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良識派はいないのか

2013-05-29 04:46:19 | Peace Cafe
自民党は、「96条」の改定に本気のようだ。「9条」の改定に向かい合うことは憲法論議であるが、96条だけを問題にすることは憲法論議ではない。96条は改正の規定を示している部分に過ぎない。もし、自民党草案が理想だと主張するなら、改正ではなく新憲法制定である。革命をやるのだから、3分の2どころか、多数決すら存在しないはずだ。96条から問題にするなど、いかにも卑劣な政治的手法である。こういう裏をかくような手法は、日本の将来ののためにならない。憲法学者の中にも、このやり方を支持する人がいるということが、信じられないことである。何故、自民党の中にこの程度の良識のある人はいないのか、全く不思議な気がする。まさか、自民党の沢山の議員が、96条の改定から憲法を問題にすることが、まともな政治手法だと、考えているとは思いたくない。何故自民党の内部でそうした、本当の議論が巻き起こらないかである。政治家とは言え、社員のようなもので、党の決め事にただ従うというだけの人間たちなのか。

自民党では、河野太郎氏は自分の主張を持っている。96条の改定については、発言しないようだが、見落としているのだろうか。ただ、執行部に従うだけで、自分の意見を持たない、あるいは、ものを言えない人間たちの集まりになってしまったとするなら、日本の政治はこれで終わるだろう。まさかそれほどひどいことはないだろうという気持ちと、ここまで、レベル低下してしまったのかという恐怖がある。原因は、政治家が2世議員、3世議員で構成されていて、無難ではあるが、覇気がないということがある。それは、多くの日本の企業が抱えるている課題でもあるのだろう。公教育の立て直しが言われる。要するに、韓国や中国のような、競争を激しくしなければ、役立つ育たないという考えだろう。そこが間違っている。学校の学習競争をいくら激しくしても、役立つ人材は現れないだろう。同じことが政治家にも言える。

小選挙区制では、地盤というものがより重要になっている。日本はこの政治風土を変えなければならない。小選挙区制の地盤というものは、政治思想とは関係が無い。無難な人が有利になる。例えば、河野洋平氏の地盤を、誰に譲るのかということが言われた。そして、牧島氏に決まった。外部から来た人間ということで、うまく引き継ぎは出来なかった。そして、民主党の流れで神山氏が当選した。しかし、神山氏も地盤というようなものを作り上げることなく落選した。1期の議員の期間に、どういう体制を作ろうとしたのか。見えないまま現状に至っている。牧島氏と河野氏とでは政策が違う。違うというより牧島氏は政策を示さないことで、地盤を作ろうとしているのだろう。河野氏は護憲派の人だった。ホームページを読む範囲だが、牧島氏は対立する課題に対しては、政策を出来る限り示さないことが方針に見える。自民党チームの一員であることを重視しているらしい。自民党執行部の決定事項に従うことがすべてのようだ。

人材が居ないという訳ではない。豊かな社会になって、質の良い人間は増えた。良い人は多い。悪質な人は減った。衣食足りて、礼節を知るは、間違ってはいなかったと思う。しかし、政治家はそれだけではだめではないか。この地域の民主党の衆議員議員だった、神山氏は礼節を知る好青年である。良い大学を、よい成績で卒業し、さらに松下政経塾で勉強した人である。しかし、雑草魂というか、田中角栄氏や河野一郎氏の持っていたような、常識人を超えたバイタリティーのようなものを感じなかった。穏やかで状況を踏まえて、角をたてないタイプだと思う。減衆議院議員の牧島氏に至っては、人間の個性とか、覇気を感じさせないよう隠している。執行部に対して、たとえ違うと思ったとしても、異論を唱えるような行為は取れないであろう。やはり、小選挙区制が良くない。議員を小粒にしている。

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2 コメント

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良識派? (石川)
2013-05-29 23:45:41
硬性憲法もそうではない憲法も世界にはあるのですから、3分の2であろうと4分の3であろうと全会一致であろうと、そして過半数であろうとどれでもいいのではありませんか?

笹村さんが9条を変えたくないから、過半数にしたくない気持ちは解りますが、笹村さんの方こそ9条について論議すればいいのではありませんか?
自分の方を有利にしたいために3分の2のままにしなくては駄目だというのは、議論としておかしくないですか。
世界でも戦後、憲法を改正していないのは日本だけだそうです。世界を見れば簡単に改正できるのが悪いとは言えません。

自民党は憲法改正を党是としてできた政党です。
96条改正に賛成の人が多いのは当然でしょう。
自民党は民主党などと違って、党内で議論を尽くしています。それが表面に出ないから笹村さんがご存じないだけです。
議論を尽くして党の方針を決めたらそれに従うのが、政党政治というものです。

これだけ学会、政界で議論がある中で、また世界の中でも支持されている反論がある中で、自分と同じ考え方の人を良識派というのは感情的であり不遜ではありませんか?

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9条の議論 (笹村 出)
2013-05-30 05:21:40
9条については、このブログすべてその目的のようなものです。
何度も繰り返しその意義を書いてきました。
たぶん私は不遜な人間に見えると思います。
それは覚悟で書いています。
9条に触れずに、96条から手をつける。
この汚いやり方を、果たして選挙民が受け付けるかです。

いよいよ選挙です、自民党は憲法について沈黙するでしょう。
アベノミクス、拉致、尖閣ばかり言うことでしょう。
こういう作戦に騙されないことです。
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