あるきメデス

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府中市美術館で「吉田初三郎の世界展」を観覧(東京・府中)

2024-07-01 13:24:30 | 美術館・博物館・展覧会等の観覧
 2024年6月26日(水)

 地図に興味のある方ならご存じ、大正時代から昭和にかけての鳥瞰図作家、吉田初三郎
の作品を紹介する企画展が府中市美術館で開催中だが、会期も残り少なくなったので今日
観覧に行くことにした。

 10時04分に自宅を出て、西武池袋線から新宿線、国分寺線へと乗り継ぎ、国分寺駅
に11時06分に着いた。

 南口に回ると、乗車予定の11時14分発 府中駅行(東八道路経由)の京王バスは、も
う1番乗り場に来ていたのですぐに乗る。


    美術館に最寄りの天神町幼稚園バス停には、 11時30分に着いた。
     

 少し戻って交差点を東へ、一本木通りに入る。


 下りた停留所名の府中天神町幼稚園は、次の十字路の東北側にあった。



 住宅街をさらに進み、やや斜めに交差する小金井街道との交差点の南側一帯が「都立府
中の森公園」で、交差点際には人工の滝が数カ所から落下している。



 その東側が、今日の目的地の府中市美術館。入口は回廊の少し先で、11時50分頃入
館した。




    
  1階ホール吹き抜けの2階から下がる企画展の幕↑と企画展の↓ポスター
 

 受付カウンターでチケット(800円)を購入し、2階の企画展示室へ。
  

 展示室内は撮影禁止なので、企画展「吉田初三郎の世界」展の折込リーフレットから


 折込表面の右↑から左↓へ


  この企画展についての紹介
  

 吉田初三郎について、同じリーフレットから

 『吉田初三郎〔明治17(1884)~昭和30(1955)年〕は京都に生まれる。
友禅の図案絵師への奉公等を経て、洋画家・鹿子木孟郎が主宰する画塾で学び、鹿子木よ
り示された商業美術の道に進む。

 大正3〔1914〕年に「京阪電車御案内」が皇太子(後の昭和天皇)の目に留まり、
「奇麗で解り易い」との言葉を受ける。

 鉄道省による旅行ガイドブック「鉄道旅行案内」の挿絵と装丁を手がけ、また観光誘致
を盛んに行った鉄道会社からの依頼による沿線名所案内を数多く描き、「大正の広重」と
呼ばれた。

 昭和5(1930)年には鉄道省国際観光局によるポスター「Beautiful Japan」を描く
など、大正期から総和戦前期にかけて観光グラフィックの分野で幅広く活躍し、生涯手が
けた鳥瞰図は1,600点以上ともいわれている。』

 以下は、この企画展について、同じリーフレットから

 『大正から昭和戦前期、日本各地を空から見下ろす視点で描いた吉田初三郎(1884
~1955)が、独自のデフォルメによって広い範囲が一望できる鳥瞰図面は、細部まで
描き込まれ、まるで絵の中を旅するように見飽きることがありません。

 本展では肉筆鳥瞰図を中心に、絵画・ポスターなど様々なメディアで展開された、吉田
初三郎の姿を紹介します。』

 企画展の折込リーフレット内面に手紹介されていた、吉田初三郎の作品の幾つかも。

      
     ポスター Beautiful Japan 「駕籠に乗れる美人」

          
          油彩画「地獄谷の渓流」

  
  ポスター 「霧島・林田温泉」


 屏風 「犬山之春」↑と「蘇川之秋」↓



 肉筆画「筑波山神社を中心とする名所図会」
 

 肉筆画 「神奈川県鳥瞰図」


 印刷折本「神奈川県観光図絵」

 これら作品のほか、会場では「1章 初三郎の時代」として電鉄案内、鉄道旅行案内、
鉄道開通記念、さらに明治天皇像、大東亜戦争鳥瞰図、靖国神社絵葉書、資料「旅と名所」
など55点。

 「2章 魅力に迫る」では、箱根山鳥瞰図、京都市洛北名所図絵、高千穂名所図絵、京
王電車名所図絵、大大阪市街電車路線図、日本鳥瞰近畿東海大図絵、樺太、日本交通鳥瞰
図、富士須走口駿河登山道案内ほか28点。

 「3章 制作に迫る」では、天下の絶勝 日本ラインご案内、箱根名所図絵、旭川市鳥
瞰図、豊橋市とその付近、岩手県観光鳥瞰図、長野電鉄沿線温泉名所案内、観光信州など
23点。

