魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

ホタテ祭

2023年08月30日 | 日記・エッセイ・コラム

中国が日本産水産物全面輸入禁止にしたからだろうか、NHKで、殻付きホタテの食べ方を紹介していた。殻のむき方の解説など今まで見たことがない。
ホタテ貝は殻のまま中国に輸出して、中国で殻むきをし、さらに海外に売られてきたそうだ。中国料理に多用される乾しホタテは、江戸時代からほとんど日本産だと聞いて驚いたことがある。

今回、中国がホタテを輸入しなければ何が困るかと言えば、日本には大がかりな殻むき設備が無いことだそうだ。北海道では殻の有効利用のため道に敷いたと聞いたことがあるが、その程度ではまだ足りないらしい。
だから、NHKが急遽、殻付きホタテの食べ方を講習したのだろう。ホタテが来なくなって一番困るのは中国だろうが、ホタテ業者ももちろん困る。
トリチュウムを生で中出ししてしまった以上、今更、中国にどうこう言っても始まらない。
こうなったら、日本全国海鮮祭りで国内消費しよう。若者の魚離れで消費量が減っていると言うが、調理、流通の無策もあるのではないか。回転寿司では皿を積み上げている。

肉食世代にも、イクラやサーモンは好まれる、イクラ、サーモン、ホタテは北海三兄弟だ。殻付きホタテもバーベキューでは人気らしい。かきフライはどこのスーパーにもあるが、ホタテフライはあまり見かけない。面白いことに、近頃ではすり身のカニの次は「ほぼホタテ」などと称して偽ホタテが売られ、スーパーはそれをフライにして売っている。
そう言ってはなんだが、かきフライとホタテフライが同じ値段ならホタテを買う。ホタテの方が美味いと思うのだが、かにのクリームコロッケとメンチカツはどちらが美味いかと同じで、好みの問題であることは抗えない。

ホタテフライをスーパーで見かけないのは、国内流通が少なかったからかも知れない。もしそうなら、こんな美味しいチャンスは無い。
先ず、全国スーパーでホタテフライを売り出すのは言うまでもないが、ビアガーデンや居酒屋で殻付きホタテパーティーメニューや、ホタテBBセットなどの販売。家庭用にも処理済み殻ホタテバター焼きなども良いかもしれない。
これで出る殻を使ったインテリアは言うに及ばず、殻で作る各種の料理なども色々あるし、それぞれアイデアコンテストもやったらいい。先ずは、SNSでホタテレシピ比べだ。
殻で作る料理と言えば、ズワイガニの甲羅で作るカニ味噌は絶品だが、青森でもホタテの殻で作るホタテ貝焼き味噌というのがあるらしい。いずれも殻から味が染み出て、鍋で作るのとは何故か味が違う。

ホタテに限らず、これを契機に国内の魚消費を盛り立て、日本で日本人が日本酒やビールで美味そうに海鮮を食べる様子をネットに上げよう。魚に合うのは日本酒だ。そして一切の海鮮を国内消費に回し、頼まれても輸出できませんとお断りしよう。
テレビで、毎日「肉が、肉を、肉で」と盛り上げるのは止めて欲しい。肉を買わされるようになってから、若者の舌が変わり魚や米や日本酒が消費されなくなった。食糧自給率が上がらない一因でもある。政府の食糧自給率向上は、百年河清を待つても始まらない。国民自ら変わるしかない。