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m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

新潟の旅2017【機那サフラン酒本舗その一】

2017-05-15 | 新潟の旅2017

 

燕市から長岡へやって来た。

長岡では大物建築2軒がひかえてる。

今井家住宅で長居してしまったせいで、3時閉館の2軒の見学がぎりぎりになって来た。

お昼ご飯は返上してまずは「機那サフラン酒本舗」へ。

この蔵屋敷はサフラン酒という薬酒の製造販売で財をなした初代吉澤仁太郎が2300坪の敷地に建てたもので、

主屋と二つの蔵、離れ座敷、庭園からなる。

 

 

やって来て、まず驚いたのはこの蔵のハデハデしさ。

サイトの写真では見ていたけど、こんなに装飾的な蔵は初めて見た。

蔵は大正15年に建てられたもの。

 

 

蔵の扉という扉の内側にはカラフルな鏝絵が描かれているのだ。

 

 

 

北面にもびっしり描かれている。

扉だけでなく軒などにも描かれていて圧巻・・

黒いなまこ塀にカラフルな色彩が映えるなあ。

鏝絵を描いたのはこの近所に住む左官の河上伊吉という人だそうで、

ガイドさんがいうには、ここの鏝絵が最初で最後の作品なのだそう。

この蔵を彩ることに生涯をささげ?て完全燃焼し尽くしたんだろか~

 

 

 

 

 

 

軒にもびっしりと描かれてる。

 

 

 

主屋入口の看板。

正面入り口部分は明治20年代に建てられたものだそう。

後ほどこの背後の大屋根部分は大正2年増築。

 

 

主屋入口へ入ると、隣の鏝絵蔵の入口があり、その扉にもびっしりと、恵比寿や大黒天、鶴亀など

縁起のいいモチーフが所狭しと描かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこちらがサフラン酒。

現在も細々とお店で製造されてるそうで、販売していた。

試飲してみると、養命酒にもう少しクセをプラスした、いかにも体に効きそうな味ではあった。

 

 

そして主屋の左手側へ行くと、そこには衣装蔵があり、こちらもまた鏝絵がほどこされている。

こちらは大正5年の建築。

 

 

下半分がトタンに覆われていたので、トタンで修復でもしたんだろうか・・

と思ったら、ガイドさんの話によると、こちらは建築当初からこのトタンの波板が使われていて

当時は最先端の輸入品だったそう。

 

 

床下の通気口の石の扉にはサフラン酒の瓶があしらわれていて、

この瓶を取っ手として開閉できるようになってた。

瓶の形が可愛い!

 

 

当時は高級品だったんだなあ、トタン

 

 

衣装蔵の横には吉澤仁太郎自らが作庭したという庭園が広がっている。

鬼押出しから運んできたといわれる溶岩も。

 

 

 

 

佐渡の黄玉石や赤玉石など貴重な石がごろごろ転がってた。

この後は離れ座敷へ。

 

 

 

 

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新潟の旅2017【燕の建築】

2017-05-14 | 新潟の旅2017

新潟の旅、とりあえずクライマックスが終わったので、1日目の振り出しに戻る。

ぷにょさんと合流して、この日の宿泊地、松之山温泉へ行く道中にやって来たのは燕市。

長善館という建物へ。

長善館は天保4年に鈴木文臺によって粟生津村に創設された私塾で、

明治45年の閉鎖まで約80年間、北越を中心に千人以上を教育。

越後の松下村塾と言われたのだとか。

 

 

和風建築に洋館がついた建物。

隣の史料館で中を見せてください、とお願いしたら案内して頂けた。

 

 

 

 

 

大広間

現在は公民館的な建物として使用されている。

 

 

床の間

 

 

洋館内部。

二つのアーチ窓と張り出した部分にも窓が三つあって明るく、応接室として使われていたようだけど

現在は物置と化してた。

 

 

その後にやって来た今井家住宅と香林堂、そして旧今井銀行。

 

 

