shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Ramones Anthology (Pt. 1)

2010-09-15 | Ramones
 前回に引き続き今日もラモーンズである。彼らの 5th アルバム「エンド・オブ・ザ・センチュリー」は愛聴盤になったけれど、ちょうど 80's へと移り変わる端境期だったこともあり、それ以降アメリカン・チャートを本格的に追いかけ始めた私にとってシングル・ヒットとは全く縁のないラモーンズの存在はどんどん遠くなっていき、 “ラモーンズは「エンド・オブ・ザ・センチュリー」1枚で十分” という誤った認識で 80's、そして 90's を過ごしてしまった。
 やがて21世紀に入りネットオークションを始め、1枚数百円という “持ってけドロボー” 的な安値で CD が買えるようになって、確かスティーヴィー・レイ・ヴォーンだったかピンク・フロイドだったかの CD をヤフオクで落札した時のこと、2枚まで送料が変わらないということで同じセラーが出している CD の中から安くて良さそうなのをもう1枚、という軽い気持ちで落札したのがラモーンズのキャリア全般にわたって選曲されたこの2枚組ベスト「ラモーンズ・アンソロジー」、無競争で800円だった。
 届いた CD は全58曲入り、しかもシングル・ヒット曲が無いからアルバム「エンド・オブ・ザ・センチュリー」収録曲以外は1曲も知らないというお寒い状況だ。徹底したダウンストローク・リフ主体のストレートアヘッドなロックンロールというスタイルは気に入ったものの、肝心のサウンドはスカスカだったし、如何せんどれもこれも似たような曲に聞こえたのだ。結局その時は2~3回聴いただけで CD棚にしまい込んでしまい、ラモーンズのことはすっかり忘れてしまった。
 それから数年が経ち、私は少年ナイフにどっぷりハマって彼女らの CD を聴き漁っていくうちに 1st アルバム「バーニング・ファーム」のボートラでラモーンズのカヴァー「アイ・ウォナ・ビー・セデイテッド」を耳にしてそのカッコ良さにシビレてしまった。イントロの取って付けたような “ワントゥスリフォッ!” はご愛嬌だが、実に洗練されたガールズ・ロックに仕上がっており、 “ラモーンズの CD にこんなエエ曲入ってたっけ?” と慌ててこのベスト CD を取り出して聴いてみるとコレがもうバリバリにカッコエエのである。他の曲も初めて聞いた時とは印象がガラリと違い、グイグイとこちらの心に食い込んでくる。今にして思えば以前聴いた時は小音量で内容チェック、みたいな身の入っていない聴き方をしていたのだろう。やはりロックンロールは大音量で聴かないとその真価は分からない、と大いに反省した次第。ということで、私は少年ナイフ経由でやっとラモーンズの真価の一端を垣間見れた気がした。
 この「アイ・ウォナ・ビー・セデイテッド」は「ドゥー・ユー・リメンバー・ロックンロール・レイディオ」と並ぶ私のフェイバリット・ラモーンズ・ナンバーで、ウキウキワクワクするような曲想、思わず一緒に口ずさんでしまいそうなキャッチーなメロディー、勝負所でここぞとばかりに飛来するハンド・クラッピングと、少年ナイフを始めとするラモーンズ・フォロワーたちがこぞって取り上げるのもよく分かる大名曲だ。又、ブルース・スプリングスティーン御大がボストンのライヴでファンのリクエストに応えて演ったヴァージョンを YouTube で見つけたのだが、“バババンバ ババババンバ~♪” と観客と一体となっての大合唱が異常なまでの盛り上がりを見せていてめっちゃ感動的だ。これはもう立派なロックンロール・クラシックスと言っていいだろう。
 頑なにシンプルな8ビート・パンクの美学を貫いたラモーンズはトップ40ヒットこそ生み出せなかったが、そういった “記録” よりも “記憶” に残るロックンロール・レジェンドとして、パンクの好き嫌いに関わらずロック・ファンにとっては必聴のバンドだと思う。 (つづく)

The Ramones-I Wanna Be Sedated lyrics  《↓24 hours ago じゃなくて to go ですね》


Shonen Knife-I Wanna be Sedated


Bruce Springsteen & The E-Street Band - I Wanna Be Sedated (Ramones Cover) - Boston