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自衛隊の日報隠し

2018-04-06 04:23:58 | Peace Cafe

自衛隊は文民統制など不可能という事が分かった事件だ。いよいよ安倍政権は危険水域に入った。情報操作が忖度というような形でいつの間にか行われている。これがソフト独裁の本質なのであろう。戦闘地域であるという、都合の悪い情報を隠していた。隠しているのは当時からわかっていたのだが、それをおかしいとする世論があまりに弱かった結果だ。あれこれつじつま合わせや言い訳はするだろうが、文民統制が出来ないという事だけは忘れてはならない。戦地というものは、いつ敵の攻撃があるかわからない場所である。自衛隊のいるところが、非戦闘地域であると政府は言い切っていた。この嘘をごまかすために、自衛隊の日報は隠すしかなかったのだ。ここに自衛隊の存在と、特に隊員の悲劇がある。憲法でその存在に問題があるとされているから、嘘をついて居るわけではない。戦闘地帯に行くという事自体が、本来人間にとってどれほど過酷なことであるかを考えなければならない。自衛隊は苦しい、耐えがたい組織なのだ。しかも正義のための戦いではなく、状況を国民にごまかしながらの活動である。

その為に、つかなくてもいい嘘をついついつくのだ。今回も、言い訳を繰り返すだけだろうが、その前に軍隊という非人間的な世界が、文民統制どころではないという現実に向かい合う必要がある。派兵された現地の部隊は、起きている危機を必死に日本に伝えている。ところがその日報が隠されてしまうのだ。現地の兵隊としてはどれほど悲しいことであろうか。自分たちが受けた日々の困難の実情が、政府に都合の悪いことであり、伝えることができないのだ。どれほど危険な目に会おうと、間違ってもそんなことは口にできない。だから、国民は安全な後方地域で、せいぜい道路建設や荷物運びをやっているのだろう位にしか想像ができない。この状況が、命の危機にさらされながら、戦闘地域で働いている隊員として耐えがたい。しかもその現状を家族にも話せない。こんな理不尽の中で生きなければならない。イラク派兵された自衛隊員の内21名が自殺してしまった。このように報道されている。こんな深刻な事態に追い込んだのは、日本政府だ。あえて言えば、この事実を知りながら見て見ぬふりをしてきた日本の社会の、状況に問題があるのだ。

イラク派兵の根拠になった、大量破壊兵器が存在するという、アメリカの嘘に騙された形で、日本は派兵をしてしまった。大量破壊兵器などないにもかかわらず、サダムフセインの独裁政権を、アメリカは抹殺したかったのだ。それに無理やり同調させられたのが、日本政府である。この訳の分からない、正義のない戦争に加担させられた。そもそもが国連のPKO行為として違反の戦争である。日本に事実を伝えることもできない苦しさは、大変なものであっただろう。正義の全くない戦争に加担してしまったことが、自衛隊が嘘をつかなければならなくなった原因である。その嘘は日本政府も当然把握していた。もしあれで気が付かない政府であれば、無能政府である。さすがにそこまでの馬鹿な訳がない。報道は繰り返し自衛隊の置かれた危険を知らせていた。把握していたが、聞いて居ないという事にして置こうという事が政府の姿勢だ。だから、自衛隊からも政府に伝えなかったし、日報は当然ないことにしておいたのだ。この詐欺のような仕組みの何処が、文民統制であろうか。

戦時下の軍隊というものを、政府の指揮下に置くことが、そもそも無理なのだ。歴史が証明している。命よりも大切なものはない。その命にかかわることで、嘘を付き通さなければならない矛盾の中に置かれているのだ。自衛官は辛い。辛すぎる。だから自殺者が多発するようなとんでもない環境になる。ソフト独裁の嫌な部分を背負わされているのが、個々の自衛官なのだ。今回も当然自衛隊の〇〇課長が悪いなどという、おかしなことを言い出すだろう。誰もが知っていた事実だ。日報がないなどという嘘をつかせたのは、政府の責任だ。自衛隊員は絶対に自殺などしないで欲しい。政府がそういう姿勢をとらせていることぐら、国民は知っている。アベ政権はおかしなことが出ると、そうやって末端に悪い役回りを押し付けるだけなのだ。稲田元防衛大臣のあの白々しい態度は、許しがたいものだ。お前が、自衛隊に対してそういう態度をとらざる得ないくしていたのだろう。ああ腹が立つ。稲田氏はせめて騙された私が悪かったといえないのか。

 

 

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