shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ザ・ビートサウンド・クラブ 【青盤】 鉄腕アトム

2010-06-20 | Beatles Tribute
 昨日のタンゴに続くおバカ企画シリーズ第2弾(?)はアニソンとビートルズの融合という、普通ではあり得ない発想から生まれた珍盤「ザ・ビートサウンド・クラブ【青盤】/ 鉄腕アトム」である。これは以前このブログで取り上げた「【赤盤】/ さっちゃん」と対をなす姉妹盤で、要するにビートルズの楽曲に乗せて強引にアニソンを歌ってしまうという、神をも恐れぬ暴挙(笑)に近いアルバムなのだ。
 「【赤盤】/ さっちゃん」の方は童謡編ということでほとんどの曲を知っていたが、アニソンの方は知らない曲も結構多い。⑤「青い空はポケットさ」、⑧「アンパンマンのマーチ」、⑪「ワイワイワールド」、⑫「キャンディ・キャンディ」は恥ずかしながらこのアルバムで初めて聴いた。パロディーというのは元歌を知らないとどこが面白いのかサッパリ分からないもので、この辺に関してはコメントしようがない(>_<) 又、③「おどるポンポコリン」は多分「プリーズ・ミスター・ポストマン」を下敷きにしているのだろうが非常に分かりづらく、全然パロディーになっていない。この③は無い方がよかったな...(>_<)
 アルバム冒頭を飾る①「ゲゲゲの鬼太郎」は「ミッシェル」そのまんまのイントロに続いていきなり「ゲッ、ゲッ、ゲゲゲのゲ~♪」ときた時点であまりのアホらしさにイスから転げ落ちる。しかしこの盤のエライ所は子供向けCDであるにも関わらず、細部にまで徹底的にこだわっているところ。バック・コーラスのアレンジはビートルズそのまんまだし、間奏やエンディングの処理も原曲に忠実にしてあって、それがかえってゲゲゲな歌詞とのミスマッチな面白さを際立たせているように思う。
 「ノーウェジアン・ウッド」と見事に融合した②「ひみつのアッコちゃん」も面白い。一体誰があの幻想的なシタールの響きにアニソンをくっつけようなどと考えるだろうか?ご丁寧なことにラバー・ソウルなタンバリンまで登場、この摩訶不思議なビートルズ風アニソンの絶妙なアクセントになっている。プロデューサーやらアレンジャーやら、みんな本気になって遊んどるなぁ...(^.^)
 「涙の乗車券」のギター・リフに乗って歌われる④「ウルトラマンのうた」というのもオツなものだが、個人的にツボに入ったのが⑥「ひょっこりひょうたん島」だ。これが何と「カム・トゥゲザー」とコワイぐらいに一体化していてもう凄いとしか言いようがない。目からウロコとはまさにこのことで、このアルバム中の私的ベスト・トラックだ。
 「レヴォリューション」のイントロだけ取って付けたような⑦「行け行け飛雄馬」や「アイ・フィール・ファイン」なギター・リフだけが空しく響く⑨「魔法使いサリー」は木に竹を接いだような不自然さは否めないし、「バック・イン・ザ・USSR」のジェット音に乗って飛んでくる⑩「鉄腕アトム」も面白いのはジェット機の効果音だけで、例えば “バーキン ユゥエス~♪” の3回転トリプル・アクセルをパロってみるとか、アレンジに何かもう一工夫ほしかったところ。
 しかし「エリナー・リグビー」風の⑬「レッツゴー・ライダーキック」には笑ってしまった。例のストリングスのイントロ(もちろんチープさ全開の打ち込みサウンドだが...)からいきなり “迫る~ショッカー♪” である。それにしても仮面ライダーにあのストリングス・アレンジがこれほどぴったりハマるとは驚きだ。アレンジャーさん、エエ仕事してまんな。ぴったりハマるといえば、⑭「ねぇムーミン」もこれに勝るとも劣らない面白さ。「ラヴ・ミー・ドゥ」のハーモニカのイントロに続いて “ねぇムーミン、こっち向いて~♪” 、コレが意外なほどしっくりくるのだ。この恐ろしいほどの脱力感は一聴の価値アリだと思う。しかしこんな盤ばっかり取り上げとったらホンマにアホになってしまいそうでコワイわ(>_<)

カム・瓢箪島・トゥゲザー
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