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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「ジョン・ウィック4」のムビチケ買った(^o^)丿

2023-07-21 | TV, 映画, サントラ etc

 私は映画に関しては超の付くド素人で、自分が興味のあるごく狭いジャンルのモノしか観ない。それも大半は封切り後1年ぐらい経ってから発売されたブルーレイが更に値崩れするのを辛抱強く待ってから(笑)買って観るというセコい人間である。とにかくレコード以外の出費は出来るだけ抑えるというのが家訓であり、信条であり、座右の名であるので、わざわざ映画館にまで足を運んで観たのは過去20年間でも「ゲット・バック」「イエスタデイ」「エイト・デイズ・ア・ウイーク」といったビートルズ関連モノと「ボヘミアン・ラプソディ」、それに「スター・ウォーズ」シリーズぐらいしかない。
 そんな私が人生で初めて“ムビチケ”なるものを買った。昔の言葉で言うと何のことはない “前売り券” だ。映画は「ジョン・ウィック4~コンセクエンス~」... 以前このブログでも取り上げた、キアヌ・リーブス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描いたアクションもので、前作「ジョン・ウィック3 ~パラべラム~」から4年という長い間首を長~くして待っていてついに日本公開日が決まり、いてもたってもいられなくなってシネマサンシャイン大和郡山まで車を飛ばしたのだ。
【本予告】『ジョン・ウィック:コンセクエンス』9/22公開


 とにかくこの「ジョン・ウィック」シリーズほど私を奮い立たせてくれる映画は他にはない。“血湧き肉躍る” という表現があるが、まさにこの映画にピッタリの表現だ。あぁもう今から9月22日が待ちきれない。スピーカーが直ってからというもの、レコードばかり聴いていて最近全然家で映画を観ていなかったので、この週末は久々にテレビにかじりついて “ジョン・ウィック祭り” でもしようかな...
【閲覧注意】相手の耳にエンピツを突き刺したりとか、かなり過激なシーンの連続なので、そういうのが苦手な人は見ない方がいいと思います↓
ジョン・ウィック - 復讐完了

ジョン・ウィック:チャプター2‐ 美術館での銃撃戦

ジョン・ウィック:チャプター2 ‐ vs暗殺者たち

ジョン・ウィック:チャプター3 ‐ カサブランカでの銃撃戦


 更に海の向こうではもう次作「ジョン・ウィック:チャプター5」のトレイラーが公開されている。うまくすれば2年連続で「ジョン・ウィック」の新作が観れるかもしれないのだからこれはえらいこっちゃである。早よ来年にならんかな...
John Wick: Chapter 5 ‐First Trailer (2024) Keanu Reeves & Ana de Armas Ballerina Movie | Lionsgate

John Wick Chapter 1-3

2021-03-06 | TV, 映画, サントラ etc
 今の職場に転勤してからちょうど1年になる。仲良くなった同僚とは趣味の話をして仕事のストレスを解消しているのだが、中でも席が隣りのNちゃんとは特にウマが合う。先日、アクション映画の話題で大いに盛り上がった時に “オススメの映画教えてよ。” と言うと “激しいアクション物が好きなら「ジョン・ウィック」がエエですよ。” と言われたので早速その日にゲオに寄って「ジョン・ウィック1」と「ジョン・ウィック2」を借りて帰った。私は映画に関してはアクション物しか観ない人間で、洋画なら「スター・ウォーズ」や「スター・トレック」のようなSF物と「007」や「ミッション・インポッシブル」シリーズのようなスパイ物、邦画は任侠ヤクザVシネ一本やりだ。要するに “ドンパチ” が大好きなんである。
 そんな私にとって「ジョン・ウィック」はまさに “どストライク” の映画だった。引退した伝説の殺し屋がロシアンマフィアのボスのバカ息子に車を盗まれ愛犬を惨殺されたことにブチ切れ、復讐鬼と化して親父のマフィア組織そのものまで壊滅させてしまうという単純明快なストーリーなのだが、小難しいコンセプトなど一切なく、とにかく全編銃撃シーンのオンパレード! 私はこれまでこれほど銃をぶっ放しまくる映画を観たことがない(笑)
 主演のキアヌ・リーブスは映画「マトリックス」のネオのイメージしかなったが、この「ジョン・ウィック」はまさにハマリ役と言ってよく、殺人マシーンと化して華麗なガンさばきで敵を次から次へと撃ち殺していく姿がめちゃくちゃカッコイイ(^o^)丿 弾をブチ込んでダウンした相手の眉間にトドメの一撃を入れるところなんかもうたまらんたまらん(≧▽≦)
John Wick Club Scene full scene

John Wick (8/10) Movie CLIP - John Gets Revenge (2014) HD


 「ジョン・ウィック1」でロシアンマフィアを壊滅させたジョン・ウィックが「ジョン・ウィック2」で戦う相手はイタリアンマフィアだ。自分を利用した挙句裏切ったマフィアのボスに700万ドルの懸賞金をかけられて追われる立場となったジョン・ウィックが逆にそのボスを追い詰めていって最後に一発で仕留めるという胸アツな展開が痛快そのものだ。
ジョン・ウィックチャプター2美術館での無双シーン


 それと、「ジョン・ウィック」を語る上で欠かせないのが「エンピツ」だ。ロシアンマフィアのボスが “ある時奴はバーで3人を殺した... たった1本のエンピツでだ... 誰にそんなマネができる?” とジョン・ウィックの恐ろしさを語るシーンが「1」にも「2」にもあったが、「2」の後半には駅の構内で自分を襲ってきた敵をエンピツを使って返り討ちにするシーンがあり、私的には血湧き肉躍るフェイヴァリット・シーンの一つになっている。
John Wick: Chapter 2 (2017) - Pencil Kill Scene (6/10) | Movieclips

John Wick: Chapter 2 (2017) - With a Pencil Scene (1/10) | Movieclips


 こうして私はすっかり「ジョン・ウィック」にハマったわけだが、ラッキーなことにたまたまその翌日にスター・チャンネルで「ジョン・ウィック・チャプター3 ~パラべラム~」をやっており、2日間で「ジョン・ウィック」シリーズを3本一気に観るることができた(^.^)  この「チャプター3」も基本的には「1」「2」の路線を踏襲した “大ドンパチ大会” なのだが、銃火器だけでなくナイフやカンフーを使った戦闘のヴァリエーションがより多彩になっており(←図書館で本を使って敵を殺すシーンまであった...)、この手のアクション物が好きな人間にとってはたまらん映画なんである。個人的に面白かったのは馬や犬(←助演のハル・ベリーが超カッコイイ!)といった動物までも操って敵を倒すところで、特にホース・キックを受けた敵が吹っ飛ぶシーンには大笑いしてしまった。
"He shot my dog, - I get it." scene (John Wick Chapter 3 - Parabellum)

John Wick: Chapter 3 - Parabellum (2019) - Horse Stable Fight Scene (2/12) | Movieclips


 この「ジョン・ウィック」シリーズでもう一つ私が気に入っているのがシンプルでありながらパンチの効いたセリフの妙である。例えば倒された相手が今わの際にジョンに向かって言う “Be seeing you.” という言葉(←I'll be seeng you.の省略形)。吹替えでは直訳っぽく “また会おう” となっていたが、死にゆく者、しかも裏社会に生きる同業者の言葉という点を鑑みれば “地獄で会おうぜ” に近いだろう。これは「1」のロシアンマフィアのボス、「2」のイタリアンマフィアの女用心棒の死に際のシーンで出てくるが、他にも度々登場するお気に入りのセリフなので、仕事終わりでオフィスを出る時にNちゃんに “ビー・シーンニュ!” と声をかけて帰るようになった(笑)
 それと、敵が送り込んできた武装グループとの戦闘の前にコンチネンタル・ホテルの支配人ウィンストンとジョンの間で交わされた会話 “What do you need?(何が必要かな?)--- Guns. Lots of guns.(銃だ。それも大量の。)” は映画「マトリックス」でのタンクとネオのやり取りと全く同じだったのにもニヤリとさせられた。このシリーズの脚本はこういう遊び心が随所に見られて実に楽しい。
 この他にも相手のセリフをおうむ返しに繰り返したり、マフィアがめったやたらに fuckin' を多用したり(笑)とか、とにかくセリフ回しがめちゃくちゃ面白い。残念なことに日本盤のブルーレイにもDVDにも英語字幕が入っていないので輸入盤を購入しようとアマゾンで探してみると、ラッキーなことにシリーズ3作品のブルーレイとDVDをセットにした6枚組を発見。これで3,900円なら安いものだ。DVDはリージョン1でそのままでは観れないので(←リージョンってホンマに鬱陶しいシステムやわ... 考えたヤツは地獄へ落ちろ!!!)リージョン・コードを外してDVD-Rに焼く必要があるし、ブルーレイも何故か読み込みにめっちゃ時間がかかるのだが、それさえ我慢すれば史上最強のガンアクション映画3部作を激安で手に入れられるのだからエエ買い物をしたと喜んでいる。来年5月に公開予定の「ジョン・ウィック4」が今から楽しみでしかたがない(^o^)丿
John Wick: Chapter 3 - Parabellum (2019) Official BTS “Training for John Wick” – Keanu Reeves

