m's diary

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静観荘見学

2022-07-20 | 建築巡り・街歩き【その他】
アップしそびれてた静観荘。
(SNS了承済)
営業を終えられた静観荘さんへ、解体前、見学させて頂ける機会に恵まれた。
こちらへは9年前に建築講座で訪れたことがあり、一度宿泊したいと思いつつ、すっかり機会を逃してしまっていた。
その当時は外国人にも人気のリーズナブルな旅館だとお伺いしていたが、
ここ数年はさすがにコロナのおかげで外国人観光客も途絶えてしまい、
旅館も営業終了されたとのこと。
今は無き建物、この日は最後の機会だと思って、じっくり写真を撮らせて頂くことができた。



唐破風が立派な玄関入口。


見上げると、傘のように広がるドーム状の天井


玄関ポーチには敷石周りには変形玉石タイルが敷かれてる。


三角四角ぽいモノトーンの玉石タイルがびっしり。


玄関前のスペースにはシンプルなクリンカータイルが敷き詰められていた。


勝手口。


玄関ホール。



玄関ホールを入ると目を惹くのが玄関の脇の部屋との間に設けられたガラス窓のエッチング装飾。
鹿や五重塔など奈良の風景が描かれているようだ。



新館の廊下。


大広間。


窓ガラス上に入れられた欄間には家紋の透かし彫りが入っている。
我が家の家紋と同じ「丸に剣片喰」」



その上は矢羽模様の天井


廊下には、竹の細工が施された丸窓や


水の流れのような模様も。


旧館へ掛かる朱塗りの欄干の渡り廊下。


こちらは大正時代に建てられた棟で、客室が残されている。




二間続きの客間には


松がモチーフの透かし彫りの入った欄間や



松葉がモチーフになったもの。


床框には螺鈿の細工が施された家紋をデザインしたものが入っている。






書院の組子細工。




この棟の2階にはこんなモザイクタイル貼りの手洗い場も残されていた。


この先は、橋が架かっていて、洋室らしき部屋の扉は閉ざされていたが、
後ほどもう一方の入口から入って見せて頂けた。


旅館の中でも唯一の洋室で、最も豪華なお部屋だったようで、
部屋の天井は折上げ格天井になっていた。
当時も使用されていたお部屋だったので、写真は天井だけ。


中庭を取り囲むように建物が建っていて、向かいの棟に橋がかかっている。




中庭には元々池があり、水が満たされていたそうだが、その名残の鯉の噴水が残されていた。


こちらの廊下に面しては、お風呂やお手洗いなど水回りの施設がまとめられている。


廊下の土壁に開けられた菱形の窓。


手洗い場には松葉のマジョリカタイルと縁には黒いモザイクタイルが貼られてた。


ピンクのタイルがワンポイントに。


そしてお風呂場はモザイクタイルでいっぱい!


特に床のタイルが美しい~
ブルー系の玉石タイルにむらさきが入り混じる。


壁面のタイルとのコーディネイトも素敵。
薄いミントグリーンにかすれたような模様が入る。




ツギハギ細工にも萌える〜


湯、水の蛇口と表示プレート。


お手洗い床のモザイクタイル。










なんとトイレの天井は傘天井に。


扉に使われていた型板ガラス。










浴室やお手洗いなどが並ぶお庭に面した渡り廊下。


そして新館の2階へ。


階段ホールに吊るされたレトロな照明。



客室が並ぶ廊下。
それぞれの部屋には部屋の名前にちなんで、飾り窓がくり抜かれていた。


廊下の照明。


千鳥の形の窓




ひょうたん











2階から中庭を望む。


2階からのもう一つの階段。



先日、奈良へ訪れた時には、もうすっかり解体されて更地になっていた。



コメント
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