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天気予報と雨雲レーダー

2024-01-27 04:57:10 | 石垣島


 外仕事をするものはあさ、今日の天気明日の天気は確認するだろう。子供のころ、時間になると大人達がラジオの朝の天気予報を、耳をそばだてて聞いていた姿を思い出す。それがテレビになって、今は一人でスマホの天気予報で、確認する人が多数派ではなかろうか。

 金沢大学の学生の頃、気象学の授業を受けることが出来た。今の暮らしに最も役立っている授業だ。天気図を書く勉強をした。ラジオで「気象通報・海上気象解説」として、放送されていた。南大東島では北東の風、風力4、曇り25ミリバールとか、ずらずら言ってゆくあれである。

 記号で記載していって、最後に天気図を仕上げてゆく。そしてその後の展開を予測して、天気の変化を判断する。今でも役立つありがたい授業だった。今ならコンピュターで自動的に天気図など描かれるのだろう。しかし、天候の変化を推測する能力はあの天気図を描く中で出来たような気がする。

 農の会を始めて、みんなが集まる作業日の天気を予測する機会が多くなった。私の予測は案外に当たると言われていた。大勢が集まるので、早めに日を決めなければならないが、1週間先の天気を予測するのはかなり難しい事だった。どちらかと言えば楽観天気予報である。

 しかも、作業によっては前日が雨でも出来ないものも在る。当日が小雨なら問題ないという作業もある。雨の法が望ましいという事もある。作業を熟知した上で、天気を読まなければならない。お茶摘みの日程など、1ヶ月先までかんがえて決めていた。あらゆる情報を集めて、最終判断をする。

 石垣島では晴れで作業が難しいと言うことがある。夏の、5月から10月の半年は危ないくらいの強い日照になる。炎天下の作業は避けた方が良い。雨の中での作業の方が心地よい。雨では出来ない農作業も色々ある。稲刈りは雨では出来ない。乾いた稲を刈り取りたい。

 石垣島の天気予報はほとんど当たらない。2日に一回はずれている感じだ。島の天気予報は相当に難しい。天気予報で予定を立てると言うことはほぼ不可能である。雨を待って天気予報を見ている。石垣に来てからは雨が降ると嬉しくなる。天水田をやっているからだ。

 例えば、家のある字石垣辺りでは35㎜の強い雨。のぼたん農園のある崎枝では3.5㎜の小雨。15キロしか離れていない場所で、10分の1の雨しか降らなかった。こんなことは普通だ。島の天気は海から雲が流れてくるので、山へのぶつかり方で雨の位置が大きく変るのだ。

 毎日島の東側に在る字石垣から、西側の崎枝へ移動を繰り返しているので、あまりの天気の違いに驚くばかりである。田んぼの水が心配なので、崎枝では雨が降ってほしいもので、朝、雨を期待しながら車を走らせる。途中でバンナ岳を越えるのだが、この辺りから名蔵にかけては石垣島で一番雨多いと見ている。ここら辺りで、キジムナーの不思議な話が多いのも理由が無いわけではない。

 所が海岸線を崎枝に進むと雨は止んでしまうのだ。何かからかわれているような気分になる。名蔵でもバンナ岳の辺りは特に雨が多い。名蔵でアメダスデーターが取れれば、石垣島で一番の雨量になるはずだ。やはり於茂登岳の影響があるのだろう。気象庁のデーターは石垣、盛山、伊原間、川平の4カ所。

 島の中でも雨量が様々な日が実に多いのだ。だから石垣島の天気予報と大雑把にとらえてもほとんど無駄である。気象庁が出しているデーターの中に、過去24時間の雨量データーというものがある。これを必ず朝見る。するとのぼたん農園に近い川平の記録がある。それでのぼたん農園の雨量を確認できる。

 これを見て、雨量による湧き水の変化を予測している。湧き水の変化を正確に見ないと田んぼの作業は出来ない。一度田んぼから水を落として、作業をしてまた戻すと言うことが出来ない場合がある。天水田では水が命である。湧き水は水神龍として祭ってある。

 次にみるのが雨雲レーダーである。ヤフー雨雲レーダーで1時間前から、6時間後までが出る。ウエザーニュースの雨雲レーダーもある。これは有料なので、予報は見ていないが、今の雲の様子は見ることが出来る。この二つの映像が何故か異なる。

 雨雲レーダー予測も良くはずれるのだが、天気予報よりはましだ。何故雨雲レーダーがはずれるのかと言えば、雲の流れは実に微妙でわずかにずれれば、雨がまるで降らないことになる。だから、空模様での自己判断が一番需要。風向きを見て、雲の流れを見て、この後の天候の変化を予測する。

 冬であれば北東からの風が多いので、そちらからの雲を見て作業をする。雨は降り続くと言うより、降ったりやんだりなのだ。天瀬を見て作業が出来ることが多い。水牛を見に行くとか、田んぼの水を調整するとか、短時間で済む作業は雨の日でも、濡れない時間はある。雨が止むまで絵を描いている。

 もちろん当たらないとはいえ、テレビの天気予報は必ず見る。パソコンの天気図も必ず確認する。東アジア全体の天気図を確認し無ければ、これからの気圧配置の変化は分からない。今後の雨の降る可能性は見無ければ、作業の予定は立たない。

 テレビの天気予報で最近は今日の気候に適する服装を教えている。これを聞く度に腹が立つ。多分都会では、窓からも空が見えないような暮らしの人が沢山居るにちがいない。しかし、今日の服装まで自己判断できない人を生み出して良いのだろうか。

 天気予報は外に出て、風に当たり、空を見て、今日の空模様はどうだろうというのが人間の暮らしではないだろうか。人間が自然から離れている。これは決して幸せなことではない。まず自分の肌感覚で今日一日を予測することは、人間を取り戻すことになるはずだ。




 
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