「みな同じ」で、30年前の山羊座現象の例にあげた吉田栄作が、老け役で出演し、好評だったそうだ。
土星が来ると「失敗」すると書いたが、初めから「失敗」を売り物にすれば、むしろ成功する。通常、老いはネガティブであり、「肉体の失敗」と言える。しかし、物事には表裏がある。嫌われる老いにも次元の違う魅力がある。
老いの魅力とは、精神の世界であり、時間と経験によって得た、判断、推量、寛容などの、「知恵」から発する、いぶし銀の輝きだ。
かねがね、惑星の影響を薬物に例えているのだが、最も強く表れるのは自分の星座に来た時か、180゜の対角線上に来た時だ。
例えば、天王星が自分の星座に来れば、興奮剤を飲んだように、集中力が増し、エキセントリックになる。
海王星が来れば、酒を飲んだように、非現実的な景色が見え、感性が拡張するが、外から見れば酔っ払いになる。ちなみに、酔っ払いが嫌われるとは限らない。魅力的になることもあるが、酔いが醒めればウソになる。
土星は冷たく苦い薬だ。瞬間冷却剤を掛けられたように硬直し、若さや愛らしさが消え、悲観的で現実的になる。アイドルには毒薬だが、老人や嫌われ者には活力剤になる。
同じ老人でも、好かれたいと思えば毒になり、老人の価値を追求するには助けになる。
セクハラ問題は、木星サソリ座の、陰湿な性からの解放を求めることから始まったが、一方で、その対象となる「オヤジ」は土星の老人であり父親も意味する。土星が最強の山羊座にいる時は、オヤジが好かれようと色気を出せば嫌われ、仕事に徹していれば尊敬される時でもある。
土星も山羊座も、天邪鬼のような難儀な存在を意味する。北朝鮮はサソリ座だが、金正恩は山羊座と言われている。金正恩が人気取りではなく、冷徹な政治駆け引きをしているのなら、大成功を収める可能性がある。
しかしその前に、金正恩が何を求め、何を大成功とするのかが問題だ。