2020年11月14日(土) 〈続き〉
本町の爪龍寺から住宅地の通りを南東に進み、中町にある今宮神社に南側の細い抜け道
から入る。
まず目につくのが、境内中央部に太い幹でどっしりと立つ埼玉県指定天然記念物「駒つ
なぎのケヤキ」である。

今宮神社(当寺は今宮防)は江戸幕府の崇敬が厚く、朱印地10石の寄進を受けていた
ことから江戸幕府の要職にあった武士が参詣し、このケヤキに馬をつないだという由来か
ら「駒つなぎのケヤキ」と呼ばれるようになったという。

推定樹齢は1,000年、幹回り7.9m、樹高27.9m、枝張り34.3mあり、埼
玉県下でも最大級のケヤキの大樹のようだ。
今宮神社は武甲山の地下水が湧き出す霊地で、役行者(えんのぎょうじゃ)により八大
龍王が祭られていたところに、八大権現社、札所14番の前身の観音堂が創建されたよう。
天文3(1534)年に秩父に疫病が流行したとき、京都から今宮の神を勧請して「今
宮様」と呼ばれるようになったという。

境内の広さに比べると小さめの社殿は西向きに立ち、その右手が役行者を祭る行者堂で
ある。

行者堂の右手斜面からは、竜神が祭られた武甲山の伏流水で環境所の「平成の名水百選」
にも選定された「清流の滝」が流れ出ている。


境内西側のケヤキなどの樹林下には雷神池があり、秩父神社の御田植え祭りにはこの池
の龍神水が使われるという。そばのモミジがよい彩りを見せていた。



北側にある新しい社は天満宮で、狛犬ならぬ狛牛は新型コロナウィルス感染防止のマス
クを付けていた。

境内を一巡後、東北側にある休憩舎を借りて昼食をした。
同じ中町を西側に少しで、秩父観音霊場第14番札所今宮坊の観音堂がある。

もとは今宮神社と関連する堂宇のひとつで、格式の高い本山派修験道場として広大な境
内と勢力を持っていたようだ。

堂内には金色の観音像が祭られ、その右手には藤原時代後期の秀作という高さ30㎝の
木彫飛天像も安置されている。

この飛天像は、秩父三十四所観音霊場の中でも曲線美に富んだ異色の仏像として、以前
から注目されていたという。

この境内でも何か所か、小規模ながら菊花展の作品が並んでいた。

境内南西側には小さいお堂がある。


境内南東隅には、樹齢500年という大ケヤキが色づく。

その下、武甲山に似た自然石には、今宮神社の宮司家の塩谷家で啓山と号した塩谷俊太
郎の記念塔という「啓山塔」の文字が刻まれていた。

今宮坊を出て西へ、荒川に架かる佐久良橋への通りを進み、橋近くの急カーブ点で分か
れて近戸町内を南へ延びる通りへ。民家の隅に小さいに稲荷堂が祭られていた。


色づいたケヤキなどの屋敷林のある民家の前を進むと、通りの南側に小さな社殿の地蔵
院のお堂と背後に墓地のある地蔵堂があり、南側は広場になっていた。


広場からは、長年の石灰石の採掘で形を変えた武甲山の姿が望まれる。

墓地には、秩父事件に加わった柴岡熊吉の墓があるというので一巡したが、柴岡家の墓
が多くて見つからなかった。

少し南下してイチョウが色づく三嶋神社へ。三嶋神社は、伊豆の三嶋大社から勧請した
とのこと。

神社前から80mほど進んで左カーブして東へ、秩父高校に突き当たって右折して南進
して、荒川右岸がカーブする近くで川や対岸など見ながら急坂を下る。


坂の途中には馬頭尊や地蔵尊前などが祭られていた。


滝坂稲荷神社↑の先で荒川の支流、押堀川(おっほりかわ)の井戸尻橋(いどしりはし)
を渡る。

橋の上流に砂防堤があり、橋際のがけ地からは仙龍水と呼ぶ霊水が落下していた。


橋を渡って坂を上り、金仙寺参道の途中に出た。参道を北西に進んでモミジが色づく金
仙寺門前へ。




境内は臨済宗の禅寺らしい静かなたたずまい。由来は分からぬが「サイパン地蔵」など
の地蔵尊や、シダレザクラの古木が目についた。


シダレザクラの近くにも小さいお堂があり、南側の墓地の向こうに武甲山の北面が間近
に望まれる。


山門を入った右手には、秩父七福神の布袋尊を祭るお堂もあり、そばにも世界平和地蔵
ともう一つの地蔵尊像が並び立っていた。


ツツジやサザンカの咲く真っ直ぐで長い参道を東南東に進む。


県道73号に出て北北東へ。「上町町かどギャラリー」↑前から斜めに入る通りへ、途
中でひとつ東側に平行する通りに回る。途中の民家のツタが色づく。

東京大学大学院秩父演習林の建物↑の先を上がり、金刀比羅神社境内を東に抜ける。


秩父鉄道と西武秩父線との渡り線付近の踏切を越えて線路沿いを進み、西武秩父駅に
15時47分に着いた。

4分後に発車する飯能行き上り普通電車があったので急ぎ階段を上がり、発車間際に乗
車することが出来た。
今日の秩父市内の最高気温は20.6℃で、10月並みの暖かさだった。
(天気 快晴、距離 10㎞、地図(1/2.5万)秩父&「地図で歩く秩父路」(飯野
頼治著)掲載地図、歩行地 秩父市、歩数 20,200)
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本町の爪龍寺から住宅地の通りを南東に進み、中町にある今宮神社に南側の細い抜け道
から入る。
まず目につくのが、境内中央部に太い幹でどっしりと立つ埼玉県指定天然記念物「駒つ
なぎのケヤキ」である。

