「夢(ドリーム)」を引っ掛けた言葉遊び的な歌詞もユニークで面白い。何やかや言うても、シンセのバックでしっかりと自己主張する鮎川しゃんのロック・スピリット溢れるギターが最高ですたい(笑) ミカ直系のヘタウマ・ヴォーカリスト、シーナのハスキーでキッチュな歌声もガールズ・ロックにぴったりハマっとるとよ... (≧▽≦)
ユー・メイ・ドリーム シーナ&ザ・ロケット


 元スケバン刑事の浅香唯が4年間のブランクの後、YUI 名義でリリースしたカムバック作が⑬「Ring Ring Ring」だ。1980年代の邦楽は殆ど聞いてないに等しいので恥ずかしながら全盛期の彼女のヒット曲は1曲も知らないのだが、この曲はクセになる。ウキウキワクワクするような彼女の歌声が分厚~いウォール・オブ・サウンドとの相乗効果で高揚感を煽りまくり、ドラムスが轟きわたるイントロからその音圧に圧倒されっぱなし(≧▽≦) 特に凄いのはダイナミックレンジを狭く取ることによって中音域が分厚く張り出してくる “あの時代” のモノラル・サウンドを忠実に再現していることで、本アルバム収録作品中最も音壁度の高いナンバーになっている。スペクターの座右の銘である “バック・トゥ・モノ” を極めた感のあるこの安田信二というアレンジャーは筋金入りのスペクター・マニアと見た。こりゃタマランわいと調子に乗ってヴォリュームをガンガン上げていくと、詰め込まれたいろんな音が混然一体となって襲い掛かってきて快感そのものだ。ホンマによーやるわ(゜o゜)
【YUI】 Ring Ring Ring 【浅香唯】 Wall of Sound Japan


 渡辺満里奈の⑭「うれしい予感」はエコー感もバッチリで音壁度は高いのだが、残念ながら歌声にイマイチ聴き手を魅きつけるものがない。この人はTVタレントとしては好感度が高いが、歌手にはあまり向いてないと思う。
 以前このブログでも取り上げた岡崎友紀の⑮「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」は日本人が作った音壁アイドル・ポップスの最高傑作で、キュートな歌声、キャッチーなメロディー、ドリーミーなサウンドと文句の付けようのないキラー・チューン。プロデューサー、加藤和彦の天才ここに極まれり!と言いたくなる絵に描いたような3分間ポップスで、これ以上の名演があったら教えを乞いたいくらいの素晴らしさである。尚、この曲の入った同名アルバムは他にもシルヴィ・バルタン「アイドルを探せ」やローリング・ストーンズ「アズ・ティアーズ・ゴー・バイ」の傑作音壁カヴァーが収録されている大名盤なのだが、1994年に一度CD化されたっきりずーっと廃盤のままで、私はラッキーなことに7年ほど前にヤフオクでLPを、3年前にソニー・オーダーメイドファクトリーでCDをそれぞれゲットできたが、今現在アマゾンでは1万円前後のボッタクリ価格で取り引きされているようだ。シリア・ポールの「夢で逢えたら」もそうだが、こんな名盤を廃盤のまま放置しておくというのはレコード会社の怠慢以外の何物でもないと思う。
ドゥ・ユー・リメンバー・ミー


 大瀧詠一の⑯「青空のように」は「ロンバケ」前夜のナイアガラ・サウンドといった感じでドドンパ・リズムが面白い1曲だが、どうせならナイアガラ・サウンドの最高傑作「君は天然色」を入れて欲しかったところ。あの曲こそ究極のスペクター・オマージュだと思うのだが...
 モコ・ビーバー・オリーブの⑰「わすれたいのに」は1961年にパリス・シスターズがフィル・スペクターのプロデュースで出した「アイ・ラヴ・ハウ・ユー・ラヴ・ミー」の日本語カヴァーで、ウォール・オブ・サウンド完成以前にリリースされた原曲に合わせたかのようなあっさりめのサウンド・プロダクションだ。1曲目をシリア・ポールで始め、最後をオリーブ(←シリア・ポールの愛称)で閉めるという仕掛けにもニヤリとさせられる(^o^)
 以上全17曲、とてもヴァラエティーに富んだ内容で、知らない歌手や曲も一杯聴けて大満足。私は数曲を差し替え・追加して自家製CD-R「ザ・コンプリート・音壁Japan」を作って楽しんでいる。今回は “イントロが「ビー・マイ・ベイビー」してる” 曲が中心に選ばれているが、次回はもっとマニアックな選曲で「音壁Japan 2」を作って欲しいものだ。まぁそれはともかくとして、こんな素敵なコンピ盤を教えて下さったみながわ最高顧問に感謝感謝の大感謝!!! おかげさまで、仕事で溜まりに溜まったストレスも音壁CDを大音量で聴いてスッキリ解消、毎日充実した音壁ライフを満喫しております(^.^) これからも何卒よろしくご指導下さいm(__)m
モコ・ビーバー・オリーブ/わすれたいのに
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