赤煉瓦造りの香林堂は明治期に建てられたもので、中には来客の接待や商談に使われたという洋風の応接室があるそう。

塔がついた外観もインパクトがあって、この町のシンボル的な存在となっているようだ。

ネットの写真を見ると、応接室には赤い椿を模したような天井装飾があるようで、

見たかったけど非公開のよう。

 

 

旧今井銀行は大正9年に建てられ、昭和7年まで営業した銀行の店舗として使用された後、

昭和26年以降製薬会社の工場として使用されていたそう。

赤煉瓦の香林堂といい、この銀行といい魅力的な建物だなあ。

 

 

 

 

入口のアーチ上部に顔が貼り付いてた。

大黒?布袋さん?!

ちょっと不気味

 

 

銀行らしい厳重な鉄格子

 

 

華麗な換気グリル。

換気グリルや建物の外壁にも〒マークのようなものがついてたので何か?と思ってたら

ぷにょさんが今井家の「今」だ、と。

なるほど~〒マークじゃなかったんだ。

 

 

主屋は江戸後期の建物で、建物の前には雪国で見られる雪除けの屋根である、雁木が通されている。

 

 

 

今井家の玄関に香林堂入口、と看板があったので、香林堂へここから入れるのか?!

と思わずベルを鳴らしてしまった。

中からお家の方が出て来られたので伺ってみると

やはりお屋敷は住まわれているので、特別な公開日以外は非公開とのこと。

しかし、中まで招き入れて頂き、今井家の歴史をいろいろとお話を聞かせて頂くことができた。

金融業や材木商、醸造業など様々な事業を展開し、病院も設立、

大地主であったつてを生かして置き薬事業を広く展開されたお話などなど

興味深いお話を伺え、ついつい長居してしまった・・

 

 

旧今井銀行の横にも広がる敷地。

 

 

今井家の向かいにあった和菓子屋さんへ立ち寄って、美味しそうないちご大福を買った。

あんこではなく生クリームとスポンジ入りというハイカラ?ないちご大福。

これが凄ウマだった。

お話するうちにその和菓子屋さんも今井家の親戚筋だそうで、あの煉瓦造りの洋館に入ったこともあると伺った。

裏手に回ると今井家の蔵が並んでるのも見えるというので回ってみた。

今井家ではなんとお嫁さんが来る度に新しい蔵を一つ建てたそうで、敷地内は蔵が何個もあるそう。

 

  

 

その後燕市で最後に訪れた湧井医院。

 

 

ここから長岡へ向かった。

 

 

 

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新潟の旅2017【北方文化博物館&お宝発見の第二章】

2017-05-12 | 新潟の旅2017

2日目最後の目的地、豪農の館、北方文化博物館へ最終入場時間の4時半前には着き、なんとか滑り込みセーフ?!

しかし閉館時間まで1時間を切ってる。さっさと見て回らないと~

前日にも数軒、豪農、豪商の館を回ったのだけど、新潟の豪農の館はなんかスケールが半端ない・・

建物、庭ともに圧倒される。

こちらの北方文化博物館は明治15年から8年がかりで建てられた、越後随一の大地主、伊藤家の本邸。

敷地は8800坪、建坪1200坪、部屋数65を超えるという純日本式住居。

入場口となってる土蔵門は門の左右に蔵が備えられていて相当な大きさ。

 

 

 こちらは主屋棟。

 

 

大玄関へのアプローチ

 

 

総欅造りの格調高い大玄関はまるで大寺院のよう。

お正月や冠婚葬祭、そして皇室の方が来訪された時にのみ開門されるという。

 

 

主屋棟には70坪ある台所、茶の間、囲炉裏端があり、ここでは当時は50人余の従業員が働いていたという。

 

 

一度に16人は座れるという囲炉裏端、隣には毎朝1俵もの米が炊かれていたというかまどがあり、

高い天井には煙出し窓がついている。

 

 

白いタイル貼りの流しはモダンな雰囲気で、機能性と美しさも備えている。

当時は最先端だったのだろうか~

 

 