【追悼】志村けん

2020-04-12 | TV, 映画, サントラ etc
 コロナウイルス感染による世界の死者数がついに10万人を突破したらしいが、一番ショックだったのは何と言っても志村けんさんの死だった。彼の死を知ったのは3月30日の朝で(命日は3月29日... 奇しくも私の父と同じ日だ)、親しくしている顧客から「志村けん亡くなりましたねぇ... ショックですよ。」と聞かされ、「えっ、ウソでしょ...」と自分の耳が信じられなかった。もちろんコロナで入院してICUに入っていることはニュースで見て知ってはいたが、まさか1週間かそこらで亡くなるなんて夢にも思わなかったからだ。その後、ネットは彼の死のニュース一色になったが、あまりにも急な死だったこともあって、私は “悲しみに暮れる”というよりは “まだ実感がわかない” というのが正直なところだった。
 それから数日経ったある日の夜中のこと、YouTubeのオススメ動画でたまたま “志村けんのバカ殿” シリーズでも一番好きだった由紀さおりとの年齢詐称ネタを集めた動画を見つけたので何気なく見始めたところ、これがもうめちゃくちゃ面白くて真夜中なのに何度も大声で笑ってしまい(3:23の「オカマのあとは養老院か!」なんかもう腹筋崩壊ですわwww)、気がついたら夜の3時を回っていた。その時初めて “あぁ、もうこの人はこの世にいないんやな...” とその死を現実のものとして受け入れると同時に、強烈な喪失感に襲われた。緊急事態宣言による外出自粛で日本中が暗く沈んだ気持ちになっているこんな時にこそ志村さんの笑いが必要なのに、その本人が真っ先に逝ってしまうなんて何という悲劇だろう? コロナは我々日本人から “人間国宝” と言っても過言ではないコント界のスーパースターを奪ってしまった。
バカ殿様 由紀さおり 年齢詐称


 私が持っているレコードで志村さん関連の盤は「ヒゲのテーマ」のシングル盤1枚きりで、それも何年か前にヤフオクで同じセラーから何枚かシングル盤を買った時にたまたま100円で出ていたのを見て“おぉ、懐かしいやん... 送料変わらんし、100円やったら買うとこか...” という軽い気持ちで買ったものだ。さっき久々に針を落として聴いてみたが、例のメロディーが鳴り出すと同時に自然と身体が動いてあのダンスせずにはいられない。困ったものだ(笑)
8時だョ!全員集合「ヒゲダンス グレープフルーツ刺し」


 志村さんはガチのビートルズ・ファンとしても有名で、66年のビートルズ武道館公演だけでなくポールの東京ドーム公演にも足を運び、ラジオ番組でその時の喜びを大コーフンしながら語っていたが、言葉の端々からビートルズ愛がビンビン伝わってくるのが嬉しかったし、特に“「Something」のウクレレの時に泣いちゃった...” というくだりにはめっちゃ共感してしまった。私にとっては “不世出のお笑いの天才” であると同時に “ビートルズ・ファンの同志” でもあったのだ。ひょっとすると今頃天国でジョンとジョージに会ってアイ~ンとかやって2人を大笑いさせてるかもしれない。
 ドリフターズ解散後の志村さんの活躍を想うと、ちょうどビートルズ解散後にウイングスを率いて再び世界制覇を成し遂げた頃のポールの姿がダブってくる。だから私なりにドリフターズをビートルズに例えると、天才型の加藤茶がジョンで努力型の志村けんがポール、仲本工事がジョージで高木ブーがリンゴにあたるのではないかと思っている。いかりや長介はさしずめジョージ・マーティンといったところか。
【芸々】 志村けん「ポールマッカートニービートルズを熱く語る」


 志村さん、今までたくさんの笑いを本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。R.I.P.

Shogun's Samurai DVD

2017-03-04 | TV, 映画, サントラ etc
 前回に引き続き今回も映画のDVDだ。私は映画に関しては音楽と違ってほとんど何も分からないド素人だが、そんな私が例外的に大好きなのが深作欣二監督の作品で、前回取り上げた「仁義なき戦い」に衝撃を受けてからというもの、彼の作品だけは欠かさず見るようにしてきた。その大半は私が大好きなヤクザ/アクション系の作品なのだが、そんな中で異色中の異色と言えるのが深作監督にとって初の時代劇である「柳生一族の陰謀」だ。
 時代劇といえばヘビメタも顔負けの様式美が当たり前の世界だが、深作監督はヤクザ映画で培ったノウハウを大量投下、千葉真一や松方弘樹、成田三樹夫に室田日出男といった「仁義...」の役者を配し(何と金子信雄まで出とるwww)、陰謀と裏切りの連続で観る者をグイグイ引き付け、迫力とスピード感に溢れた映画に仕上げている。その手法はまさに「仁義なき戦い」の時代劇版で、家光vs忠長の家督争いはさしずめ “小田原死闘篇” と言ったところか。
 私が「仁義なき戦い」のUS版ブルーレイ・ボックスを買った時にふと “他の深作映画もUS版出てへんかな~” と考え、真っ先に頭に浮かんだのが「仁義なき戦い」同様に数々の名セリフが飛び出すこの「柳生一族の陰謀」だった。早速eBayで検索してみるとアメリカ人に分かりやすい “Shogun's Samurai” というタイトル(副題は直訳の “The Yagyu Clan Conspiracy”)が付けられたDVDを発見、リージョン1なのが玉にキズだが$4.99という安値に釣られて即決。届いた盤はそのままでは観れないのでパソコンを使ってリージョンフリー仕様にシュリンクし、DVD-Rに焼いた。DVDのリージョンってホンマに鬱陶しいわ。
 この映画が封切られたのは私が高校生の時だったが、予告編のCMスポットで使われた秀逸なキャッチコピー「我につくも、敵に回るも、心して決めい」はめっちゃ流行ったように記憶している。DVDに特典映像として入っている Trailerで英語字幕を見てみると(←このセリフのシーンは予告編用に撮ったらしく、映画本編には出てこない...)“Take my side, or be my enemy... it's your decision.” となっていた。なーるほど、うまいこというなぁ...
 この映画の主役は柳生但馬守を演じる萬屋錦之介で、ラストの “これは夢じゃ。夢でござ~る!” を始めとしてその大仰なセリフ回しはこの濃すぎるぐらい濃いキャストの中でも一人だけ浮いている感が強い。私なんか逆にそのあたりに可笑しみを見い出して楽しんでいるが、やはり記憶に残るのはよろきんではなく私のお気に入りの役者たちが出てくるシーンだ。
 仁義なき戦いで強面のヤクザを演じた松方弘樹はこの映画では顔に醜いあざがあってしかもどもりというハンデを背負った徳川家光を熱演しているのだが、中でも一番印象に残っているのが謀略の限りを尽くしてついに将軍になった時に父親の遺影に向かって「親に逢うては親を殺し、仏に逢うては仏を殺す。」(I'll kill my parents if they stand in my way. I'll defeat Buddha if he interferes.)とドモリながら語りかけるシーン。その迫真の演技はさすがの一言で、一見の価値アリだ。まぁその直後に千葉真一扮する柳生十兵衛に首をハネられてしまうのだが...
 松方と同じく「仁義なき戦い」に出ていた成田三樹夫も私が大好きな役者さんで、そのザ・ワン・アンド・オンリーなキャラクターは主役を食ってしまうぐらい強烈なインパクトを残すことも多かったが(←服部刑事役で出ていた「探偵物語」では松田優作との絶妙な絡みは最高だった...)、何とここでは烏丸少将綾麿という剣豪の公家(←白塗りお歯黒でホホホと笑いながら武士たちを切りまくる姿はインパクト絶大!)を演じているのだ。JAC所属の志穂美悦子に向って、「去れ! 麻呂はオナゴを斬る剣は持たん。」(Go away, I won't kill girls.)と言い放つシーンも面白いが、やはり何と言ってもJACの親玉、千葉真一扮する柳生十兵衛との対決シーンでの「出ておじゃれ!... 姿は隠しても獣はニオイでわかりまするぞ。」(Come out!... Beasts smell even if they hide.)が一番好きでおじゃるよ(^_^)
 この二人以外ではカリスマオーラがハンパない三船敏郎や妖艶な美しさが際立つ大原麗子が良かったが、私的には徳川忠長役の西郷輝彦の意外な好演が一番の拾い物。西郷どんといえばどうしてもリズム歌謡御三家のイメージが強くて役者としてはまったく期待していなかったので、そのケレン味のない演技には感心させられた。特に駿府城での軍議の席で言い放った「もう遅い!... 手ぬるい!... 愚策!」(Too late! Passive! No good!)の3連コンボがめっちゃ気に入り、一時期職場でギャグとして使っていたほどだ。
 このように、ともすればマンネリ&ワンパターンに陥りがちな時代劇も深作監督が撮るとセオリーを無視した荒唐無稽なストーリー展開にグイグイ引き込まれ、ついつい時間の経つのを忘れてしまう。個々のシーンでも見どころが満載なこの映画、何回観てもホンマにオモロイわ(^.^)
Shogun's Samurai: The Yagyu Clan Conspiracy

