津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

将軍側近 柳沢吉保 いかにして悪名は作られたか

2012-02-02 13:51:16 | 書籍・読書
将軍側近 柳沢吉保―いかにして悪名は作られたか (新潮新書)
             福留真紀
              新潮社

 柳沢吉保と細川家五代綱利の関係は、鸚鵡籠中記における記述を含め面白おかしく伝えられている部分がある。
著者福留真紀氏には論考 「諸大名からみた柳沢吉保の政治権力 : 柳沢家家老藪田重守宛書状から」 があり、二人の関係の深さを知ることができる。
              http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/publication/kiyo/15/kiyo0015-fukutome.pdf 
しかしながら、映画やドラマなどで作り上げられた吉保像も、いささか真実とことにする部分が多いようだ。
ちょっと面白そうで読んでみようと手配した。 

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奸臣か忠臣か。史料を駆使してその実像に迫る。


天下取りの野望を胸に秘め、将軍を女色で籠絡するなど、小説やドラマで典型的な悪役に描かれる柳沢吉保。しかし、史料を丹念に読み込むと、見えてくるのは意外な実像だった。将軍という最高権力者の周囲に絶えず渦巻く、追従、羨望、嫉妬、憎悪……。将軍の最も側近くで仕えた吉保にとっては、悪名は宿命だったのか。将軍とその側近の実像に迫りながら、「武」から「文」への転換期の政治と権力の姿を鮮やかに描き出す。 
     

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料理方秘

2012-02-02 11:33:48 | 史料

 熊本コンベンション協会刊行 

 村中乙右衛門が書き残したという「料理方秘」なる文書を参考にして、熊本城内で「本丸御膳」なるお料理が観光客に提供されている。この「料理方秘」なる文書は、東京都立中央図書館の加賀文書の中から香蘭女子短期大学の橋爪伸子准教授が見出されて、同大学の研究紀要(40-1998)で 『料理方秘』についてとして発表された。

 一方、熊本県立大学文学部・米谷隆史氏のもとにおいて、 近世熊本の食品・料理集: 熊本県立大学文学部蔵歲時記文化一四年写 が2006年発刊されている。
 
 これらの資料を基に「熊本藩士のレシピ帖」なる本が 熊本コンベンション協会から2006年に刊行されている。
そしてこれをもとに同様のお料理が、ホテルや料理店などで名を変え品を変えて観光客に供されている。
これらのお料理が、藩主や上級家臣の通常の食卓に供されたと勘違いされるようなキャッチフレーズも見受けられるが、武士の通常の食卓はきわめて粗食であったことは言うまでもない。これらはあくまでも公式晩餐の御料理であることを認識しておくべきである。

 私はなんとかこの「料理方秘」なる文書を見てみたいと思っているのだが、未だ願望がかなわないで居る。


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