流しの隣にはこんな深めのシンクもあって使い勝手もよさそう。

 

 

館内展示室には歴代当主のコレクションをはじめ、旧地主時代の文献や出土品などの考古資料も展示されていて

建物共に伊藤家の遺構を保存し、将来に残すという構想のもと造られた博物館なのだ。

 

大広間棟二階の展示室

 

 

 

 

枯山水の庭を挟んで大広間棟が建つ

 

 

大広間に入ると、ちょうどボランティアガイドさんの解説が行われていた。

急いでいたが、ちょっと耳を傾けているうちにその話に引き込まれ、聞き入ってしまった。

 

 

庭園は7代目の依頼により、銀閣寺ゆかりの名庭師、田中泰阿弥が昭和28年から5年の歳月をかけて完成させたもので、
 
完成を見ずして亡くなった7代目の信頼に応えて全身全霊をかけて造り上げられたものだそう。
 
 

 

庭園を造るにあたっては貧窮した農民に仕事を与えるため、庭園の石ひとつひとつを手作業で運ばせるなど

公共救農事業的な役割も担っていたという。

 

 

庭園には5つの茶室が点在していて、お茶室へ行く途中に湯殿に立ち寄り・・

という話がガイドさんの口から出た。

湯殿があったんだ~、そこは見れるんだろうか??

解説は1時間ほどあったそうだが、私たちは最後の十数分ほどしか聞けなかったので

解説が終わった後、ガイドさんへ質問などをしに行った。

湯殿の話が気になり、そこは見れるのか?と問うてみたら、残念ながら非公開とのこと。

しかし湯殿といえばタイルなので、タイルは貼られているのか?など聞いているうちに

前日の大棟山でのお宝発見の話になり、私たちのタイル&建築への熱い思い?!が伝わったのか?

ちょっと案内しましょう。という話になった。

閉館まで時間もあまりなくさっき入ったばかりの私たちだったので、この屋敷のみどころをかいつまんで案内してくれるんだろうか~と

慌てて後をついて行った。

 

 

がしかし、ガイドさんはおもむろに立ち入り禁止の扉を開け、中へ招きいれてくれたその先には・・

 

 

タイルだーー!!

な、なんと長い廊下には点々と、タイルが敷かれていたのだ。

うぉーーーっ!

ぷにょさんと私は絶句・・

これは昨日見た瀬戸の本業タイルじゃないか!

 

 

しかも、目の前に昨日見た雪輪タイルと同じ形のタイルがある。!

大棟山で見た雪輪タイルのことを話したら、その村山家とこの伊藤家は親戚筋にあたるという。

なにーーーっ!

つ、つながってるやん!

あまりのうまい話?に鳥肌がたった。

なんかもう世紀の大発見でもしたかのようにぷにょさんと私は喜び合った。

ガイドさんも私たちのあまりの反応のよさに喜んでくれたようだった。

 

 

ガイドさんは閉館間際で忙しいのでちょっとこの場を離れる間、私たちはこのタイル廊下で5分ほど自由時間をもらい

タイルの写真を撮りまくり、、

 

 

渡り廊下は途中で折れ曲がり、更にタイルは点々と続き、

 

 

行き止まりに青磁の男子用便器とスリッパが置かれ、その隣に同じく青磁の大便器が設置されていた。

すごい!すごすぎる~~

 

 

雪輪タイルはどれも手書きで描かれた繊細な動植物文様が描かれ、茶色い吹き墨がワンポイントに

掛けられている。

 

 

 

扇形のタイルはここで初めてみたけど、手書きで風流な草花、鳥の図柄や

 

 

 

ねずみが一輪車漕いでる柄などほのぼのした絵付けもあり

 

 

それぞれに味わい深い。

同じ扇型でも並べ方のバリエーションも違ってておもしろい。

 

 

これはプリントなのか?細かい模様のタイルも。 

 

 

便所の隣には座敷があると思ったら、これは脱衣所のようで、

 

 

脱衣所と風呂場の境の扉も雪輪マーク。

今まであまり見たことはなかったけど雪輪タイルもそうだけど、雪深い新潟では、雪輪文様はポピュラーな意匠なのかな。

 

 

風呂場の天井は網代でとても凝っている。

 

 

小さな床の間のようなスペースまでも。

格式高そうなお風呂だった。

ここでガイドさんが戻ってきて、お風呂場から撤退・・

夢のようなタイルパラダイスなひとときを与えてくださったガイドさん、ありがとうございました!