Battles Without Honor And Humanity: The Complete Collection Blu-ray Box

2017-02-25 | TV, 映画, サントラ etc
 ビートルズのアナログ各国盤シリーズも一段落したので今回はガラリと趣向を変えて音楽から離れ、先月亡くなった松方弘樹の追悼に最近手に入れたブルーレイ・ボックスを取り上げようと思う。
 私は任侠映画の大ファンで古き良き東映黄金時代の諸作品から最新のVシネマまでほぼ欠かさず観ているのだが、これまで観てきた何百という任侠モノの中で私が最高傑作と信じて疑わないのが「仁義なき戦い」シリーズだ。そしてオールスター・キャストと言っても過言ではない超豪華な出演陣の中でも特に強烈なインパクトを受けたのが小林旭と菅原文太、そして当時若手の注目株だった松方弘樹だ。
 彼は5部作中の3作品にそれぞれ違った役柄で出演し、その3回ともに志半ば(?)にして殺されている。まさに “松方弘樹は3度死ぬ”(←007かよ...)というワケだが、それだけ深作欣二監督が彼の才能を高く買っていたということだろう。特に5作目の「完結編」で彼が演じた市岡輝吉のインパクトは強烈で、宍戸錠演じる大友勝利との絡みのシーンなんかもう最高だ。結局、彼は映画の真ん中あたりで殺されてしまうのだが、作品の途中で姿を消しても記憶に強く残る演技が出来るところに役者・松方弘樹の真骨頂があると思う。
 そんな彼の訃報は私にとっては大きなショックで、その週末は追悼のために「仁義なき戦い」を始めとして「修羅の群れ」「北陸代理戦争」「最後の博徒」「新・日本の首領」といった彼の代表作DVDを一気観。どの作品も文句のつけようのない名作だが、中でもやはり「仁義なき戦い」シリーズは異次元の素晴らしさだ。
 これらのDVDを観終わった後、ふと “大画面用にレストアしてブルーレイで出てへんかな...” と思いついた私(←去年観たシェア・スタジアム・ライヴのレストア版で味をしめた???)はすぐにアマゾンをチェック。シリーズ5作にボーナスディスクを加えた国内版ブルーレイ・ボックスを見つけたのだが、3万円はさすがにちょっと高すぎる。ヤフオクも似たようなモンで、既にDVDで持っている盤にそんな大枚を叩く気にはなれない。そこで国内がダメなら海外があるわいとeBayを覗いてみたところ、何とUS版のブルーレイ・ボックスが「Battles Without Honor And Humanity」というタイトルで出ているではないか! しかもありがたいことにリージョン・フリーで、何と英語の字幕付きらしい。あの強烈な広島弁のやり取りがどんな風に英語に訳されているのか、大いに興味をそそられるところだ。
 このUSボックスは2,500セット限定商品とのことで、発売から1年が経ちそろそろプレミアが付き始めているらしく、発売時は定価$100だったものが$250~$350ぐらいの高値で取り引きされていたが、ラッキーなことにたまたま$100の即決価格で出品されたブツを発見、送料込みでも国内版の半値以下で買える計算だ。私は迷わず買いを決めた。
 このボックスは第1作「仁義なき戦い」(Battles Without Honor And Humanity)、第2作「広島死闘篇」(Hiroshima Death Match)、第3作「代理戦争」(Proxy War)、第4作「頂上作戦」(Police Tactics)、第5作「完結篇」(Final Episode)の各巻がBlu-rayとDVD2枚組セット(共にリージョン・フリー)で、更に「総集篇」(The Complete Saga)Blu-ray 1枚が付いた13枚組セットになっており、日本語PCM音声に英語字幕が付いた美麗映像で深作欣二監督が作り上げた日本ヤクザ映画の金字塔を心ゆくまで堪能できる。
 ジャケットカヴァーはリバーシブル仕様になっており、表が描き下ろしオリジナル・イラストで、裏が日本公開時のオリジナル・ポスターという粋な作りになっているのもファンとしては嬉しい。更に「The Yakuza Papers」と題した全152ページのハードカヴァー・ブックレットまで付いており、各エピソードにおける人物相関図を始め、様々なエッセイやらインタビュー、そして貴重な写真が満載だ。
 映像は丁寧にレストアされており、大画面での鑑賞に十分耐えうるレベルまでグレードアップ。又、広島弁の英語訳も期待を裏切らない面白さで、“へぇ~、このセリフがそんな英語になるんか...” と大いに楽しませてもらった。松方絡みのセリフで特に印象に残ったものを挙げてみると...
①1作目、山守組若頭・坂井(松方)が山守親分(金子信雄)を恫喝するシーン
「あんたは初めからワシらが担いどる神輿じゃないの。組がここまでなるのに誰が血ぃ流しとるの?神輿が勝手に歩けるいうんなら歩いてみいや!」
(You're just the palanquin. We've always done the heavy lifting. Who shed the blood to get us here? You think you can make it on your own, palanquin?)
仁義なき戦い 名言「神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみいや 」

②5作目、敵対関係にあった大友勝利(宍戸錠)と市岡輝吉(松方)が兄弟盃を交わすシーン
「お互い分のある縁組みじゃけぇ、受けてもエエんじゃないですか」
(If this marriage can benefit us both, why not go along with it?)
「そらぁエエがのぉ、市岡、オマエ盃ゆぅモンを軽う見とりゃせんか?牛の糞にも段々があるんでぇ。おどれとワシが五寸か? 軽う見んな!」
(Fine, Ichioka, but aren't you taking the vows of brotherhood too fucking lightly? Even cow shit has different grades, you know. Are you saying you and I are equals? Don't insult me!)
仁義なき戦い 名セリフ 完結篇「牛の糞にも段々があるんで、おどれとわしが五寸かい」

③同じく5作目、敵の縄張を荒らしに乗り込んできた市岡輝吉組長(松方)が若い衆を煽るシーン
「オゥ、オマエら、かまわんけぇ、そこらの店、ササラモサラにしちゃれい!」
(Scatter into the shops around here and have yourselves some fun.)
仁義なき戦い 名セリフ 完結篇「そこらの店ササラモサラにしちゃれい」

 私はこの「ササラモサラ」という言葉の響きが大いに気に入り(←“メチャクチャ”っていう意味の広島弁か?)、昔気質のイケイケドンドンなヤクザを演じる松方の怪演と相まって忘れられないシーンになっているのだ。去年出たVシネマ作品でも有象無象の共演者たちが霞むような圧倒的な存在感で、まだまだこれからも楽しませてくれるだろうと思っていただけに彼の死は本当に残念だ。ここに心よりご冥福を祈りたいと思う。
 尚、松方以外では、1作目のラストで菅原文太が放つ名セリフ「山守さん、弾はまだ残っとるがよう...」(Yamamori, I've still got some bullets left...)があまりにも有名だ。
仁義なき戦い 名言「弾はまだ残っとるがよう 」

又、日本映画史上屈指の名シーンと私が信じる小林旭vs 梅宮辰夫(4作目)の火の出るような言葉の応酬...
小林:「広島極道はイモかもしれんが、旅の風下に立ったことはいっぺんもないんで。神戸のモンいうたら猫一匹通さんけん、おどれら、よぉ覚えとけや!」
(We may not be very sophisticated here in Hiroshima, but we never let visitors stand upwind of us. We won't let so much as a cat get through if he's from Kobe. Don't forget that!)
梅宮:「よぉし。おんどれらも吐いた唾、飲まんとけよ。ええな。わかったら、早よ いね!」
(Fine. You guys take care your spit doesn't blow in your own faces. Got that? Now get out of here!)
... は何度聞いても鳥肌が立つくらいスリリングだ。やっぱり東映の任侠路線は最高じゃのぉ...(^.^)
仁義なき戦い 名セリフ 頂上作戦 「広島極道は芋かもしれんが旅の風下に立ったこたぁいっぺんもないんでぇ」

大ショック! レナード・ニモイ氏死去

2015-03-01 | TV, 映画, サントラ etc
 昨日、ポールのチケットが取れてルンルン気分でヤフーのトップ・ニュース欄を見ていたら衝撃的なタイトルが目に飛び込んできた。 “NASAや大統領、スポック追悼” という記事である。スポック追悼って、もしかしてレナード・ニモイ氏が亡くなったのか??? 慌ててそのタイトルをクリックすると、そこには “ミスター・スポックのレナード・ニモイさん死去” とある。うわー、コレは大ショックだ。大好きなスポックが亡くなったなんて...
「ミスター・スポック」のレナード・ニモイさん死去(15/02/28)


 私は熱狂的なトレッキー(←スタートレック・ファンのこと)であり、スタトレ全シリーズ中で最も好きなキャラが「宇宙大作戦」という邦題が付けられていた初代シリーズでエンタープライズ号副長兼科学主任を務めるスポックだった。一般ピープルがスタトレと聞いてまず最初にイメージするのはエンタープライズ号でもカーク船長でもなく、ニモイ氏が演じる “耳の尖ったバルカン人” ではないか? とにかくこのスポックというキャラのインパクトは強烈で、熱しやすくて感情的なカーク船長よりも常に冷静で論理を重んじるスポックの方に強いシンパシーを感じながらスタトレにのめり込んでいった。
宇宙大作戦 日本版オープニング


