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久野川の河川管理

2013-05-28 04:03:47 | 里地里山
川は地域の動脈である。山と海をつなぐ要である。山の状態や海の状態は、川の姿を見ればおおよそ見えてくる。丹沢の広大な山と相模湾の関係は、酒匂川に表れている。同じように、明星岳、明神岳の箱根外輪山と小田原の海との関係は、久野川に現われている。久野川も下流域の状態を見ると、残念ながら生活雑排水路のように見える。3面コンクリート張りの下水道のようにも見える。上流部もほぼ河岸の工事が行われていて、自然河岸の状態の場所は極めて限られている。特に舟原と和留沢地区の中間から下流のほとんどは、河岸はコンクリート化されている。同時に河床には段差のきつい個所や、曲がりの大きな場所には、コンクリートの巨大なブロックが埋め込まれている。何度も水害があったから、水害を防ぐために、繰り返し工事が行われてきた結果であろう。中流域の辺りから下流では、平野部に入り蛇行していた久野川が、コンクリート張りの直線に変えられ、周辺にあった水田はすべて住宅に変えられた。

こうした土木工事のおかげで水害は相当に防げるようになった。しかし、近年ゲリラ豪雨が毎年発生している。以前は時間雨量でせいぜい50ミリだったものが、72ミリの新記録で驚いたのだが、すでに100ミリになっている。そのために、川の様子は大きく変わってきている。コンクリートブロックがえぐり取られたり、自然護岸のところでは、土が洗われてしまい、大木の根が露出している個所もある。山の状態は以前よりは良くなってきているようにもみえるが、昨年6月の豪雨では山の斜面が大きく崩れてしまった個所が4か所ある。木が表面を覆っていれば大丈夫とも言えない、深層崩壊に近い土砂崩れが起きているようにも見える。当然その土砂は今も削られて流されている。そういうことが川の生き物に大きな影響を与えているとも聞いた。下流の東洋橋での避難判断水位は1,40センチである。ここにはカメラがありいつでも見ることが出来る。これを超えることが毎年起きている。舟原にも雨量測定地点がある。

矢住芝という観測地点は、箱根町と表示はされているが、和留沢の観測地点と考えていいと、小田原土木では言われていた。矢住芝(足柄下郡箱根町木賀)の住所表示が間違っているのか。現在この点は確認しているが、返事が無い。舟原の土砂災害危険地区の予測に役立つはずだと考えている。位置確認が必要である。まだ土石流避難勧告は出されたことはない。この判断をするには、データーが不足してい手出せないのが現状であろう。舟原でいくら観測して居ても、舟原に起こる土石流の判断はできない。その上流部の状態が気がかりなのだ。山の管理が良くなれば、土石流災害の危険は減少する。しかし、山が今より良くなる可能性は、少ない。林業が健全に行われることは考えにくい。では巨大な砂防ダムを作るということになるのかと言えば、全国にはレッドゾーンにもっと人口が密集している個所が膨大にあるそうだ。舟原のレベルのリスクでは、防災砂防ダムが造られることはない。

そうなると、やはり、的確な避難である。現在の舟原の一時避難場所や防災倉庫は、レッドゾーンの中の公民館である。これを安全な場所に移動することが必要であろう。イエローゾーンの場合、堅固な建設物なら、避難場所になるということらしいが。そういう場所も建物も現在の舟原にはない。公民館を場所を変えて立て直す必要がある。行政も安全対策として、補助をするぐらいの考えはないのだろうか。いずれ将来安全な場所に移築するということは必要だろう。当面は緊急避難的に、不便であっても小田原市の斎場に避難するのが、次善の策にも思える。斎場が一番近い、公的な建築物だ。食料も水もある。防災倉庫ぐらい置かせてもらえる余地はありそうだ。駐車スペースもあるから、車での避難もできる。距離的には舟原の一番遠い住宅から、1キロくらいだろうか。問題は舟原地区内ではないことである。現状では、レッドゾーンの中の避難場所表示を止めることだろう。
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