タイルの写真もブログ掲載OKとのことで、北方文化博物館をどんどん紹介して欲しいとのことだった。

 

 

そして、お客さんがいなくなった大広間をささっと撮らせてもらった。

約100畳ある巨大な書院造の大広間は庭園に面していて、冠婚葬祭などの特別な行事に年に数回使われたそう。

 

  

座敷の中から庭園を眺めると、最小限に抑えられた柱のおかげで庭園との一体感が感じられ、

切り取られた額縁の絵のように庭園の景色が目に飛び込んでくる。

 

 

 

 

 

 

この道〇十年の方が、目の前で26枚雨戸が入っているという分厚い戸袋から雨戸(ガラス戸)を次々に出して、

窓を閉めていく様子も見ることできた。

昔はこれは子供がする仕事やったんや~と意外にもバンバンと勢いよく扉を飛ばしてたので、この明治のガラスは大丈夫なんかな?

と心配になってしまった。

 

  

後、私たちが気になってた正三角形の建物、山楽亭へも案内して頂けるとのことで少し館内を見ながら待った。

大広間棟の二階からはちょうど中庭の藤の花が眼下に見える。

 

 

三楽亭へ行く途中、藤の花を走りながら激写

 

 

この後、藤のライトアップの入場が始まるという。

 

 

急いで三楽亭へ。

三楽亭は、本邸完成後、2年間かけ明治24に竣工したそう。

当初は六代当主の書斎として建てられたが、現在茶室としても使用されているという。

正三角形の建物なんて初めて見たけれど

 

 

室内を外から見て更に驚いた。

敷かれてる畳は三角形の建物に合わせてなんと平行四辺形になってる。

引き出しなども平行四辺形になってるそうで、苦心の末建てられたもののようだ。

 

 

 大きな丸窓なども見え、興味の尽きない建物だった。

そろそろライトアップ入場の始まる時間になったので、

お忙しい中案内してくださったガイドさんにお礼を言って北方博物館を後にした。

うーん、それにしてもすごいお宝をを見ることができた・・ 

 今回もギリギリに到着したにもかかわらず、ガイドさんの解説の残り数分の話が聞け、その中に湯殿の話が偶然出てきたこと。

その後、ガイドさんに直接話が聞けたことなどから短時間のうちに流れるようにタイルに導かれた私たち・・

大棟山に続いてまたしても・・我々に降り注ぐ大いなる宇宙の力(だんだん話が大きくなってる?!)を感じた私たちだった。

 

平行記事企画?!ぷにょさんの「まちかど逍遥」GW新潟 湯殿のタイル回廊はこちら→☆

 

 

 

 

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新潟の旅2017【美人林&十日町と新津の建築】

2017-05-11 | 新潟の旅2017

大棟山美術博物館を出た私たちは、お宝タイルを発見した興奮も冷めやらず、

次の目的地へやって来た。

せっかく十日町まで来たので、新潟県が誇る隠れ絶景スポット、「美人林」へも行っておかないと~

 

 

樹齢90年ほどのブナの木々が真っすぐ天に向かって伸びていて、

その立ち姿の美しさから「美人林」と呼ばれているのだとか。

 

 

うぉーー、マイナスイオン全開~新緑が美し過ぎるーー

 

 

光に透ける葉がまぶしい~

 

 

しかし、タイルでエキサイトしすぎてはるかに予定時間をオーバーしてたので、ここは入口付近で写真を撮って、

滞在時間約5分で切り上げ・・

 

 