 感情がなく常に論理に従って行動するという “コンピューターのように非人間的” なキャラはその後のスタトレ・シリーズにおいても必要不可欠な存在となり、「新スタートレック」のデータ少佐(アンドロイド)、「ディープ・スペース・ナイン」のオドー(流動体生物)、「ヴォイジャー」のセブン・オブ・ナイン(元ボーグ)など、彼らがいなければエピソードそのものが成立しないのではないかと思えるぐらい魅力的なキャラが作られていったのだが、そのルーツこそがレナード・ニモイ氏演じるスポックだった。
 ニモイ氏はあまりにもスポックがハマり役だったので私はいつしか彼をスポックと同一視してしまっており(←ちょうどピーター・フォーク=コロンボ、田村正和=古畑任三郎みたいな感じです...)、ニモイ氏もバルカン人なみに長寿(←ドラマではバルカン人の寿命は200歳以上という設定)なんだと勝手に思い込んでいたのだ。彼の死は私にとってジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、そしてアイルトン・セナに次ぐ衝撃度だったと言えばそのショックの大きさが分かってもらえるだろう。
 スポック絡みの名シーンは数えきれないぐらいあるが、非常に印象に残っているものの一つが映画版「スタートレックⅡ ~カーンの逆襲~」で自らを犠牲にして艦を救うシーンだ。異変に気付いて駆け付けたカーク船長とのやり取り “Don't grieve, Admiral. It is logical. The needs of the many outweigh...” “... the needs of the few” “... or the one.” はSF映画史上屈指の名シーンだろう。スタトレ以外では刑事コロンボの傑作「溶ける糸」でのメイフィールド医師役が印象に残っている。スポック・ファンとしては帝人のCMも忘れられない。
Spock's Death and Funeral

【CM 1991-92】TEIJIN 企業CM 30秒×5


 スポックを語る上で外せないのがバルカン式挨拶「長寿と繁栄を」(Live long and prosper)だが、享年83歳ということでニモイ氏は長寿を全うされたと言えるかもしれない。確かにファンとしてはめちゃくちゃ悲しいが、スポックなら多分 “死は万人に等しく訪れるもの。悲しむのは非論理的です。” と言うだろう。ひょっとすると今頃はあの世でドクター・マッコイ役のデフォレスト・ケリー氏とロミュラン・エールでも酌み交わしながら昔話に花を咲かせているかもしれない。
R.I.P. Spock. Your memory will live long and prosper...

Spock - McCoy banter and friendship Part 1
コメント (2)

魔女の宅急便

2012-03-30 | TV, 映画, サントラ etc
 先日新しい勤務先に挨拶に行ってきた。調書を書いた後でそこの所長との顔合わせがあり色々と話を聞かされたのだが、この所長、物事の考え方がめっちゃ堅苦しくってまるで霞が関の官僚そのもの。職員の管理も厳しそうだ。アンタはロボット長官か! ハッキリ言って一番嫌いなタイプの人間である。私はこれまで数回転勤を経験しているが、こんなにネガティヴなファースト・インプレッションは初めてだ。たとえ遠くてもこれなら前の職場の方がずっとお気楽で良かったなぁ。まぁ所長は超ウザいが、一緒に働くことになる同僚の方々がどうか良い人達でありますように...
 そんなこんなで結構ブルーな気分で仕事の引き継ぎや荷物の整理に追われた1週間だったが、凹んでいる私を見かねたのか、昨日仲良しの同僚 O ちゃんがプレゼントだと言って大きな袋を持ってきた。開けてみると何とジブリ映画「魔女の宅急便」に出てきた私の大好きな黒猫キャラ “ジジ” のぬいぐるみではないか! 私はジブリ・キャラの中でも特にトトロとジジが大好きで、それを覚えていて元気づけようとしてくれた彼女の気配りに大感激(≧▽≦) “持つべきものは友” とはよくぞ言ったものだ。この感謝の気持ちをブログにも刻み込んでおきたいので、今日は「魔女の宅急便」にしよう。
 私は2年前まではジブリといえば「となりのトトロ」しか知らないトーシローだったのだが、そんな私に他のジブリ映画も見るように勧めてくれたのが他でもない O ちゃんだった。もし彼女がいなかったら私は今も「ナウシカ」や「ラピュタ」、「千と千尋」の素晴らしさを知らずに生きていたかもしれないし、「魔女宅」のジジにハマることもなかっただろう。しかも映画を体験して音楽と映像がリンクすることによって楽曲のイメージがより鮮明になり、オリジナル・サントラだけでなく様々なジブリ・カヴァー・アルバムの楽しみも大きく広がった。そういう意味で、私を本格的にジブリの世界に引き込んでくれた彼女にはいくら感謝しても足りない。
 映画「魔女の宅急便」のサントラ盤であるこのアルバムには久石譲氏によるオリジナル・スコア19曲と、挿入歌として使われたユーミンの2曲が収録されている。久石オリジナルでは何と言っても③「海の見える午後」が圧倒的に素晴らしい!!! その哀愁舞い散る旋律の美しさはまさに絶品で、天才的なメロディー・メーカーとして数々の名曲を生み出してきた久石譲氏の作品中でも屈指の名曲と言っていいと思う。③以外ではラグライム風なアレンジが剽軽な雰囲気を出していて面白い⑦「身代りジジ」やダイナミックなオーケストレイションで盛り上がる⑱「おじいさんのデッキブラシ」が気に入っている。
 ユーミンの2曲は共に今更何の説明も不要な邦楽史上屈指の大名曲。⑳「ルージュの伝言」は1975年にリリースされたユーミン5枚目のシングルで、私なんかドラムスによるフェイド・インから始まるイントロを聴いただけでテンションが急上昇! 弾けるようなキーボードが演出するウキウキワクワク感に満ちた軽快なノリで一気呵成に突っ走るところが最高で、晴れた日のドライヴのBGMなんかにもピッタリだろう。山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子、伊集加代子という超豪華な顔ぶれのバック・コーラスも圧巻だ。
 (21)「やさしさに包まれたなら」は1974年にリリースされたユーミン3枚目のシングルで、この曲にはシングルとアルバムの2つのヴァージョンが存在する。映画で使われたのはアコースティック・ギターのクリスプなリズム・カッティングとアルペジオが実に爽やかな味を出しているアルバム・ヴァージョンの方で、シングル・ヴァージョンよりもやや速めのテンポ設定が功を奏して名曲度が更にアップした感じ。ペダルスティール・ギターがカントリー・フレーバーを添えているところも◎だ。
 この曲は歌詞が又素晴らしく、 “小さい頃は神さまがいて 毎日愛を届けてくれた~♪” のラインなんかたまらなく好きだし、 “やさしさに包まれたなら 目に映る全てのことはメッセージ♪” なんてめっちゃ深い。そんな歌詞とユーミンのハートウォーミングなヴォーカルが絶妙にマッチして、心にポッと灯がともるような癒し系ナンバーに仕上がっているのだ。凹んでいる時でもこの曲を聴くと頑張れそうな気になってくるから音楽って素晴らしい。よっしゃ、4月からも頑張るぞー(^o^)丿  O ちゃん、ホンマにありがとうね。

魔女宅詰め合わせ: ルージュの伝言 ~ 海の見える午後 ~ やさしさに包まれたなら


松任谷由美 with All Stars ~ やさしさに包まれたなら
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仮面の忍者赤影・ミュージックファイル

