m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

ヴォーリズ六甲山荘

2022-07-02 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

この日は娘に付き合って、家族で六甲高山植物園へ行った後、
14年ぶりにヴォーリズ六甲山荘へ訪れた。
植物園からは山の中を分け入り、ショートカットして到着。


門を入ると、木立に囲まれたアプローチも素敵。


ヴォーリズ六甲山荘は、関西大学教授であり、大丸百貨店監査役や神戸ゴルフクラブ理事なども務めた小寺敬一氏の夏の別荘として、ヴォーリズ設計により、昭和9年に建てられた。


玄関周りはシンプルだけど、玄関ポーチには舟底天井の庇がついていて、


ふくろうを切り取った照明や、


コンパクトなベンチも備え付けられている。


平屋建ての建物は夏の別荘ということで、玄関は南向き、
リビングは北向きになっていて、庭に面して


ガラス窓が二面に入れられている。


明るい光が取り込まれ、涼しいリビング。


リビング中央には藤のチェアセットが置かれていて、



ご夫婦の椅子だったといわれるものは、とても凝ったデザイン。
今も現役で、見学者も自由に座ることができるのがうれしい。



松材を利用した梁は手斧仕上げが見られ、


壁面には節のある檜を使って山小屋風の趣を出している。


御影石の暖炉は冬になると今でも火が入るそうで、
暖炉脇には造り付けのベンチのあるイングルヌックが、居心地がいい。


暖炉前に敷かれたタイルは布目の泰山タイル。
大小の正方形、長方形が不規則に組み合わせられている。


暖炉前コーナーの天井も和の趣の舟底天井。



竹を使った和風のスタンド照明も素敵。


こちらは主寝室。



照明飾りに直に電球がついてる天井の照明が簡素ながら可愛い。





マジョリカタイルのコースターやトランプなど、夏の別荘として、こちらで使われていたという備品がガラスケースに展示されてた。


主寝室の隣は子供部屋が二つ続いて並んでいて、その部屋と部屋との間には洗面所とトイレがある。
薄いブルーのタイルがさわやかで、夏に涼し気。


トイレの中もブルーのタイル。



コーナー部分や、床面と接する部分もアールの役物タイルが使われていて
美しい。


ブルーのタイルも微妙に濃淡があっていい感じ。


そして子供部屋。


子供が4人いたので、奥の部屋も子供部屋になっていて、
2人ずつで部屋を使っていたそう。
子供部屋と子供部屋の間にも洗面所が設けられていた。
タイルはブルーグレー。


それぞれ照明も違っていて可愛い。


造り付けのクローゼットの中には、引き出しなどがついていて使いやすそう。


うさぎの彫り物のある小さな木の椅子。


窓は雨水を外へ排出できるように外側へ向かって、段差がついているなど工夫が見られる。





廊下を挟んで、お客様用のベッドルームも。


こちらの天井照明も主寝室と同じタイプだけど、
また違ったデザインがされている。
コンパクトだけど、おしゃれだなあ。


ベッドサイドに置かれた魚が描かれた陶器のランプシェードも素敵だった。


そしてお風呂は、なんと五右衛門風呂。


天井の湯気抜き。


照明はお風呂と脱衣所の間にあって、両側を照らす合理的な仕様に。


洗面所の手洗い周りは、水がかかりそうなところだけタイルの部分貼り。
あちこちにヴォーリズらしい合理的な工夫が見られるのが興味深い。


物入れ兼鏡。


廊下にあったのは、各部屋から繋がっている呼び鈴の表示板。
呼ばれた部屋の番号が表示される仕組みになっている。
4番は食堂。


台所には、こんなかまどが残されている。


ヴォーリズらしいクリスタルのドアノブも。


そしてこちらは女中部屋。
これは造り付けの物入れ?かと思いきや、


扉を開けると出てきたのはアイロン台。
このように女中部屋にも使いやすい工夫が凝らされている。


食堂の配膳用の小窓。



食堂は、リビングの隣で、扉で仕切りることができるようになっている。
なんと、ランチがこちらの食堂で頂ける。







ランチはカレーのみだけど、ここで食べれるのはレアなので、前日カレーだったけど、家族を説得?しここでランチすることに。
ドリンクやケーキセットなどのカフェ利用もできるみたい。


庭に面した北側の戸袋はこちらに収納されて、戸袋のケースも90度回転して、見た目すっきりと収まるようになっている。
建物のあちらこちらにヴォーリズの工夫が詰まった建物で、
ボランティアガイドさんにゆっくり案内して頂けた。

近くで旧室谷邸の門廊部分が室谷邸記念館として2021年から公開されているようだったのだけど、家族に急かされたこともあって、なんとここまで来てたのに見逃してしまったのが無念;





コメント
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