でもいちおう市場はチェック。

前夜に食べたようないろんな山菜が山盛り袋詰めされてて、かなり惹かれたけれど

まだ明日もあるので保存は無理だろうと諦めた;

 

 

美人林のすぐそばには森の学校、「キョロロ」という施設がある。

建物に興味があったのでちょっと寄ってもらった。

 

 

森の学校、キョロロは手塚貴晴+手塚由比夫妻により設計され、

耐候性鋼板(コールテン鋼)という素材でできた長さ160mの建物で、蛇のようにカーブを描いてる。

建物には重さ2000tものコールテン鋼が使用されているという。

 

 

表面の赤茶けた色は錆びの色で、この錆が保護膜となり、内部まで腐食が進まないのだそう。

以前、兵庫県で見た兵庫環境自然館で使われてた素材と同じだなあ。

外部に塗料を使用しないでいいのでメンテナンスがいらないというエコ素材。

 

 

でもこの錆び色が周りの緑との相性もよさそうで自然に溶け込んでるなあ。

塔の高さは30mあって、あえて階段しかついてないのだとか。

展望台からの眺めも圧巻だそう。

 

 

急いでいたのでここもとりあえず外観だけ、

 

 

経年変化による錆び色の変化も楽しみな建物。

 

 

こちらは前日に温泉へ行く前に見た十日町の旧藤巻医院。

昭和9年建築で、今はもう使われていないようだった。

 

 

 

 

 

玄関ポーチのタイル

 

 

敷地内には藤の木があって、隣の松の木に執拗に?巻き付いていた。

ぷにょさんいわく、”藤巻”医院だからなのか?偶然なのか?

 

 

新津へ向けて車で移動中、あちこちで美しい田園風景が目に飛び込んできた。

棚田もあったし、延々と続く広大な田んぼも・・シャッターチャンスは逃してしまったが;

田園風景を眺めているとさすがに米どころ新潟なんだなと実感。

 

 

途中、道の駅渋滞?にも巻き込まれ、だいぶ車を走らせて(ぷにょさんが)

かなり遅くなったお昼を食べ終え、やって来た新津では明治44年に建てられた今井眼科医院へ。

ここは現役の医院のようだ。

 

 

 

 

ぐるりと周ってみると6角形に張り出したコーナーが、

ちらりと中を覗いてみると事務所のような感じだった。

 

 

桜の花形の換気口

 

 

そしてもう1軒、昭和5年に新潟銀行新津支店として建てられた建物。

現在は東洋館ホールとして無料休憩所となっている。 

この日は閉まっていたけど。

この後はこの日最後の目的地北方文化博物館へ向かった。

 

 

 

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新潟の旅2017【大棟山美術博物館&お宝発見?!】

2017-05-09 | 新潟の旅2017

2日目の朝、凌雲閣の他の客室をじっくり見せてもらって大満足の私たちだったが

ふと気づくと出発予定時刻がずいぶん押してしまってた。

慌ててやってきた大棟山美術博物館。

こちらは豪農の館として700年に近い歴史をもつ、元造り酒屋であり庄屋であった村山家の旧宅。

前当主の叔父に当る坂口安吾の遺品や、豪農の暮らしを伝える生活調度品 、書画、陶芸品などが展示されているという。

 

まるでお寺の入口かと思うような立派な門が建物の前方に建つ。

 

入館料500円。

時間があればゆっくり中も見たいけど、かなり時間が押してるし、、

しかし色ガラスが入った窓とかも見たいしなあ~どうしようか~とぷにょさんと思案・・

結局、とりあえず入ってささっと見て回ろうということに。

 

 

玄関前の立て看板を安定させるために、雑にコンクリート片の下敷きになってたタイルを目ざとくぷにょさんが見つけた。

ひょっとしてこんなタイルが他にも中にあるんだろうか・・?!