2012-03-25 | TV, 映画, サントラ etc
 一昨日、転勤の内示を受けた。この2年間というもの、ひたすら遠距離通勤に耐えてきたのだが、やっとのことで北部に復帰だ。これで一車線の追い越し禁止道路をどんくさいダンプカーの後ろでイライラしながら走らされる悪夢から解放されると思うとヤレヤレなのだが、その一方で、仲良くなった同僚たちとの別れはやはりツライものがある(>_<) サムがオーストラリアに帰ってしまった後は音楽の話が出来る友人はいなくなってしまったが、一緒に仕事をする人たちには恵まれていて、特に私と息もピッタリでこれまで組んだ中で最高の相棒だった A ちゃんや、パソコンで私がトラブるたびに助けてくれた ITマイスターの I さん、そして同時期に北部から飛ばされてきて一緒に頑張ってきた O ちゃんとはいつもつるんでいたので、この3人に会えなくなるのが何よりも淋しい。
 そう言えばつい先日も私が所属する部署の年度末の打ち上げがあって非常に楽しいひと時を過ごせたのだが、宴の半ばあたりから話題が私の大好きな “昭和” の思い出話になり、自分より年上の人達とは西田佐知子やいしだあゆみといった昭和歌謡ネタで、同年代の人達とは当時のテレビ番組ネタで大いに盛り上がった。中でも予想以上に大きな反応があったのが「仮面の忍者赤影」ネタで、私が親指を鼻に当ててクリッとやりながら青影の “だいじょ~ぶ” で口火を切ると、ほぼ反応ゼロに等しい女性陣にはお構いなしに(笑)エエ齢したオッサンたちが大騒ぎ... 白影の “あかかげどのーーーッ!” やら甲賀幻妖斎の “あ か か げ ぇ ~” といったモノマネが飛び交うという実にオモロイ宴会だった (^.^)
 この「仮面の忍者 赤影」は私が子供の頃に見ていた忍者モノの特撮時代劇で、戦国時代という設定にもかかわらず、空飛ぶ円盤を始めとするハイテク兵器はガンガン登場するわ、巨大ロボットやら怪獣やらが大暴れするわという何でもアリのハチャメチャ感が面白かった。
 赤影役の坂口祐三郎さんは文字通り “涼しい目” をしたイケメン俳優で(←当時の役者さんって今とは違って美男美女率が異常に高い...)例の “赤影参上” の登場シーンなんかめちゃくちゃカッコ良かったし、青影の “だいじょ~ぶ” のモノマネも仲間内で流行っていた。しかし何よりも一番よく覚えているのは白影の登場シーンで、凧に乗って現れる時に何故いつもサイレンが鳴るのかが子供心にず~っと気になっていた(笑)
 あと、印象に残っているのが敵役の甲賀幻妖斎に扮した天津敏さんの名演技で、第一部金目教篇と第二部卍党篇ではビビりながらもその圧倒的な存在感に魅かれて毎週テレビに釘付けになっていた。第三部根来篇では京の町で暴れる巨大カブトムシと大ムカデの闘いのシーンがインパクト大だったし、第四部の魔風篇では雷丸に扮した汐路章さんのコミカルな演技が大好きだった。
 それと、番組の冒頭で毎回流れたオープニング・ナレーションも忘れられない。もちろんまだ子供だったので “豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃...” とか “悪大将 夕里弾正の反乱を知った織田信長は...” とか言われても私には何のこっちゃだったが、オープニングの「忍者マーチ」はこのナレーションの名調子に導かれるように始まらないとしっくりこない。その辺はちょうど「大江戸捜査網」に “隠密同心、それは...” で始まるナレーションが不可欠なのと同じである。
 とまぁこのように役者の演技もオープニング・ナレーションも印象的だった「赤影」だが、それにも増して素晴らしかったのが劇中で使われていた音楽だ。中でも私が好きなのが戦闘シーンでよく流れていた「白影のテーマ」で(←なぜか白影の立ち回りよりも赤影の空中戦の時に多用されていた記憶があるが...)、これほどアグレッシヴでポジティヴな高揚感に満ち溢れた曲はそうざらには無いだろう。とにかくその血湧き肉躍るような曲想といい、ワクワクするようなホーンセクションのユニゾンといい、絶妙なタイミングで炸裂するスネアのリムショットといい、単なる “子供向け特撮番組の挿入曲” として片付けてしまっては勿体ない名曲名演だ。ドライブのお供にもピッタリなので、車好きの方は是非とも高速コーナリング時の BGM としてご活用下さい。アクセルペダルを踏む右足に思わず力が入ること請け合いです。一般車スラロームにも超オススメ(^o^)丿
 「赤影のテーマ」も忘れてはいけない。もちろん歌入りヴァージョンも懐かしくてエエのだが、この曲は何と言ってもインスト・ヴァージョンが絶品で、歌が入っていない分余計に躍動感溢れるブラス・バンド・サウンドが際立っていてめちゃくちゃカッコイイのだ。先の「白影のテーマ」もそうだが是非とも大きなコンサート・ホールで、本格的なビッグ・バンドによる大迫力の演奏で聴いてみたいと思わせる珠玉の名曲だ。
 この「仮面の忍者赤影・ミュージックファイル」には、ここに挙げた “赤影三大名曲” を始め、このシリーズの音楽全般を手掛けた小川寛興氏の名スコア・名アレンジがいっぱい詰まっており、特にバス・フルートの独奏による「赤影のテーマ」なんかもう鳥肌モノの素晴らしさだし、ユーモラスな「青影のテーマ」も様々なヴァリエーションで楽しませてくれる。私と同世代の赤影マニアはもちろんのこと、オリジナル・サウンドトラックという概念を超えた昭和メロディーの名曲集として、リアルタイムで赤影を知らない世代の人でも楽しめそうな逸品だ。それにしても1960年代後半から1970年代前半にかけてのテレビ主題歌やコマソンってホンマに曲のクオリティーが高いなぁ...(≧▽≦)

白影のテーマ


赤影のテーマ


仮面の忍者赤影OP(ナレーション入り)
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Airwolf Themes

2011-11-02 | TV, 映画, サントラ etc
 shoppgirl姐さんからいただいたコメントをきっかけに軽~い気持ちで取り上げたテレビ主題歌盤だったが、「キイハンター」→「プレイガール」→「時代劇主題歌」と回を重ねるうちに段々本気になってきて(←いつもこのパターンやな...)、とうとう自家製コンピ盤 CD-R まで作ってしまった。題して「TV ヒッツ・コレクション《日本編》」。上記の番組に加えて「ザ・ガードマン」や「ウルトラQ」、「ルパン三世」から「松田優作の探偵物語」に至るまで、私がまだバリバリのテレビっ子だった60~70年代に親しんできた古き良きテレビ主題歌をギュッと詰め込んだ超パーソナルな1枚だ。
 最近では森山加代子や黛ジュンに混じって通勤時のドライヴ BGM として愛聴しているのだが、《日本編》を作ったら《海外編》も作りたくなるのが人情というもの。カセット時代はオムニバス・テープ(←懐かしいなぁこの言葉...)を作って楽しんでいたが、CD-R の海外ドラマ・コンピ盤はまだ作っていない。ということで早速選曲に取り掛かったのだが、70~80年代の海外ドラマ主題歌はどれも皆クオリティーが高く、「スタートレック」シリーズを始めとして「ダラス」、「ナイトライダー」、「バビロン5」など、《日本編》に負けず劣らず充実した内容の盤に仕上がった。そんな名曲群の中でもとりわけ素晴らしいのが「超音速攻撃ヘリ・エアウルフ」のテーマ曲だ。
 この番組は1987年頃に読売テレビで毎週水曜の夜にレギュラー放送していたのを見て大ファンになったのだが、当時は地上波のゴールデンタイムでも海外ドラマを放送しており、月8の「ナイトライダー」と水9の「エアウルフ」は何があろうと欠かさずテレビにかじりついて見たものだった。ケーブルテレビに加入後はスーパーチャンネルで全エピソードを完全制覇、今ではバリバリのエアウルフ・マニアだ。
 ストーリー展開は、東西冷戦時代の米ソ・スパイ戦を背景に超音速攻撃ヘリ・エアウルフが活躍して毎回毎回アメリカ側が勝利するという勧善懲悪ワンパターンものだったが、私としては KGB がスベッただの、ナチスがコロンだだのといった筋書きはどうでもよく、要するにエアウルフが縦横無尽に暴れ回って最後には敵機を撃墜するシーンが見れればそれで大満足だった(←単純)。特に好きだったのがエアウルフ高速飛行中のハウリング音で、このクォォォーン!という飛行音を聞かないとエアウルフを見た気がしない。ターボを吹かして猛スピードで加速するシーンや地上スレスレを高速飛行するシーンなんか最高にカッコ良かったし、ホークのヘルメットのバイザーが下りてターゲット・ロックオンした時のオレンジ色の照準点(←マニアックな話ですんません...)が表示されるところなんか何度見てもゾクゾクする。赤外線追尾式ミサイルを引き付ける太陽弾ことサン・バーストも他では中々見れない斬新な武器だった。
 そんな「エアウルフ」だが、戦闘シーンだけでなくオープニング・テーマ曲のカッコ良さもハンパない。私は基本的にシンセサイザーの音色はあまり好きではないのだが、こういう使い方なら大歓迎(^o^)丿 イントロからしてグッとくるモノがあるし、躍動感溢れるテーマ・メロディーにはウキウキワクワクさせられる。超音速ヘリの名に恥じないそのドライヴ感は圧巻の一言だ。私なんかこの曲を聴くたびに大空を飛び回るエアウルフの雄姿が瞼に浮かび、相乗効果でアドレナリンが逆流して “よっしゃ、一丁やったろか!” と心が奮い立つ、まるでユンケルみたいな1曲なのだ。
 この「エアウルフ・シームズ」という2枚組CDは、1999年にマークJケアンズという筋金入りエアウルフ・マニアが版権元より権利を得て1000枚限定(!)で自主制作したアルバムで、私のはヤフオクでゲットした1,000円のブート盤だが、正規盤はイーベイでは超高値で取り引きされ、ウィキペディアによると2006年には $981.74 (当時のレートで約11万円!!!)という鬼のようなプレミア価格で “最も高価なテレビ・サントラ盤” の新記録を作ったというから凄まじい。因みに今では MP3 でウェブサイトからのダウンロード販売になっているようだ。
 とにかくエアウルフ・ファンにとっては垂涎モノのこのアルバム、車の運転中に聴いたら間違いなくアクセルを床までベタ踏みしたくなること間違いなし。目の前をマイペースでトロトロ走る迷惑車にはミサイルでもブッ放したくなるが(笑)、ストリングフェロー・ホーク気分でカッ飛ばしたい時のお供にはピッタリの1枚だ。

