あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

四国遍路道にある地震・津波の痕跡や表示

2012-02-01 17:59:15 | 四国遍路あれこれ
 昨年3月11日の東日本大震災以来、地震や津波についての認識が一層高まったよう
に思います。

 四国の遍路道を歩いていると、地震や津波に関する標識や説明板などが、幾つか目に
つきました。今回はそれらを、1番霊場から88番への遍路道順に紹介します。

 といっても、私の3度目の遍路道では、一昨年(2010年)2~3月の徳島県と高
知県内で撮ったものだけでした。このあたりは、東南海地震が発生した場合に、大きな
被害が想定される地域です。

 22番平等寺から23番薬王寺への道、国道55号経由でなく海沿いの県道25号を
進むと、徳島県美波町(みなみちょう)を通過します。由岐(ゆぎ)から木岐(きき)
へと進み、木岐の家並みの一角、電柱に付いていた昭和南海地震のときの津波高の表示。

 1階のひさしくらいの高さです。


 近くには、津波発生時の避難場所の地図がありました。


 木岐漁港をぐるっと回って西側に行くと、「安政地震津波石灯籠」が立っています。


 そのことを記した説明板。由岐町になっていますが、平成の合併で現在は美波町です。


 室戸岬にある24番最御崎寺(ほつみさきじ)を目指し、県境を越えて徳島県海陽町
から高知県室戸市に入り、最初の家並み、佐喜浜にあった避難場所への標識。


 この日(2010年2月28日)は、前日の午後発生したチリ地震による津波警報が
発せられました。私もこのあたりの前後で、連れ合いなど何人かから携帯電話に、「津
波に注意するように」とのメールをもらい、左手にずっと続く海岸線に異変がないか気
にしながら室戸岬に向かっていたのです。

 17㎞ほど先の三漁港まで来たら、消防団や地元の方々が、海を眺めて警戒していま
した。でもこの頃は、津波到来予想時刻を過ぎていて、幸い被害になるほどの津波は来
ませんでした。 


 標高430mの27番神峰寺(こうのみねじ)から下り、安田町から安芸市に入った
付近の国道55号にある、国道がこの先12.5㎞津波浸水想定区域になるという表示。 


 安芸市の中心街を抜けて、間もなく高知安芸自転車道に入るあたりの標高の表示。こ
ういう表示は、ほかでもあちこちで見ました。


 土佐市の36番青龍寺(しょうりゅうじ)に近い蟹ヶ池(かにがいけ)が最近、注目
されました。

 高知大の岡村教授がこの池にパイプを打ち込み、古い地層の土を採取して調べたとこ
ろ、この池にも大地震による津波が押し寄せたことが分かったようです。

 池のほとりにある、貴重な自然であることを示す説明板 


 このことについては四国産業研究のウェブサイトをご参照下さい。 

 足摺岬の38番金剛福寺から39番延光寺に向かう大月回りの遍路道、国道321号
を進み、土佐清水市街地やあしずり港を過ぎた落窪付近に見られる「化石漣痕(かせき
れんこん)」と呼ぶ、南海道地震により海底から隆起した現象。


 詳細はこの説明板を…。


 これらの標識を見て、海沿いを遍路中に大地震が来たらどうなるのだろう、などと
考えながら歩いたものでした。



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