 

 

館内にはやきもの類の展示も充実してたけど、時間がないので流すしかない・・

 

 

1階座敷

 

2階に上がると廊下には卍模様の欄干が巡らされ

 

  

こんなカラフルな色ガラスが部分的に入れられた窓も

 

 

 

 

色ガラス越に見る外の風景は又違った趣がある。

 

2階展示室

 

 

花を描いた扉があり遠くから見ると螺鈿でも貼られているのかな?と思うような立体感が

あったけど、

 

 

よく見ると白い顔料を塗り重ねて厚みを出したもののようだった。

 

 

他にもこんな細やかで写実的な鶴と松の杉戸絵も。

 

 

洋風の部屋もあり、1段高くなった小上がりとの境には優雅なラインを描く垂れ壁がおしゃれ。

 

 

 

 

 

こちらは又違う和室の天井装飾。

「薄氷」というお菓子に似てる・・同じように氷のひび割れがモチーフなのかな?

 

 

最後、下りてきた階段は箱階段になっていた。 

 

 

こんな洋風の衝立も

 

 

全てささっと見たところで、風呂とトイレはなかったよなあと・・

タイルがあるとしたら、お風呂周りか、トイレだろうから、管理人のおばちゃんに、古いトイレやお風呂はもう

残ってないんでしょうか?と尋ねてみた。

もう改装してしまって古いものは残ってないとのこと。残念・・

古いトイレとかには立派なタイルが貼られてたりしますよね~とか話してたら、

おばちゃんが、「じゃあ見せてあげよか?」と、

何?壊されたんじゃないの?トイレがあるの??

 

 

おばちゃんが倉庫の扉を開けると、繊細な図柄が描き込まれた染付の便器が出てきた。

わぁ、便器はちゃんととってあったんだ、この模様の細かさを見るとトイレも相当凝ったものだったんだろうなあ。

 

 

スリッパも大便器もある、と見せてくれてた時に、

背後でギャー―っ!とぷにょさんの悲鳴が上がった。

 

 

な、なんなん?!

驚いて振り返ると、ぷにょさんが、隅の方で山積みになっていたものを指差し、

「タイルやんー!!」と

慌てて駆け寄ると、屋根瓦などと一緒に埃をかぶったタイルが続々と出てきたのだった。

 

 

こ、これは、すごい!!

とりあえず、おばちゃんに許可を得て、タイルを並べさせてもらうことに。

ぷにょさんとバケツリレー方式でタイルを運び、ぞうきんを借りて真っ黒に埃をかぶってたタイルを拭いて

みると、美しいタイルの地肌が次々に現れた!

なんやねん!このお宝は、、

まさに天の神様?!が与えてくれた私たちへのサプライズ・・

 

 

かなり大判の厚みのあるタイルはINAXか瀬戸の資料館かでも見たことのある図柄。

裏にははがしたモルタルの跡が残る。

 

 

こちらは少しサイズも小さくカラフルなもの。

ぷにょさんが珉平焼かなと。

 

 

きゃーきゃー言いながら・・

まだあったのでつなげてみた。

 

 

そしてこちらの染付のタイルも大判。

模様が比較的単純で、見たことがないような柄

 

 

そして一番驚いたのはこの雪輪のタイル。

こんな形のタイルがあるんだ~と・・

雪輪の形も可愛いし、描かれた小鳥と草花の図案も愛らしい~

 

 

そして、この端っこに写ってる小さめタイルは最初に玄関でコンクリ片の下敷きになってるのを

ぷにょさんが見つけたタイルと同じ模様のもの。

これらの大判タイルは厚みのあるものなので床に貼られてたのだろうか、でもびっしり貼られていたと思われるほどの枚数はない。

それに色、形もまちまちだし、このタイルたちはどこにどんな風に貼られていたんだろうか~~

想像が膨らむ・・

思ってもみなかった大量のタイルとの遭遇に、私たちは狂喜乱舞。

ぷにょさんと私のダブル引き寄せパワーでタイルを引き寄せたんだなあ。

神とぷにょさんに感謝!

しかし、驚くべきことは、私たちへのタイルサプライズはまだここだけにとどまらなかったのだ・・

 

  

  

それにしても、お宝タイル?のこの雑な扱い・・

 

「まちかど逍遥」のぷにょさんとの平行記事企画中→GW新潟 大棟山でタイル発見!