Airwolf Season 3 Intro HD


Airwolf Briefing


【おまけ】凄いなこの職人さん... まるで本物みたい(゜o゜)
Airwolf VS Knight rider: エアーウルフ対ナイトライダー

銭形平次 / 舟木一夫

2011-10-29 | TV, 映画, サントラ etc
 前回は手持ちの “時代劇コンピ” CD から「大岡越前」と「大江戸捜査網」の2曲を取り上げた。一般的な知名度で言えば多分「水戸黄門」、「暴れん坊将軍」、そして「銭形平次」あたりがチャンバラ主題歌界(?)のスタンダード・トップ3だろうが、「水戸黄門」は私にはクッサクサの老人向け音楽だし、「暴れん坊将軍」は名曲だとは思うがあまりにも松平健のイメージが強すぎて “白馬に跨って砂浜を駆ける時の BGM ” という刷り込みが私の中に出来上がってしまっており、スピーカーと対峙して聴く気にはなれない。
 残るは「銭形平次」だが、子供の頃は水曜の夜になるとそれこそ毎週のようにお茶の間からこの曲が聞こえてきたもので、大川橋蔵が出てたという以外ドラマの内容は全然覚えていないのに、この曲だけはほとんど耳タコ状態。だからそれ以来ずっと好きとか嫌いとかの対象ではなく、楽曲としては全く意識していなかった。
 そんな私がこの曲の素晴らしさに目からウロコしたのは昨年のこと、大好きな「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」 CM の “鵜飼い編” でこの曲のイントロ部分が使われているのを聞いて、昔は何とも思わなかったこの曲の持つ抜群のスイング感を再認識させられたのだ。改めて1曲フル・ヴァージョンで聴いてみたが、コレはもう立派な和ジャズ・ヴォーカル・ナンバーだ。今時どこを探してもこんなにウキウキワクワクさせてくれる歌と演奏は滅多にあるものではない。
 特に印象的だったのがノリノリのイントロに絡んでいくバス・クラリネットのカッコ良さで、軽快なテンポで飛ばすこの曲の要所要所をビシッと締める低音はまさに “一人ゴルソン・ハーモニー”。時代劇らしさ溢れる三味線やお囃子の鐘の音が支配するこの曲の中にファンキーなバスクラを巧みに取り入れたアレンジは考えれば考えるほど凄いと思わざるを得ない。例えるなら「ペニー・レイン」のピッコロ・トランペットや「恋のフーガ」のティンパニみたいなもんだが、コレがあるとないとではエライ違いで、よくもまぁここにバスクラなどという非日本的な楽器を持ってくることを思いついたもんだなぁと感心してしまう。
 それともう一つ、恥ずかしながら私は YouTube を見るまでこの曲を歌っているのが舟木一夫だとは知らなかった。舟木一夫というとどうしても「高校三年生」のイメージが強く、歯が浮くような “青春歌謡” というジャンルが苦手な私にとって彼は完全に対象外の存在だったのだが、この「銭形平次」では得意の詰襟唱法(?)を封印して見事なリズム歌謡を聞かせており、私の射程圏内に入ってきたのでヤフオクでシングル盤をゲット、無競争で200円だった。
 とにかくここで聴ける彼の “粋” を絵に描いたような変幻自在のヴォーカルは天下一品で、そのスイング感溢れるノリはまさに “江戸っ子ジャズ” とでも言うべきもの。この “粋” が分かる日本人に生まれてホンマに良かったなぁと思う今日この頃だ。

銭形平次 舟木一夫


BOSS#27『宇宙人ジョーンズ 鵜飼い 30s』
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ちょんまげ天国 ~ TV時代劇音楽集 ~

2011-10-25 | TV, 映画, サントラ etc
 「プレイガール」で山下毅雄のことを書いていたら無性に「大岡越前のテーマ」が聴きたくなり、早速 YouTube でチェック(←このパターン多いよな...)。久々に聴いたらもうめちゃくちゃ良くて、折角やから他の主題歌も聴いてみようと取り出したのがこの CD。「キイハンター」→「プレイガール」ときて、挙句の果てに「ちょんまげ」では “一体何を考えとるんや?” “ふざけるのもエエかげんにせえよ...” とか思われそうだが、私は曲さえ良ければアニメでもCMソングでも時代劇でもかまわない。ということで今回も昭和歌謡から横道に逸れてしまうが、昔懐かしい時代劇の主題歌ばかりを集めたコンピ盤CD「ちょんまげ天国」だ。
 私は基本的にTV番組の主題歌と言うのは思い入れ一発で聴くものだと思っているが、「キイハンター」にしても、「プレイガール」にしても、はたまた「ザ・ガードマン」にしても「ウルトラQ」にしても、昔のテレビ主題歌というのはそういった個人的なレベルを超越して楽曲単体として聴いてもよく出来ているものが多い。この CD にも有象無象の J-Pops が束になっても敵わないような美メロ連発の名曲名演がいくつも入っており、これらを単なる “チャンバラ・ドラマの主題歌” で埋もれさせてしまうのは余りにも勿体ない。私は別に時代劇ファンでも何でもないので知っている曲は数えるほどしかないのだが、その数曲というのが私の嗜好のスイートスポットを直撃するのだ。
 まずは何と言ってもこの盤を取り上げるきっかけとなった「大岡越前のテーマ」である。数ある山下毅雄作品の中で私が最高傑作と信ずるこの曲、哀愁舞い散る旋律に涙ちょちょぎれまくりで、コレを聴いて何も感じない人がいるとするなら私はその人の音楽的感性を疑う。ヤマタケさんお得意の口笛がこの曲に秘められた哀愁を極限まで引き出しており、聴く者の心の琴線をビンビン刺激する。この番組は小学生の頃よく見ていたが、ドラマのストーリーがどうのこうのよりもむしろこのテーマ曲が聴きたくてテレビの前に座っていたようなものだった。
 この曲にはいくつかの異なったヴァージョンが存在するが、口笛や女性コーラスを大きくフィーチャーした初期のものがベスト。後期のものは時代を反映した軽めの音作りになっているが、この旋律にシンセサイザーや打ち込みビートは似合わない。因みにこのCDに入っているのは口笛を大きくフィーチャーした劇中挿入ヴァージョンだ。
 “クール・ビューティー”を絵に描いたような梶芽衣子の凛とした美しさに憧れて(←野際陽子といい、ひし美ゆり子といい、梶芽衣子といい、今から思えばめっちゃ不純な動機でドラマ見ててんなぁ...)毎週見ていたのが「大江戸捜査網」だ。 “死して屍拾う者なし...” というナレーションがインパクト絶大だったこの番組、そのオープニング・テーマ曲がとても時代劇の主題歌とは思えないようなスケールのデカい演奏で、テーマ・メロディーを高らかに吹き切るホルンなんか爽快そのもの! ホルンの私的3大名演といえば「ウルトラセブン」の咆哮、「アルプスの少女」のイントロ、そして極めつけがこの「大江戸捜査網」というぐらい惚れ込んでいる。とにかく日本的というよりはむしろカウボーイが出てくるマルボロの CM なんかにピッタリ合いそうな、広大なアメリカ西部の大地をイメージさせるナンバーだ。
 私は吹奏楽のオーケストラを聴くことなど滅多にないが、「スタートレックのテーマ」とこの曲だけは別。リズムがどんどん変わっていくというプログレ・ファンが泣いて喜びそうな変拍子バリバリの構成ながら、躍動的でダイナミックなオーケストレイションとスピード感溢れる曲展開に圧倒され、何かこう聴いているだけで血沸き肉躍るというか、奮い立つような曲想を持ったキラー・チューンである。この曲はぜひともスピーカーと対峙して、大音量で音の奔流の中に身を委ねるようにして聴くべし!!!
 チャラいジャケットのせいで思わずスルーしてしまいそうな盤だが、こういった名曲が入っているだけでも十分聞く価値がある。たかがチャンバラ・ドラマの主題歌集とバカにしていては損をする、まさに “羊の皮をかぶったオオカミ” 的な1枚だ。

「大岡越前」テーマ音楽


大江戸捜査網


Ooedo Sousamou(1970-1984) – Theme (Full Version)

