shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Rhapsody / RC サクセション

2011-07-08 | J-Rock/Pop
 親友のサムが仕事の契約満了に伴い、この7月でオーストラリアへ帰ることになった。数ヶ月前からわかっていたことだが、いざお別れとなると実に淋しい。彼女とはすぐに意気投合し、仕事そっちのけでおバカな話で盛り上がった(←寒いギャグを連発してゴミんな~)ものだった。週に一度のマジック・チューズデイに彼女とブチかますロッケンロー談義はサイコーに楽しかったし、何よりもサム&デイヴと出会っていなかったら今年に入ってからのアナログ盤大フィーバーもなかったワケだから、それはつまり「マイ・ジェネレイション」も、「ディスラエリ・ギアーズ」も、「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」も、「ベガーズ・バンケット」も、オリジ盤を買えていなかったことになる。大袈裟ではなく、彼らが私の音楽人生に与えた影響は計り知れなく大きい。去年転勤になった時は遠距離通勤がイヤでイヤで仕方なかったが、そのおかげでこの二人と出会えたのだから、今では転勤してホンマによかったと思っている。
 デイヴが見つけたランキン・タクシーの反原発ソングを先月ここで取り上げた時、おまけとして貼り付けたのが、私がプロテスト・ソングの最高峰と信ずる RCサクセションの「サマータイム・ブルース」だった。するとサムが早速それに反応、YouTube で何曲か聴いてすぐにキヨシローのソウルを鋭く見抜くあたりはさすがという他ない。音楽に国境なしというが、まさに言葉の壁を乗り越えてキヨシローの歌声が彼女の心を捉えたのだ。
 早いモノで彼が亡くなってもう2年になる。ミュージシャンとしてだけでなく一人の人間として大好きだった彼の死を中々受け入れられなかったのだが、そろそろ自分の気持ちに区切りを付けなければならない。ということで “ザ・フー祭り” はしばらく中断して “サム&デイヴお別れ特集” としてキヨシローを取り上げることにした。
 私がキヨシローの歌を初めて聴いたのは高校3年の時だった。当時アメリカで蔓延していた軽薄ディスコ・ミュージックを蛇蝎のように嫌っていた私はリアルタイムの新譜としてイギリスのニュー・ウェイヴや日本のロックをよく聴いていたが、そんな時にたまたまラジオから流れてきたのがRCサクセションの「雨あがりの夜空に」だった。いきなり炸裂するソリッドなギター・リフに続いてスピーカーから飛び出してきたキヨシローの歌声に耳が吸い付き、そのグルーヴィーなノリに圧倒されたのを覚えている。洋邦を問わず、キヨシロー以前にキヨシローのような声はなかったし、キヨシローのように歌ったシンガーもいなかった。とにかく一度聴いたら忘れられないようなソウルフルな歌声で、その吸引力抜群のヴォーカル・スタイルはまさに “ザ・ワン・アンド・オンリー” だった。
 この曲は歌詞もめっちゃユニークで面白い。何かの事情(マンスリー・デイか???)で彼女と愛し合えない男のもどかしさを、車が故障してドライヴに行けないというストーリーに重ね合わせたダブル・ミーニングなのだが、“バッテリーはビンビンだぜ!” とか “お前に付いてるラジオ 感度最高” といったキワドイ表現を随所に散りばめながら、愛車を想う気持ちと好きな女性を思う男の気持ちを絶妙に表現した傑作だと思う。特に “こんな夜にお前に乗れないなんて” “こんな夜に発車(発射)できないなんて” とキメるところなんか、言葉を自由自在に操る天才詩人キヨシローの魅力が全開だ。Eストリート・バンドのクラレンス・クレモンズみたいなブ厚いサックスのサウンドもカッコイイ(^o^)丿 コレを聴いて彼らの大ファンになった私が最初に買ったレコードがこの「ラプソディー」だった。
 これは1980年4月に久保講堂で行われたギグを収録したライヴ・アルバムで、当時のバンドの勢いが見事に音盤に刻み込むことに成功している。彼らは私の大好きなザ・フーやラモーンズと同じくライヴで真価を発揮するバンドであり、その圧倒的なノリの前ではとても冷静ではいられない。特に①「よォーこそ」なんて、こんなカッコ良いメンバー紹介曲を私は他に知らないし、コレに続くストレートアヘッドな②「エネルギー・oh・エネルギー」もめっちゃパワフルだ。
 スローな③「ラプソディー」、イントロの最中にキヨシローが発する “エ~ッ?” がめっちゃエエ味出してる④「ボスしけてるぜ」、「悲しみのアンジー」を裏返しにした様な⑤「エンジェル」を間に挟み、後半は再びアップテンポな曲が続く。凄まじいまでのグルーヴに身悶えしてしまう⑥「ブン・ブン・ブン」、スタジオ録音ヴァージョンよりも数段パワーアップした⑦「雨あがりの夜空に」、“日本の有名なロックンロール... ワン、トゥー、ワン、トゥー、さん、しっ!” という有名な MC で始まるライヴの定番曲⑧「上を向いて歩こう」(←意表を突いたロックなアレンジがタマラン!)、そして疾走感溢れる⑨「キモチE」まで、たたみかけるように加速していく流れが素晴らしい。
 このアルバムはオリジナル盤発売から25年経った2005年に「ラプソディー・ネイキッド」という完全版がリリースされたが、ザ・フーの「ライヴ・アット・リーズ」と同じく、勢いで一気呵成に聴かせるこのオリジナル版の編集がベストだと私は思っている。それにしても RC のライヴはホンマにカッコエエなぁ... (≧▽≦)

RCサクセション よォーこそ


RCサクセション 雨上がりの夜空に(1980) )))STEREO(((


RCサクセション 上を向いて歩こう
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