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新潟の旅2017【越後松之山温泉・凌雲閣その二】

2017-05-08 | 新潟の旅2017

凌雲閣に泊まった翌朝、朝風呂に入って朝食。

新潟県産コシヒカリが美味しくて食がすすんだ!

そしてチェックアウトまでの間に、他の客室を見せて頂いた。

 

 

三階のお部屋配置図。

お部屋はほぼ満室状態だったので、根気強く?お客さんが帰られるまで待ち、

お掃除中のスタッフの方に声掛けすると快く見せて頂くことができた。

 

 

二階配置図。

 

 

各部屋には廊下に面した次の間に飾りの障子が入れられていて、

全て違った意匠になっている。

 

 

外側、内側とも違うデザインで、それぞれ外側から見ると内側が、

部屋の中から見ると、外側の意匠が光を通して透けて見え、違った趣が楽しめる。

 

 

扇子をモチーフにしたものや、

 

 

これはハート型?

 

 

山の形のものも

 

 

こんな欄干?がつけられてた花頭窓っぽいデザインのものも。

使われてる木材もいろいろで、こちらの欄干を支える持ち送りにはちょっと面白い形の珍木が使われてた。

 

  

そして部屋の扉を開けたところのスリッパを脱ぐスペース。

各部屋、小石の色が違っていたり、切り株が埋められていたり、

壁にあしらわれたデザインが違っていたりと趣向が凝らされてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

次の間、本間、濡れ縁とも欄間、床の間、ふすま、天井、壁の素材、すべて違うデザインが取り入れられ、

それぞれの部屋に入る度、新鮮な驚きがあって楽しい。

 

 

 

 

 

 

こちらの千草の間の次の間の欄間もとても繊細で、

 

 

同じく次の間の天井は、様々な木材が使われ、味わい深い天井に。

 

 

 

 

 

 

 

濡れ縁は本間の和風な感じと違って、どの部屋にもテーブル&ソファセットが置かれてゆったりと広めで洋の雰囲気に。

 

 

 

 

 

この照明もかわいいなあ。 

 

 

2階奥の角部屋、紅陽の間の次の間はこじんまりとしたかわいい部屋で

 

 

天井からはこんなランプが吊り下げられてた。

 

 

 

最後に2階の少し広めの松の間は欄間には松林の透かし彫りが、ふすまにも松の絵

 

 

床の間の脇には付書院がつくなど少し豪華に

 

 

 

 

濡れ縁の壁は松葉色に。

 

どの部屋も当時の宮大工の技、趣向が凝らされたアイディア、遊び心が垣間見られ、

それらを一通り堪能させていただくことができた。

 

 

  

 

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新潟の旅2017【越後松之山温泉・凌雲閣その一】

2017-05-07 | 新潟の旅2017

GWの2泊3日でぷにょさんと新潟へ行ってきた。

松之山温泉の凌雲閣という秘湯にある文化財の宿に宿泊するのをメインに、

新潟各地にある豪農、豪商の館を巡り、近代建築を巡り、

米どころ新潟のどこまでも続く田園風景に心洗われ、

更には本来見ることもできなかったはずの「お宝」をぷにょさんと私のダブル引き寄せパワー?!で

引き寄せることができて、超充実の旅路だった。

鳥取の旅行記の方も途中だけど、とりあえず同時進行?順不同でぼつぼつ投稿予定・・

 

1日目、新潟で前泊してたぷにょさんと、合流し、今回もぷにょさん運転のレンタカーで、燕、長岡の建築を巡りつつ

夕方に凌雲閣に到着!(外観写真は翌朝のもの)

 

 

凌雲閣は昭和13年に建てられた木造3階建ての旅館。

当時の亭主が群馬、渋川から宮大工を呼び寄せ、趣向を凝らして建てられたものだそう。

木造の和風建築だけど、赤茶色の外観がどことなく山小屋風の洋の雰囲気も醸し出していて魅力的!