プレイガール・ミュージックファイル

2011-10-21 | TV, 映画, サントラ etc
 先日、ブログに貼り付ける「キイハンター」の動画を色々と物色していた時、見終わった後に現れる関連動画に「昭和の懐かしのお色気アクションドラマ」というのがあった。“昭和” と “アクション” だけでも十分魅かれるものがあるが、そこに “お色気” とくればこれはもう見ずにはおられない。早速クリックすると、いきなり出てきたのが「プレイガール」... おぉ、これはめっちゃ懐かしい!!! 子供の頃はよく親の目を盗んで見てたなぁ...などと考えていたら、“AVもヘアヌードもないこの時代、健全な青少年は親の目を盗んでプレイガールに夢中だった” というナレーションが入り大笑い。そーか、俺は健全な青少年やったんか...(^.^)  ということで、今回の “昭和特集” はシングル盤企画をお休みして「プレイガール・ミュージックファイル」のCD にしよう。
 「プレイガール」(1969-74)は “オネエ” こと、沢たまき率いる女性ばかりの秘密保険調査員グループが事件を解決していくお色気アクション・ドラマで、簡単に言ってしまえば「キイハンター」の女性版みたいなモンなのだが、この番組の一番の売りはミニスカートでの回し蹴り連発が楽しめる乱闘シーン... とにかくパンチラあり胸ポロありのカオス状態がインパクト絶大だった。ケッサクなのはこのナレーションの続きで、 “月に2回は温泉ホテルとタイアップ、露天風呂、刺身の舟盛り、温泉芸者にストリップ、スリルとサスペンスとは無縁の、オヤジの大好きな場所でしかプレイガールの事件は起きない...” にはワロタ(^.^)
 もうひとつ強烈に記憶に残っているのが、黒をバックに映える真っ赤なキスマークのロゴとCM前に流れるガマガエルのゲップみたいな(?) “プレイガ~ル” という不気味なジングルで、友達とよくコーラを飲んでゲップしながらマネして遊んだのを覚えている。それにしてもこの番組、当時はお色気に目が眩んで何の疑問も持たずに見ていたが、よくよく考えてみるとプレイガールってただの保険調査員なのに、何でピストル持ってるんやろ? コレって銃刀法違反やんね(笑)
 音楽を担当したのは様々なテレビ番組のテーマ曲を手掛けてきた鬼才、山下毅雄。この人は「パネルクイズアタック25」や「霊感ヤマカン第六感」、「タイムショック」といったクイズ番組を始め、「ルパン三世(第1シリーズ)」に「大岡越前」(←コレ最高!)と、スキャットや口笛を駆使しながらジャジーな感覚溢れる名曲を数多く生み出しており、この「プレイガール・オープニング・テーマ」でもラテン・ジャズのリズムに乗せてオシャレなダバダバ・スキャットが炸裂する妖しさ満点のサウンドが楽しめて言うことなし(^o^)丿 そんな「プレイガール」の音楽をコンパイルしたのがこのCDなのだ。
 この曲のスキャットを担当しているのは日本が誇る “スキャットの女王” 伊集加代。そんな名前知らんなぁ...という人でも “ダバダ~♪” で始まるネスカフェ・ゴールド・ブレンドの CM は聞いたことがあるだろう。かの有名な「11PMのテーマ」のスキャットも彼女によるものだ。だから彼女はスキャットを多用したヤマタケ作品には欠かせない存在で、上記の「霊感ヤマカン第六感」や「タイムショック」でも大活躍だし、この「プレイガール・オープニング・テーマ」では “ウッ スィクスィク プレ~イ ガァ~ル♪” と洗練の極みのような歌声を聴かせてくれる。
 涼しげなヴィブラフォン、コロコロと転がるように弾むピアノ、ゴキゲンなリズムを刻むパーカッションと、ジャズの美味しい部分だけを抽出して濃縮還元したようなオシャレなサウンドもカッコ良く、単なるお色気アクション・ドラマのサントラとタカをくくっていると驚かされること間違いなし。それもこれもやはりベースになるヤマタケ・ミュージックの素晴らしさ故だろうが、とにかく1枚のアルバムとして聴いても中々充実した内容になっていると思う。
 全編に亘っていかにも “昭和” といった感じのレトロなムードが横溢で懐かしさ満点のこのアルバム、世の男性諸氏は自分のお気に入りキャラ(←私の贔屓は何と言ってもアンヌこと、ひし美ゆり子さん!)のパンチラ・ハイキックのシーンなんかを思い浮かべながら聴くと一層幸せな気分に浸れるかもしれない(^.^)

プレイガール OP TVサイズ


プレイガール ENDING テーマ / 山下毅雄


昭和の懐かしのお色気アクションドラマ


音楽の神様 伊集加代

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カラフル・ジブリ

2011-02-06 | TV, 映画, サントラ etc
 私は音楽に目覚めて以来長い間ただひたすらロック/ポップスを中心に音楽を聴いてきたので、クラリネットという楽器にはまったくと言っていいほど縁がなかった。しかし30歳台の半ばぐらいからモダン・ジャズをも聴くようになり、ジャズが最も美しかった50年代からだんだん時代を遡っていくうちに出会ったクラリネット奏者がベニー・グッドマン、1930年代のスイング・ジャズを聴く上で避けては通れない超大物である。しかし私は彼の “ピッ!” という耳に突き刺さるような高音にどうしても馴染めず、いつしかクラリネット入りの演奏を無意識に避けるようになっていった。
 クラリネットに対するそんな私の偏見を木端微塵に打ち砕いたのが日本人ジャズ・クラリネット奏者である鈴木章治の「鈴懸の径」という曲で、私は彼の演奏を聴いて初めてクラリネットという楽器の持つ柔らかい音色の魅力を知り、“クラリネットにもこんな演奏があるんや...” と目を開かれる思いだった。特にミディアム・テンポで美しい旋律の曲を奏でる時なんか、この楽器でしか出せないような雰囲気を醸し出しており、私はクラリネット・アレルギーを解消することができた。
 そして今、2011年、ジブリ祭りで色んなカヴァー盤を聴きまくっていた最中に出会ったのがこの「カラフル・ジブリ」だった。まず最初に目に留まったのがそのジャケットで、 “木漏れ日を浴びながら楽器を手に大きな木の下に佇むうら若き女性4人” というのが実にエエ感じなのだ。このカラフルというグループは音大出身の女性4人で結成されたクラリネット・カルテットで、例えるなら今年のお正月にビートルズ・カヴァーで取り上げた1966カルテットのジブリ版みたいなモンだろう。
 このアルバムは無理やりジャンル分けすれば私の苦手な “クラシック~イージー・リスニング” の範疇に入るのかもしれないし、クラリネット4本(1st、2nd、エスクラ、バスクラ)だけの演奏でアルバム1枚はさすがにキツイかなぁと思っていたが、実際に聴いてみるとピアノやドラムもちゃーんと入っているのでロック者の私でも違和感なく馴染むことが出来た。収録曲はもう何の説明も必要ないジブリ・スタンダードが12曲で、ジャケット通りのホンワカしたサウンドがジブリの愛らしいメロディーとバッチリ合っていて思わず頬が緩んでしまう。これほど中身の音を見事に反映したジャケットには中々お目にかかれない。
 で、その中身の音だが、まずは何と言ってもアルバム冒頭の①「やさしさに包まれたなら」、この柔らかなイントロを聴いただけで私の好きな癒し系クラリネットだということが一聴瞭然で、まさにタイトル通り、聴く者をやさしさで包み込むようなサウンドだ。クラリネット・カルテットの演奏というものは初体験だが、何か心が和むというか、木管楽器ならではのウッディな感覚が耳に心地良い。たまたま今日は春のように暖かい一日だったが、この曲はまさにそんなポカポカ陽気にピッタリの癒し系ヴァージョンに仕上がっている。
 この①に始まり、歌心溢れるプレイとそのアンサンブルの妙に唸ってしまう②「アリエッティズ・ソング」、ツボを押さえた絶妙なアレンジで脳内リフレインが止まらない③「風の谷のナウシカ」、珠玉の久石メロディーとクラリネットのウォームなサウンドの邂逅が生んだ名演⑤「君をのせて」、クラリネットだからこそ出せた素朴な味わいが心に沁みる⑥「カントリー・ロード」、コレを聴けばタタリガミの怒りも鎮まりそうな哀愁舞い散る⑦「もののけ姫」、のほほんとした感じのトボけた演奏が実にエエ味を出している⑧「トトロメドレー」、ハープをバックにメロディーを慈しむように吹くプレイが感動を呼ぶ⑨「いつも何度でも」、親しみやすいクラシックという感じの⑩「崖の上のポニョ」と、聴き所が満載だ。
 このアルバムはパンクやスカ・ヴァージョンとは違ってドライヴの BGM には向かないが(←なんせ毎日がモナコ・グランプリみたいなモンやからね...笑)、柔らかい陽射しを浴びながらブリリアントな午後をマッタリ過ごしたい時なんかにはピッタリの1枚だと思う。

