魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

情宣戦争

2024年01月15日 | 日記・エッセイ・コラム

台湾総統選で、民進党がどうにか勝利した。中国の工作が機能したのだろう。香港のインパクトも薄らいだのかも知れない。
中国は、台湾を中国の一部だと固く信じている。全ての混乱はこの認識にある。
だが、単純に歴史を見れば、台湾は中国ではない。もし台湾が古来の中国領だというなら、同じ理屈で日本も中国領になりかねない。中国は倭の五王をもって日本は古来の中国の朝貢国だと信じている。

こうした理屈は常に侵略の口実になってきた。クリミアやレコンキスタどころか、イスラエル建国は、卑弥呼よりはるかに昔の紀元前の伝承を元にパレスチナを侵略し、それを国際社会が承認した。
中国の台湾侵略が正当化されるなら、国際社会はイスラエル承認の過ちを再び犯すことになる。
もっとも、歴史に道理などない。常に何らかの力が雪崩のように世界の姿を形作っていく。異を唱えるだけ空しいことなのかも知れない。

しかし、だからこそ、力には力で立ち向かうしかないのだ。と言っても、武力のことではない。今、台湾問題の前にあるのは空母やミサイルより、認識の圧力、論理の圧力、「大義」の問題だ。中国の言う内政が、論理として成り立たないことを世界中が認識してこそ、中国の暴発を押さえる抑止力になる。
いきなり、違法判決の形を示すと、「紙くずだ!」と意地になって暴力を振るう中国だが、台湾の歴史を研究する国際機関を設け、徐々に、台湾が中国の一部とは言えない事を世界共通認識に高めれば、反発目標のない中国は動けなくなる。
国際機関では中国のターゲットになるから、ネット上の工作の方が効果的だが、これもまた、中国との情宣戦争になるだろう。
40年前に、これからの戦争はコンピューターそのものになると思ったが、こういうことだったかとインターネットの出現でようやく解った。