2012年11月17日(土)
関東百駅巡礼歩行の第89番に参加する。集合はJR吾妻(あがつま)線の川原湯温泉
駅。やまさんと敬子さんご夫妻は高崎駅で乗り遅れて集合時刻後に着き、11時30分に
出発した。
午前中から雨の予報だが、まだ降りそうではない、駅のすぐ西側に八ッ場(やんば)ダ
ムで水没する町並みの上部両側の移転地を結ぶ、県道の「湖面1号橋」と呼ぶ新しい橋の、
高い橋脚工事が始まっていた。
すぐ先で国道145号に分かれ、左手斜面を上がる川原湯温泉の温泉街への道に入る。
分岐際に小さい屋根をかけたお地蔵さんが立ち、傍らにその石地蔵を歌った歌碑があった。
川原湯郵便局に相対する丸木屋という店に入ってみると、土産物が並ぶ店の奥に「樋田
さんへ」と書かれた大きな似顔絵がある。男性グループ「嵐」の大野君が、ロケに来たとき
に描いたものだという。
次のカーブ点に嘉納治五郎別荘跡の表示があるが、空き地になっていて痕跡は何もない。
そのあたりまで上がると、紅葉の残る吾妻川北側斜面の展望が開ける。
こちらの周辺の林にも、色鮮やかな紅葉や黄葉の木々が残り、小さい谷間から、温泉の
湯気が立ち上る。
吾八寿司店の横から戻るように斜面を上がると、「聖天様の露天風呂」と呼ぶ小さな露
天風呂があり、地元の男性2人が入っていた。
聖天様は少し上に祭られていて、何を祈るのか変わったお供えが並ぶ。
玄関横に水車の回る、昔ながらの風情の温泉旅館・山木館には宿泊者の名が並び、いま
も来泊者の多いことが知れる。
共同浴場王湯(おうゆ)↑のそばから左に上がると、川原湯温泉新湯の源泉が湧出して
いて、屋根掛けの新しい足湯がある。源泉の温度は70℃台で、ゆで卵は10数分で出来
るという。
若い二人が足湯につかっていたが、ぱらぱら雨が落ちてきたので、そばの屋根下の足湯
の台を借りて昼食にする。若い人と入れ違いに来た別の二人連れは、王湯で買ったという
卵を源泉に浸していた。
食事を終えた頃には雨は上がった。さらに急石段を上がると、そう大きくはないがどっ
しりした構えの川原湯神社がある。社殿背後のモミジがよい彩り。
その先はダム水没地より上部になり、広いエリアで造成が進んでいる。新しい道路のト
ンネルが出来、眼下には、付け替え後のJR川原湯温泉駅の建設も進んでいた。
高度が上がり、吾妻川対岸の斜面の紅葉の紅葉の眺めが良い。トンネル際には、水没地
から移設したらしい新しい薬師堂が、ポツンと立っていた。
新しい道路の傍らに、取り残されたように古いお地蔵さんが立っている。
「自由にどうそおはいり下さい」と書かれた作業場のような古い建物があった。大きな
冷蔵庫など置いてあるが、現在は使っていないらしい。ちょうどその家の持ち主、Tさん
ご夫妻が来た。
聞くとT乳業の2代目で、ご主人のお歳は92歳。20代の多くを太平洋戦争に従軍し、
満州からシベリアに抑留されて3年間の苦役を経て帰還されたとか。現在は上の大きな建
物で、お孫さんが乳業を継いでおられるという。
その建物の下に、ヨーグルトや牛乳販売の看板があった。建物に上がり呼び出しボタン
を押すと、お孫さんが出てきた。直販のブルーベリー入りヨーグルトを求め、皆でおいし
く味わう。
広い渓谷になっている桜沢も、造成工事が進む。谷をまたぐ新しい橋を渡って下り、少
し迂回して工事中の新駅のそばを進んで、上湯原集落に向かって下って行く。
集落のほとんどは移転し、眼下に1戸だけ平屋の民家が残っていた。
地元の人だけの共同浴場、不動ノ湯↓の前を過ぎ、数本の柿の実る横を通過して栄橋に
出た。
上流に、完成した高い橋脚の橋が横切り、その向こうに独特の山容の丸岩(1130m)
が望まれる。
周辺の山並みや、下流の渓谷も紅葉、紅葉の彩りを残す。下流山腹には、八ッ場ダムの
完成後は水没する温泉街の一角が見える。