 あわせて100点を超す多彩な作品や案内図、絵図や資料などが多数展示されていて、
予想以上に興味深い充実した企画展だった。

 いまスマホでは、簡単に現在位置を確認したり行く手を探したりできるが、見える範囲
は極めて限られていて、ミクロ情報しか見られないように思う。

 これに対して、吉田初三郎の描いた地図は広い範囲を網羅し、周辺の様子や行く手の情
報なども容易に理解できる工夫に満ちており、広い範囲をマクロで俯瞰していて、見てい
るだけでも楽しく、当時の諸情勢も分かり見飽きることがない。地図ファンとしては満足
できる展示の数々だった。

 会場を出た2階ロビーに「京王沿線すごろく」が置いてあり、一人1枚ずつもらえると
いうのでいただく。A3サイズを左右分けてスキャンしたので、中央の接続面がずれたが。


 このあと、2階の「府中市美術館コレクション展」も一巡する。

 会場内は、「たまマップ」と呼ぶエリアに「F市」「街道と鉄道」「河川と湧水」「多
摩霊園の美術家たち」「街を歩く、地図を描く」の6つのセクションが、さらに「画家が目
指した美術」「展示室で遊ぼう! すきかって連想ゲーム」の2つのエリアに分かれていた。

 最初の「たまマップ」には、吉田初三郎が関西美術院で学んだ洋画家・鹿子木 孟郎(か
のこぎ たけしろう)の作品を中心に、明治後期から昭和20年代にかけての多摩の風景が
中心に描かれ、

 次の「河川と湧水」でも、多摩川や井の頭、小金井など明治から昭和の多摩の風景を、
「多摩霊園の美術家たち」は、ここ府中の森公園からも近い多摩霊園に眠る岸田劉生、中村
不折、熊谷守一、梅原龍三郎、岡本太郎などの作品が。

 「街を歩く、地図を描く」には、地元府中の地図や大國魂神社、市民球場などの作品が
並ぶなど、こちらの展示も興味深い作品が多かった。

   観覧を終えて2階吹き抜けから見下ろす1階
   

     

 こちらはミュージアムショップ
    

 13時30分を過ぎたので昼食をしなくてはと1階に下り、南側に回ったら突き当たり
に「府中乃森珈琲店」があったので入る。


     
 メニューのトップは「気まぐれ店長のプレート」(1,070円)、季節の料理や地場野
菜などが味わえるよう。今日は「茹で鶏のスイートチリソースがけ」というので注文し、
ボリュームたっぷりの茹で鶏などを美味しく味わう。




 14時に店を出た。そばのロビーにある奇妙な椅子は、田原良作作の「彫刻家具(可動
ベンチ)」だという。

 
 美術館を出て、南側の「都立府中の森公園」の主要部を一巡することに。





 中央部を南北に延びる園路際に咲くのは、カシワバアジサイだろうか。


 桜並木が続くので、春は花見の市民で賑わいそう。


  東側はグランドで、その向こうには航空自衛隊航空総隊司令部のアンテナ塔も見える。 
  
 
 水辺のそばまで進むと、こんな彫刻が。保田春彦作「球を囲う幕舎」という作品のよう。 


  




 水辺の間を南に抜けると日本庭園なので入る。





 東側の梅林では造園技師の卵が実習中


 公園の南口付近へ。


 南側一帯は「府中の森 芸術劇場」のようだが、工事中だった。


 ここから折り返して樹林帯を抜ける。


     「道標・鴉(からす)」 柳原義達作品 1968年
     

 
     こちらの建物のそば↓の作品名は不明
       
 
  
  水のあるロータリーにはカルガモが。


 桜並木の中央園路を戻る。


 都立公園の東北端に戻り、府中の森公園交差点から西へ、往路の一本木通りへ。

 

 少し先に7月7日投票の都知事選の掲示板がある。立候補者数は56人のはずだが、張
られた候補者のポスターは8枚だけ。




 近くの畑に咲くのはダリアだろうか・・



 いちょう通りとの交差点に戻り、少し北にある天神町幼稚園バス停に14時55分頃着
いたら、すぐに国分寺駅行バスが来たので急ぎ乗る。
    

 国分寺駅南口には15時11分に着いた。

 

 西武国分寺線の国分寺駅発15時23分発に乗り、東村山と所沢で乗り換え、16時05
分に帰宅した。

 



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