津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

カタルパの花

2012-02-15 10:45:02 | 徒然

 もう十年ほどになると思うが、熊本市立図書館に出かけた折、昨日ご紹介した徳富記念館の場所を尋ねられたことがある。近所のおばさんに訊ねられたがご存じなかったようで、どちらかというと私が割って入ったという感じである。徳富記念間は熊本市立図書館から6~700mといった距離であるが、近所のおばさんがご存じないということに些か驚くとともに、興味のない人にとっては遠いも近いも関係ないことなのかもしれない。
道を尋ねられた御仁は、記念館内にある「カタルパの花」を見たいと仰る。立ち話の中で、つい最近熊本に転勤されてこられた国家公務員の方だと察せられた。(それも偉い方ではないか・・・) 蘇峰・蘆花兄弟がすんだ旧居や、記念館には兄弟に関するいろんな展示物があることをお話しすると、「私は蘇峰という人物は嫌いです」と仰る。そして「一応拝見はしますが・・・」と付け加えられた。

 細川護貞様の御著「想い出の人」の中の「京都の三先生」に、近衛文麿公が西田幾太郎・佐々木惣一・狩野直喜の三先生を招かれた折、護貞様も陪席された。そして徳富蘇峰に話が及んだときのこととして、次のように記されている。

         佐々木博士はそのとき、こう尋ねられた。「蘇峰の主張は時勢とともに移り変る様な気がしますが、彼の本質は何でしょうか」
         腕を組んで深く椅子に凭っていた西田博士が、そのままの姿勢で力強くこう答えた。
         「それは変るということだ」
         一座はこの断案をもって迎えた.
 

 変節の人として知られる蘇峰だが、私ごときの凡人はその何たるかも理解し得ないで居る。理解したうえで「嫌い」だと仰る彼人や、哲学的思索による大先生方の会話を知ると、少々勉強するかと思ったりもするが・・・・・

 カタルパという木は大変珍しいのだそうだ。蘇峰が新島襄から種をもらいうけて植えたのだと伝えられている。
毎年5月中ごろ白い花をつける。随分眺めていないので今年は足を運んでみようかと思ったりしている。

        カタルパを紹介するサイト http://www.hiko.co.jp/higo/higo009.php 


 

 

コメント (1)
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