国道145号に出て下流に向かう。北岸高みに付け替えた新国道が開通し、こちら旧国
道の交通量は少なくなっていた。
流れの左岸に、柱状節理の岩が龍の寝ている姿のように突き出た、「臥龍岩(がりゆう
いわ)」と呼ぶ大岩が見える。
230万年の昔に出来たものとかで、国の天然記念物に指定されている。
すぐ先の国道の北側壁面には、安山岩の溶岩が流入して出来たという、「昇龍岩」と呼
ぶやはり国指定天然記念物があるが、崩落防止の金網がかけられ、説明板が無ければそれ
とは分かりにくい。
国道の短いトンネルを抜け、線路が迫ったところで線路を横断し、北側の川原畑集落に
入る。7年前に来たときには点在する住宅の間を上がったのだが、いまは移転してしまっ
たのか住宅は無く、跡地らしいのが点々と残っていた。
大イチョウの落ち葉が道いっぱいに埋め尽くされたところを曲がり、三平集落跡まで進
み、上部の付け替え集落からの車道に入る。
対岸の駅近くから伸びる予定の、湖面1号橋の新しい橋脚のひとつがそばに立っている。
対岸には、移設した新しい住宅が等高線上に並んでいるのが望まれる。
右カーブ点まで下ると、下流に現国道の橋が見え、橋を挟んで関東有数の名峡として知
られる吾妻渓谷の、散り残る紅葉の彩りが眺められる。
ダムが出来ると、この紅葉も見ることは出来ないのだ。
駅周辺の家並みや、周辺の紅葉などを見ながら国道まで下る。道路際には、ダム建設に
伴う新しい川原畑地区のまちづくりの、大きな計画図が立っていた。
国道を横断して吾妻渓谷を見下ろす千歳橋を渡り、付近のモミジの彩りも楽しみ、14
時45分に川原湯温泉駅に戻った。
(参加 10人、天気 曇一時雨、距離 6㎞、地図(1/2.5万) 長野原、歩行地
群馬県長野原町、歩数 10,700)
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関東百駅巡礼歩行の第89番に参加する。集合はJR吾妻(あがつま)線の川原湯温泉
駅。やまさんと敬子さんご夫妻は高崎駅で乗り遅れて集合時刻後に着き、11時30分に
出発した。
午前中から雨の予報だが、まだ降りそうではない、駅のすぐ西側に八ッ場(やんば)ダ
ムで水没する町並みの上部両側の移転地を結ぶ、県道の「湖面1号橋」と呼ぶ新しい橋の、
高い橋脚工事が始まっていた。
すぐ先で国道145号に分かれ、左手斜面を上がる川原湯温泉の温泉街への道に入る。
分岐際に小さい屋根をかけたお地蔵さんが立ち、傍らにその石地蔵を歌った歌碑があった。
川原湯郵便局に相対する丸木屋という店に入ってみると、土産物が並ぶ店の奥に「樋田
さんへ」と書かれた大きな似顔絵がある。男性グループ「嵐」の大野君が、ロケに来たとき
に描いたものだという。
次のカーブ点に嘉納治五郎別荘跡の表示があるが、空き地になっていて痕跡は何もない。
そのあたりまで上がると、紅葉の残る吾妻川北側斜面の展望が開ける。
こちらの周辺の林にも、色鮮やかな紅葉や黄葉の木々が残り、小さい谷間から、温泉の
湯気が立ち上る。
吾八寿司店の横から戻るように斜面を上がると、「聖天様の露天風呂」と呼ぶ小さな露
天風呂があり、地元の男性2人が入っていた。
聖天様は少し上に祭られていて、何を祈るのか変わったお供えが並ぶ。
玄関横に水車の回る、昔ながらの風情の温泉旅館・山木館には宿泊者の名が並び、いま
も来泊者の多いことが知れる。
共同浴場王湯(おうゆ)↑のそばから左に上がると、川原湯温泉新湯の源泉が湧出して
いて、屋根掛けの新しい足湯がある。源泉の温度は70℃台で、ゆで卵は10数分で出来
るという。
若い二人が足湯につかっていたが、ぱらぱら雨が落ちてきたので、そばの屋根下の足湯
の台を借りて昼食にする。若い人と入れ違いに来た別の二人連れは、王湯で買ったという