 

 

 

 

玄関車寄せ天井は格天井になっていて、竹の模様が入った和風の照明、

 

 

あちこちに銘木が使われた玄関ホールも見どころがたくさんで、

重厚感のある木彫りの衝立、

 

 

梅の木?を模した繊細な透かし彫りの欄間や

 

 

帳場の角にはインパクトのある銘木がアクセントに入れられていた。

 

 

 

 

玄関脇のロビーには部屋の真ん中に柱が立ち、その柱が天井を突き破ったかのような?

演出もインパクトがあっておもしろい。

 

 

 

 

ロビーと玄関との間の壁につけられた障子には裏表に違う意匠が入り、

明かりによって裏のシルエットが浮かび上がるかたちに。

 

 

階段室の手すりの子柱には自然木の形がそのまま取り入れられ、ゆるやかな感じ。

 

 

私たちの宿泊した3階廊下の真ん中には松の一枚板が入れられ、

 

 

廊下の床板には木目の節を隠すために使われる、節袴(ふしばかま)といわれる工法で、

ひょうたんなどの模様がはめ込まれていたり、

 

 

廊下に置かれた消火器には赤い消火器が目立たないようにか、こんなかわいい覆いがかぶせられてた。

 

 

そして、今回私たちが泊まったのは鏡の間。

宮大工が一人一室担当し、腕と意匠を競い合ったといわれる各部屋の中でも最も凝った部屋だといわれていて

それを楽しみにこの部屋を指定して予約してた。

 

 

部屋の扉を開けると、小石が敷かれたスペースがあり、

壁に入れられているのは水車の古材だとか。

 

 

三間続きのお部屋の次の間の天井はなんと、傘を広げたような意匠。

 

 

サイトの写真では見ていたけど、面白すぎるアイディア。

 

 

本間から次の間を見たところ

 

 

次の間と本間の欄間も細やか。

 

 

そして本間の天井も今まで見たことのないような装飾が!

木の形状のままスライスした一枚板を並べたものが竹を真っ二つに割ったような竿縁で押さえられている。

 

 

床の間には入口にあった水車の古材がそのカーブを生かし、違い棚に仕立て上げられていた。

 

 

次の間から本間を眺める

 

 

そしてこれまた斬新すぎるデザインで驚いたのはソファセットがしつらえられている濡れ縁の天井には、

なんと将棋や囲碁の盤がそのまま天井に貼り付いてるのだ。

 

 

この部屋を担当した宮大工の遊び心にまたまた驚愕~

お客さんが天井を見て、アッと驚く様子を想像して、デザインしたんだろうなあ。

この部屋に歴代泊まった数々のお客さんを楽しませてきたであろう細部に込められた意匠の数々を見て、

本当に楽しい気分になった。

 

  

 

 

そしてお待ちかねの夕食は山菜、きのこの名人でもある料理長による山菜尽くし。

最初は、肉っ気がないなぁ・・と思っていたのだけど、

この地方で採れた多種多様な山菜が、その素材を生かしたそれぞれの味付けがなされ、

春の山の恵みが感じられる食事は味わい深いものだった。

 

 

普段はあまり飲まない私たちだけど、せっかく新潟に来たので日本酒の利き酒セットを頼んでみた。

2人で1セットを飲み比べた。

少し甘めの「雪中梅」が一番美味しかったかな?!

 

  

食事の後は、少し休んで温泉へ。

松之山温泉は草津、有馬と並ぶ日本三大薬湯の一つで塩分の強い、黄緑色のお湯。

浴場は今は新館にあるのだけど、できた当時の、まだ新館が建てられる前の旧浴室棟の写真が残されてた。

 

 

旧浴室はやはりタイル貼りだ~

 

 

 こんな離れの食事処もあったようで、風情があっていいなあ。

 

凌雲閣の夜をゆったりと楽しみ、翌朝、お客さんがチェックアウト後なら他の部屋も見せて頂けるというので

それを楽しみに就寝。。

 

 

コメント
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