shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Experience Movie / The Yellow Monkey (Pt. 2)

2012-02-06 | J-Rock/Pop
 このアルバムの中で①「Morality Slave」と並ぶ超愛聴曲が⑪「Suck Of Life」だ。この曲にはシングル「アバンギャルドで行こうよ」のB面に収録されていたオリジナル・ヴァージョンと、冒頭に “ファスナーをおろして~♪” の一節が追加されたアルバム・ヴァージョンがあり、私は先にオリジナル・ヴァージョンの方をベスト・アルバム「トライアド・イヤーズ・アクトⅡ」で聴いていたので、このアルバム・ヴァージョンを聴いた時は本当にビックリ(゜o゜)  というのも追加されたパートには重厚なエコー処理が施されて “あの時代” を思い起こさせる女性コーラスとハンド・クラッピングが寄り添い、何とカスタネットまで響き渡るという徹底ぶり... コレってもろにロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」のパロディーやん(笑) そう、この追加部分は意表を突いた “イエロー・モンキー版ウォール・オブ・サウンド” なんである。
 吉井さんが優れたミュージシャンである以前に洋楽ロック&ポップスや昭和歌謡の優れたリスナーであったことは彼らのアルバムを聴けば瞭然で、その音楽マニアとしての冷静な視線とマニアックなまでの拘りがイエロー・モンキーの音楽性にしっかりと反映されているところが大好きなのだが、まさかフィル・スペクターまでもが守備範囲だったとは思わなんだ... 吉井和哉恐るべしである。「ビー・マイ・ベイビー」をパロったのは、おそらく歌詞の “Be my suck of life” というフレーズから思いついたのだろう。
 本編の曲そのものは血沸き肉踊るようなバリバリのロック・チューンで、曲想はボウイの「Rebel Rebel」(←初期ボウイは苦手やけど、この曲はノリが良くて大好き!!!)に似ている気がするが(←ヒーセのベース・ラインもクリソツ!)、変則的なメロディーを軽やかに歌いこなす吉井さんのシンガーとしての実力がよく分かるナンバーだ。追加部分にクロスフェードするような形で切り込んでくるアニーのワイルドなドラミングや高揚感を煽りまくるエマのギター・リフもめちゃくちゃカッコ良く、この手のロックが大好きな私なんか何度聴いてもアドレナリンがドバーッと出まくって、ロックな衝動がマグマのようにこみ上げてくる。
 歌詞はもうめちゃくちゃ卑猥。特にヤバイ部分はすべて英語で歌われているので普通に聴いてる分には気がつきにくいが、タイトルに使われている suck とは「舐める、しゃぶる」という意味でそのものズバリだし、cock shock なんていうオゲレツな韻の踏み方してるし、要するに “もう我慢できない オレの○○○をしゃぶってくれよ わかるだろ?” という感じ(←訳すだけで恥ずかしいわ...)。しかも be my sucker (俺の×××になってくれ!)を繰り返しておいて最後に be my sucker of life (ずーっとそういう関係でいてくれよ)なんて... 日本語で歌ってたら放送禁止間違いなしのスゴい内容だ。エロ・パート(?)以外では “悪女の深情けは無用さ 女狐の涙に用はない 君の彼はゲイでおまけにデブ 幸せなんて言葉はな~い♪” のラインが気に入っている。
 この曲はライヴには欠かせない定番曲で、間奏で吉井さんとエマの妖しげな絡みがあったり途中にメンバー紹介を挟んだりで、ノッてる時は20分近く続くこともざら。このメンバー紹介がまためちゃくちゃ面白くって、2000年のスプリング・ツアーの時なんか、 “夜のお菓子、エマ!”(←うなぎパイかよ...)とか、 “ロッケンロール・ゴリラ、ヒーセ”(←ドリフの長さんみたいな仕草でオーディエンスを煽る吉井さんに大笑い...)とかもう抱腹絶倒モノで、このオバカ MC 見たさに DVD を取り出すことも多い(←おいおい...)。
 下に貼り付けた東京ドームのラスト・ライヴでも、吉井さんのオバカ MC は絶好調。 “エマに絡みたいけど... 髭が生えてるから嫌っ! [嫌がる吉井さんにエマが髭をスリスリ...] 痒い~ッ!!!”(4:48)とか、ジョー・ペリーを敬愛しているエマに向かって “兄貴っ、エアロスミスが演った東京ドームですよっ!”(6:50)とか(←間髪入れずにジョー・ペリー・ライクな即興フレーズで返すエマが最高!)、ゲスト・キーボーディストの三国さんをイジリたおしたりとか(7:47)、もうヘタなコントを見てるよりも遥かに面白い。
 又、コレが最後との思いからか、間奏で「追憶のマーメイド」(12:15)とか「ラヴ・コミュニケーション」(12:38)とか、「東京ブギウギ」(12:53)のフレーズを歌ったりして大サービスしてたのも印象的。ギンギンにロックしながらもエンターテインメントの要素も決して忘れない... やっぱりイエロー・モンキーのライヴは最高やね! (つづく)

Suck Of Life (Album Version)


Suck of Life -TokyoDome-COMPLETE- The Yellow Monkey