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石垣島に台風が来た。

2021-07-26 04:29:08 | 石垣島


 21日午後4時のシーラ原田んぼ。強い雨で満水になった田んぼ、水位はこれで10センチ。入水は止めてあるが、雨が繰返し降るので水は十分である。川の水も増加してきた。これでダムにも充分に水がたまり、田んぼの水に関しては一安心である。

 石垣島に引っ越して、3年。始めて台風が来た。いままで台風らしきものは来なかった。そばを通過したことはあったが、被害のあるほどの風は一度も無かった。幸運なのか、この程度の頻度のものなのか、この辺はまだ分からない。

 ただ、石垣島直撃といっても上陸という表現は無いのだそうだ。台風が石垣島を通過したと言うことになるらしい。島だから台風の方が大きいから、台風の方から見ているような感じになる。日ごろは島に暮らしているという意識はほとんど無い。石垣島はそれなりに広い島なのだ。

 石垣島の台風は違うと散々聞かされていた。確かに70メートルを超える日本一の強い風が吹いたという記録がある。どうなることやら不安に満ちた4日間であった。台風まったく動きが止まった。まったく動きが止まった。

 宮古島の南150キロに3日ほどとどまることになった。台風が動かないと言うことも南に位置すると言うことなのだろう。どっちに進むのか分からない不安な日々がつづいた。最初は石垣島直撃という気象庁の予報だったから、60メートルが来るという気持ちが続いた。

 台風はいつ動き出すのだろう。動き出せば数時間で到達する。予測がたたない、何も出来ない3日間であった。絵を全く描けない苦しい3日間であった。結局24日になり、宮古島付近を通過し、東シナ海方面に抜けた。それなら、普通に暮らしていれば良かった。絵が描けないような日は実は一日も無かったのだ。

 気象庁の予報では石垣島を目指していることになっているから、毎日が気が気では無い。何しろ60メートルの瞬間風速の予報が毎日繰り返される。しかし、21日も、22日も結局の所20メートルの風も吹かないままである。落ち着かないので、田んぼを見に行き、水牛の世話をするだけで過ごした。

 23日の午後になり、30メートルを超える風が吹いた。さすがにこの日の午後は田んぼには行けなかった。24日にはもう普通に田んぼに行くことが出来た。あさ、わかばを見るまでは不安だったが、何でも無い様子だった。

 被害が出るほどの風には見えなかったが、とぅらばーまで唄われる第3アコウの大木が折れた。あの木の下で二回とぅらばーまを聞いた。石垣島の人にとっては記念樹のようなもので、悲しい気分だろう。印象に残る大木である。

 むかし、歩いて暮らした時代のことだ。北部から、町への用事で石垣の町へ歩いてくると、遠くに見えてくるのがなかどうみちの3番アコウである。樹齢250年くらいと言われている。昔は5番アコウまであったと言うから、一里塚のような大木だったのだろう。

 石垣島にはこうした大木がかなりある。それだけ石垣島が安定して、豊かな島だったと言うことなのだろう。生活は大変だったに違いないのだが、守られるべきものが守られてきたから、大木が残っている。大木が残るような地域と言うのも、分りやすい暮らしの道しるべだろう。

 停電が続くという前提で準備をした。もちろんインターネットも使えないという状況も考えておいた。ものが飛んでくるに違いないと思い、蘭を風の当たらない場所に格納した。水が一番心配だから、水だけは充分に汲み置いた。

 結局の所緊急対策はいらないことになった。いらないで良かったわけだ。蘭も少しも痛まなかった。花が咲き始めているものもあったのだが、何の被害も無かった。

 田んぼは今苗作りである。苗代がどういうことになるか。これも不安であった。以前聞いた話では田んぼに行ったならば、なんとすべてのイネが、根こそぎ無かったという話を聞いた。これでは対応も何も無い。ともかく苗床のネットをしっかり張り直し、波板で一部を囲んだ。

 全部を囲うべきだった。砂が苗床に打ち寄せて、積もってしまい、苗が大分砂の中に埋もれてしまった。砂は簡単には取り除けないので、一応金曜日の苗取りまで様子を見るつもりだが、様子によっては水を何とかして砂を流し出さなければならないかもしれない。

 問題は水牛のわかばである。そのままどこかに繋いでおくほかないのだ。風を避けられる木の下に繋いだ。強い雨の中でも気にせず、草を食べていた。水牛は確かに水には強い。風も余り気にしていないようだ。不安な様子はまったく無く、いつもと同じように泰然自若としている。

 むしろこの3日間はわかばにとっては快適な3日間だったのかもしれない。いつもからだが濡れていた。草は食べ放題で広い草地の真ん中でゆっくりしていた。草の中に寝転んでしまうと、風もさして当たらないのだから、エサの中に寝ているようで気分も良かっただろう。

 石垣島では最大瞬間風速30メートルの暴風雨圏だった。被害は調度実って後半だった、パイナップルは落下したらしい。あとは塩害と言うことになるが、苗は洗った方が良いのだろうか。塩害は1週間ほどしてから、影響が出ると言うから、心配はある。

 今日水だけはよくかけてやろう。水のあるうちに、よく水をかけてやるべきだった。昨日まで塩害のことが頭になかった。失敗をした。ホースを手に入れて、水をかけてやることは出来ないだろうか。あれこれ気になりだしたら、不安になってきた。


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