卵を源泉に浸していた。
食事を終えた頃には雨は上がった。さらに急石段を上がると、そう大きくはないがどっ
しりした構えの川原湯神社がある。社殿背後のモミジがよい彩り。
その先はダム水没地より上部になり、広いエリアで造成が進んでいる。新しい道路のト
ンネルが出来、眼下には、付け替え後のJR川原湯温泉駅の建設も進んでいた。
高度が上がり、吾妻川対岸の斜面の紅葉の紅葉の眺めが良い。トンネル際には、水没地
から移設したらしい新しい薬師堂が、ポツンと立っていた。
新しい道路の傍らに、取り残されたように古いお地蔵さんが立っている。
「自由にどうそおはいり下さい」と書かれた作業場のような古い建物があった。大きな
冷蔵庫など置いてあるが、現在は使っていないらしい。ちょうどその家の持ち主、Tさん
ご夫妻が来た。
聞くとT乳業の2代目で、ご主人のお歳は92歳。20代の多くを太平洋戦争に従軍し、
満州からシベリアに抑留されて3年間の苦役を経て帰還されたとか。現在は上の大きな建
物で、お孫さんが乳業を継いでおられるという。
その建物の下に、ヨーグルトや牛乳販売の看板があった。建物に上がり呼び出しボタン
を押すと、お孫さんが出てきた。直販のブルーベリー入りヨーグルトを求め、皆でおいし
く味わう。
広い渓谷になっている桜沢も、造成工事が進む。谷をまたぐ新しい橋を渡って下り、少
し迂回して工事中の新駅のそばを進んで、上湯原集落に向かって下って行く。
集落のほとんどは移転し、眼下に1戸だけ平屋の民家が残っていた。
地元の人だけの共同浴場、不動ノ湯↓の前を過ぎ、数本の柿の実る横を通過して栄橋に
出た。
上流に、完成した高い橋脚の橋が横切り、その向こうに独特の山容の丸岩(1130m)
が望まれる。
周辺の山並みや、下流の渓谷も紅葉、紅葉の彩りを残す。下流山腹には、八ッ場ダムの
完成後は水没する温泉街の一角が見える。
国道145号に出て下流に向かう。北岸高みに付け替えた新国道が開通し、こちら旧国
道の交通量は少なくなっていた。
流れの左岸に、柱状節理の岩が龍の寝ている姿のように突き出た、「臥龍岩(がりゆう
いわ)」と呼ぶ大岩が見える。
230万年の昔に出来たものとかで、国の天然記念物に指定されている。
すぐ先の国道の北側壁面には、安山岩の溶岩が流入して出来たという、「昇龍岩」と呼
ぶやはり国指定天然記念物があるが、崩落防止の金網がかけられ、説明板が無ければそれ
とは分かりにくい。
国道の短いトンネルを抜け、線路が迫ったところで線路を横断し、北側の川原畑集落に
入る。7年前に来たときには点在する住宅の間を上がったのだが、いまは移転してしまっ
たのか住宅は無く、跡地らしいのが点々と残っていた。
大イチョウの落ち葉が道いっぱいに埋め尽くされたところを曲がり、三平集落跡まで進
み、上部の付け替え集落からの車道に入る。
対岸の駅近くから伸びる予定の、湖面1号橋の新しい橋脚のひとつがそばに立っている。
対岸には、移設した新しい住宅が等高線上に並んでいるのが望まれる。
右カーブ点まで下ると、下流に現国道の橋が見え、橋を挟んで関東有数の名峡として知
られる吾妻渓谷の、散り残る紅葉の彩りが眺められる。
ダムが出来ると、この紅葉も見ることは出来ないのだ。
駅周辺の家並みや、周辺の紅葉などを見ながら国道まで下る。道路際には、ダム建設に
伴う新しい川原畑地区のまちづくりの、大きな計画図が立っていた。
国道を横断して吾妻渓谷を見下ろす千歳橋を渡り、付近のモミジの彩りも楽しみ、14
時45分に川原湯温泉駅に戻った。
(参加 10人、天気 曇一時雨、距離 6㎞、地図(1/2.5万) 長野原、歩行地
群馬県長野原町、歩数 10,700)
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