今宮神社(当寺は今宮防)は江戸幕府の崇敬が厚く、朱印地10石の寄進を受けていた
ことから江戸幕府の要職にあった武士が参詣し、このケヤキに馬をつないだという由来か
ら「駒つなぎのケヤキ」と呼ばれるようになったという。

推定樹齢は1,000年、幹回り7.9m、樹高27.9m、枝張り34.3mあり、埼
玉県下でも最大級のケヤキの大樹のようだ。
今宮神社は武甲山の地下水が湧き出す霊地で、役行者(えんのぎょうじゃ)により八大
龍王が祭られていたところに、八大権現社、札所14番の前身の観音堂が創建されたよう。
天文3(1534)年に秩父に疫病が流行したとき、京都から今宮の神を勧請して「今
宮様」と呼ばれるようになったという。

境内の広さに比べると小さめの社殿は西向きに立ち、その右手が役行者を祭る行者堂で
ある。

行者堂の右手斜面からは、竜神が祭られた武甲山の伏流水で環境所の「平成の名水百選」
にも選定された「清流の滝」が流れ出ている。


境内西側のケヤキなどの樹林下には雷神池があり、秩父神社の御田植え祭りにはこの池
の龍神水が使われるという。そばのモミジがよい彩りを見せていた。



北側にある新しい社は天満宮で、狛犬ならぬ狛牛は新型コロナウィルス感染防止のマス
クを付けていた。

境内を一巡後、東北側にある休憩舎を借りて昼食をした。
同じ中町を西側に少しで、秩父観音霊場第14番札所今宮坊の観音堂がある。

もとは今宮神社と関連する堂宇のひとつで、格式の高い本山派修験道場として広大な境
内と勢力を持っていたようだ。

堂内には金色の観音像が祭られ、その右手には藤原時代後期の秀作という高さ30㎝の
木彫飛天像も安置されている。

この飛天像は、秩父三十四所観音霊場の中でも曲線美に富んだ異色の仏像として、以前
から注目されていたという。

この境内でも何か所か、小規模ながら菊花展の作品が並んでいた。

境内南西側には小さいお堂がある。


境内南東隅には、樹齢500年という大ケヤキが色づく。

その下、武甲山に似た自然石には、今宮神社の宮司家の塩谷家で啓山と号した塩谷俊太
郎の記念塔という「啓山塔」の文字が刻まれていた。

今宮坊を出て西へ、荒川に架かる佐久良橋への通りを進み、橋近くの急カーブ点で分か
れて近戸町内を南へ延びる通りへ。民家の隅に小さいに稲荷堂が祭られていた。


色づいたケヤキなどの屋敷林のある民家の前を進むと、通りの南側に小さな社殿の地蔵
院のお堂と背後に墓地のある地蔵堂があり、南側は広場になっていた。


広場からは、長年の石灰石の採掘で形を変えた武甲山の姿が望まれる。

墓地には、秩父事件に加わった柴岡熊吉の墓があるというので一巡したが、柴岡家の墓
が多くて見つからなかった。

少し南下してイチョウが色づく三嶋神社へ。三嶋神社は、伊豆の三嶋大社から勧請した
とのこと。

神社前から80mほど進んで左カーブして東へ、秩父高校に突き当たって右折して南進
して、荒川右岸がカーブする近くで川や対岸など見ながら急坂を下る。


坂の途中には馬頭尊や地蔵尊前などが祭られていた。


滝坂稲荷神社↑の先で荒川の支流、押堀川(おっほりかわ)の井戸尻橋(いどしりはし)
を渡る。

橋の上流に砂防堤があり、橋際のがけ地からは仙龍水と呼ぶ霊水が落下していた。


橋を渡って坂を上り、金仙寺参道の途中に出た。参道を北西に進んでモミジが色づく金
仙寺門前へ。




境内は臨済宗の禅寺らしい静かなたたずまい。由来は分からぬが「サイパン地蔵」など
の地蔵尊や、シダレザクラの古木が目についた。


シダレザクラの近くにも小さいお堂があり、南側の墓地の向こうに武甲山の北面が間近
に望まれる。


山門を入った右手には、秩父七福神の布袋尊を祭るお堂もあり、そばにも世界平和地蔵
ともう一つの地蔵尊像が並び立っていた。


ツツジやサザンカの咲く真っ直ぐで長い参道を東南東に進む。


県道73号に出て北北東へ。「上町町かどギャラリー」↑前から斜めに入る通りへ、途
中でひとつ東側に平行する通りに回る。途中の民家のツタが色づく。


東京大学大学院秩父演習林の建物↑の先を上がり、金刀比羅神社境内を東に抜ける。


秩父鉄道と西武秩父線との渡り線付近の踏切を越えて線路沿いを進み、西武秩父駅に
15時47分に着いた。

4分後に発車する飯能行き上り普通電車があったので急ぎ階段を上がり、発車間際に乗
車することが出来た。
今日の秩父市内の最高気温は20.6℃で、10月並みの暖かさだった。
(天気 快晴、距離 10㎞、地図(1/2.5万)秩父&「地図で歩く秩父路」(飯野
頼治著)掲載地図、歩行地 秩父市、歩数 20,200)


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