Clarinet Kiki


Clarinet Nausicaa


Clarinet Princess Mononoke

ジブリ・サンバ

2011-02-02 | TV, 映画, サントラ etc
 ジャズ、ボサノヴァ、スカときて今日はサンバである。ビートルズほどではないにせよ、ジブリ・カヴァー盤の多彩さにはホンマに感心させられるが、その成否は企画の面白さとそれを活かすアレンジャー次第という様相を呈している。この “ジブリの名曲をサンバ・アレンジで” というアイデアも “よぉそんなモン思いつくわ...” と言いたくなるようなユニークな発想だが、実際に聴いてみるとコレが中々面白い。ジャケットも動物をあしらった正調ジブリ路線でエエ感じだ。
 私は音楽に関しては好奇心が強いのでこれまで節操なく色んなジャンルの音楽を聞いてきたが、さすがにサンバとなると1枚も持っていない。サンバと聞いてすぐ頭に浮かぶのはもちろんリオのカーニバル。羽根を背負ったキンキラビキニのオネーチャンたちがお尻を振りながらパレードで街を練り歩く時のアップテンポでノーテンキな音楽というイメージしかない。まぁその程度の認識なので、本物のサンバがどういうものかはよくは分からないというのが正直なところだ。
 しかし一聴してみて思ったのは、コレはバリバリのサンバと言うよりは “サンバっぽいラウンジ・ミュージック” ではないかということ。例えるなら日本で食べるフランス料理や中華料理が本場フランスや中国と同じものではなく、日本人の舌に合うようにアレンジされているのと同じようなものだろう。だからこのアルバムはリオのカーニバルを云々するには “サンバの熱気” が決定的に欠けているが、日本のカフェで流すのにはちょうどいい塩梅のサウンドだと思う。
 アルバムの中で私が特に気に入っているのはヴォーカル抜きのインスト・ヴァージョン4曲で、どれもみな歌入りのトラックよりもラテン色が強く感じられるところがいい。③「さんぽ」はビーチでリラックスといった感じのお気楽なサウンドになっているし、ラテン・フレイバー全開の⑥「風のとおり道」なんかツボを押さえたアレンジでアジアン・テイスト溢れる原曲を実に見事にサンバ化している。これ、めっちゃエエわ(^o^)丿
 ⑧「海の見える街」はオリジナルの哀愁舞い散るメロディーをシロフォンで奏でるというユニークなアイデアがズバリと当たり、セニョール・ココナッツの YMO カヴァー盤「イエロー・フィーヴァー」に入っていた「ライディーン」を想わせるようなゴキゲンなラテン・ナンバーに仕上がっている。私的には⑥と並ぶフェイヴァリット・トラックだ。⑩「崖の上のポニョ」は清涼感溢れるフルートがたまらない。実にクールなポニョである。
 歌入りではイントロからいきなりハイテンションで飛ばしまくる①「風の谷のナウシカ」がカッコイイ(≧▽≦) コレはもうあれこれ考えずにリズムに合わせて踊るシカないだろう。この手の企画に欠かせない浮遊感溢れる女性ヴォーカルは私にはやや軽すぎて物足りないが、軽快なサンバのリズムに合わせるにはこれくらいがちょうど良いのかもしれない。
 ベット・ミドラーの②「愛は花、君はその種子」やユーミンの⑤「やさしさに包まれて」、オリビア・ニュートン・ジョンの⑨「カントリー・ロード」は “サンバっぽい感じがする洗練されたラウンジ・ミュージック” 路線のオッシャレ~なアレンジが耳に心地良い。④「となりのトトロ」はサンバというよりはカリビアン・テイストのビーチ・ミュージックという感じ。トロピカル・ドリンクでも飲みながらまったり聴きたい1曲だ。
 ⑦「君をのせて」はアンニュイなボサノヴァっぽいミディアムテンポでスタートし、0分46秒あたりから少しテンポを上げてサンバのリズムに切り替わるのだが、チェンジ・オブ・ペースの妙と言うか、そのあたりのテンポ設定が絶妙だ。それにしても「天空の城ラピュタ」主題歌のこの曲、パンクに始まりジャズ、ボッサ、スカ、サンバと、どんなアレンジで聴いても曲のコアである哀愁舞い散る美旋律が胸を打つ名曲中の名曲だと思う。やっぱりジブリはエエなぁ...(^.^)

ジブリサンバdemo0330
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Ska Flavor loves ジブリ Songs / 美吉田月

2011-01-29 | TV, 映画, サントラ etc
 “ジブリ・カヴァー祭り” 第3弾は何とスカである。スカと言っても別に “スカを食わされた” という意味の、ネガティヴ・ワードのスカではなく、音楽の1ジャンルとしての “スカ” のことだ。
 私が初めてスカと出会ったのは1979~80年頃だった。降って湧いたように突如出現したこの音楽を当時の音楽雑誌が軒並み大絶賛し始め、素直で影響されやすい性格だった私は流行に乗り遅れまいとして、世評の高かったスペシャルズというバンドのデビュー・アルバムをエアチェックして多大なる期待を持って聴いてみた。ところがビートルズとハードロックばかり聴いていた当時の私(←今でも同じようなモンだが...)にとって、スペシャルズのアルバムはただリズム・パターンが変わっているだけの単調な音楽にしか聞こえず、 “スカ、スカって大騒ぎしてるけど、こんなモンか...” とそれ以降しばらくはスカを敬遠していた。
 そんな私がスカに瞠目したのはその2~3年後のこと、それもヒット曲やアルバムではなくテレビの CM からだった。ホンダ・シティの CM にマッドネスというスカ・バンドが起用され、“ホンダ・ホンダ・ホンダ・ホンダ....♪”という脳内リフレイン確実のキャッチフレーズや楽しさ溢れるムカデダンスでお茶の間に大ブームを起こしたのだ。そこで使われていた彼らのヒット曲「シティ・イン・シティ」を聴いて私のスカに対する偏見は木端微塵に吹き飛んだ。今にして思えば、スカのあのユニークなリズムというのは、分かりやすいメロディーを持った楽しい曲と一体となって初めて活きるのだろう。私は早速マッドネスのアルバムを買ってきて愛聴したが、やがて80年代初めの “ツートーン・スカ” のブームが去ると、私もスカを耳にすることはなくなっていた。
 それから約30年が経ち、今年に入って “ジブリ・カヴァーの名演” を色々漁っている時に偶然出会ったのがこの「Ska Flavor loves ジブリ Songs」というアルバムだ。最初アルバム・タイトルを目にした時は “ジブリをスカで演るんか? いくら何でもそれは悪ふざけが過ぎるやろ...” と眉に唾をつけて疑いの目で見たものだし、現にスカの親戚筋(?)にあたるレゲエでジブリをカヴァーした「ジブリ・レゲエ」がイマイチだったこともあって、あまり期待せずにとりあえず試聴してみたのだが、コレが結構面白い。こういう突飛な企画は大当たりか大外れかのどちらかなのだが、コレは最高に “当たった” のである。試聴を終えた私は迷うことなく買いを決めた。
 届いた CD をプレーヤーにセットしてプレイボタンを押すと、スピーカーから弾けんばかりの勢いで飛び出してきたのは例のスカ・ビートによって換骨堕胎され生き生きと躍動するジブリの名曲の数々だった。アップテンポで2・4拍目を強調した裏打ちを特徴とするスカ・ビートが珠玉のジブリ・メロディーと見事に融合しているのである。しかも女性ヴォーカルは変なクセがなく耳に心地良い癒し系ときたモンだ。コレ、めっちゃエエわ!
 とにかく全11曲、捨てトラックなしの素晴らしさなのだが、中でもスカの楽しさ全開で迫る⑤「ナウシカ・レクイエム」は目からウロコの面白さ。 “ウパ、ウパ、ウパ” という具合にリズムに裏から乗っていくことによって生み出されるたたみかけるようなスリルとスピード感が気持ちいい(^.^) 間奏のオルガンもめっちゃグルーヴィーで、オームの群れも怒りを忘れてみんなでムカデダンスしそうな(←するかそんなもん!)ノリノリのヴァージョンになっている。⑨「人生のメリーゴーランド」も⑤と同じインスト・ヴァージョンで、静謐な原曲のイメージからは想像もつかないような粘着質のビートに腰も砕ける。とにかくこの2曲は聴いてて思わず身体が揺れてしまうような強烈なグルーヴが圧巻だ。
 ②「となりのトトロ」や⑪「崖の上のポニョ」といった楽しさ溢れるジブリの定番曲は更に楽しく、心に沁みるメロディーがたまらない①「いつも何度でも」や③「君をのせて」、⑩「アリエッティズ・ソング」はアップテンポのスカにアレンジされてまったく別の表情を見せているが、これがもう実に斬新と言うか新鮮な感覚で、いつも何度でもリピートしたくなるようなカッコ良いヴァージョンに仕上がっている。
 ベット・ミドラーの「ザ・ローズ」やオリビア・ニュートン・ジョンの「カントリー・ロード」をスカ・アレンジ・ヴァージョンで聴けるのもこのアルバムの楽しみのひとつ。絵に描いたようなスロー・バラッドの大名曲「ザ・ローズ」が原曲の④「愛は花、君はその種子」は大胆不敵なアレンジでアップテンポなスカ・ヴァージョンになっているが、ホンワカ・ムードの女性ヴォーカルが絶妙にマッチしていて違和感は微塵も感じられない。⑧「カントリー・ロード」も出だしの透明感溢れる “カントリ~ロ~♪” と歌い上げるパートはごくフツーの雰囲気なのだが、ヤクザなギターが切り込んできて弾むようなスカ・ビートが炸裂すると、そこはもうコテコテのツートーンな別世界。コレ、めっちゃ好きやわ(^o^)丿 
 ユーミンの⑥「やさしさに包まれたなら」と細野晴臣の⑦「風の谷のナウシカ」は共にミディアム・スロー・テンポで料理されており、スカというよりはレゲエっぽい印象なのだが、このゆったりまったり感が何とも言えず耳に心地良く、ここでも美吉田月の癒し系ヴォーカルが実に良い味を出している。このシンガーのことは何も知らないが、 “日本のジャネット・サイデル” と呼びたいくらい良い雰囲気の歌声の持ち主だ。
 ジブリの名曲をスカ・ビートに乗せてその新たな魅力を引き出したこの「Ska Flavor loves ジブリ Songs」は聴く者をスカッとした気分にしてくれる痛快無比なアルバムで、ドライヴの BGM としても最高だ。私の知る限りイケイケ・オラオラ系のジブリ・カヴァーでは 6% is MINE の「ジブリティック・パンク・カヴァーズ」と並ぶ大傑作だと思う。みなさんも騙されたと思って一度聴いてみられたらどうでスカ?

Ska Flavor loves ジブリ Songs


ナウスカ・レクイエム


カントリー・ロード


【おまけ】めっちゃ懐かしいわぁ~ (^o^)丿
HONDA CITY CF(Japan)
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