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転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



先週末、娘の学校で来年度の高3からの科目登録に関する説明があった。
娘の高校は、進路希望に合わせて各種選択科目が設定されてはいるのだが、
放ったらかしにされていた自分の高校時代のことを考えると、
この至れり尽くせりの学校の指導が、かえって重荷になる面もあるように感じた。

たとえば、前にも書いたが娘の高校では、文系の生徒は、
高1のときは「日本史」「世界史」併修となっているのだが、
高2以降は「日本史」または「世界史」のいずれかを選択することになっており、
最終的に「地歴二科目」の大学を希望することになった場合には、
そのうち一科目は必ず「地理」にするように、と学校が先に決めている。
この高校の「地理」には補習もついていて、大変きめ細かな授業が組まれている。
大学のほうは「日本史・世界史」で受験することを認めていても、
高校の授業の関係で、事実上、それは出来ないことにされているのだ。
「日本史・世界史の二科目は、量が多く、組み合わせるのは効率が良くないから」
というのが学校側の説明だった。

また、高3からの選択科目に関しては、もし生徒が私大第一志望だと言えば、
最初から、国公立併願はしないようにと指導される。
たとえば私立大学の文学部などを第一志望に決めると、
担任の先生から「それなら授業は私大文系コースですね」と言われ、
そこに入ると数学や理科は最低限の時間数となり、
センター試験に対しては国英社三科目以外、対応しなくなる。
私大入試の三科目に絞って勉強したほうがラクで効率が良い、というわけだ。
うちの娘など、理数科目がいずれも不得意なので、
「早いところ私立か国公立、どちらかに決めないと駄目ですよ」
と、今年の高2の保護者面談で既に言われている。
理数を諦めずに国公立にするなら、私大のチャレンジは無し・滑り止めのみ可、
苦手科目を避けて私大で勝負するなら国公立併願はいけません、というわけだ。

時代が違うと言われればそれまでだが、私自身は高校のとき、
英語と国語だけが点数の取れる科目だったので、本命は私大だったが、
共通一次試験五教科七科目も普通に受けた。
どんな点数でもいいから受験さえしておけば、国公立大学に出願できたからだ。
勿論、私のような受験生の場合は、国公立が第二志望になるわけだから、
一次で足きりにかかりそうな難関国立大はハナから考えていなかったが、
国公立だって偏差値的に言えばピンからキリまであったし(今は無いのか?)、
私大用に準備している科目は一次でも通用するのだから、やりようはあった。

学校からもああしろこうしろとなどとは一切言われなかったし、
どの大学を受けろとか、そこは受けるなとか、その組み合わせは駄目だとか、
何かを命じたり禁じたりするような意見を先生から言われることなど、全くなかった
(生徒全体に対し「できるなら広島大学を受けて貰いたい」という雰囲気は感じたが)。
だいたい、高3になって初めて文系理系に別れるだけのカリキュラムで、
理系でも日本史・世界史・地理・倫理社会・政経の全部をやっていたし、
文系でも物理・化学・生物・地学すべてを全員が履修していたので、
「習っていないからできない」という組み合わせは、生徒側にはなかった。
入試の際の、自分の選択科目は自分で決めたものだった。
私は文系で、日本史と倫社だったが、日本史・世界史で行った友人も、何人もいた。
要は、自分で点数が取れると思う科目を選択すれば良いだけのことだった。
だからお前の学校は、開校以来、東大合格がたった1名しかおらんかったのだ、
と、今時の進学校からは笑われるんだろうけども(^_^;。

今は、もはや違うのだ。全部、高校が決めてくれる。
点がとりやすいとされている社会科の組み合わせ方を、高2のときから学校が指定し、
入りたい大学に入るためだけの、選択科目の取り方を、学校で選んでくれる。
生徒は、何通りの組み合わせが可能で、そのうち自分にどれが合っているか、
などについて、自分で考えたり迷ったりしなくていい。
その反面、その細やかな学校指定から外れることは、許されない。
学校が良いと見なしていない科目の組み合わせは、できないようになっているし、
私大が第一志望だと決めたら、国公立併願をしないように方向付けをされる。

確かに、無駄なことはしない・虻蜂取らずにならない、賢いやり方なのだろうと思う。
有り難い指導だ、恵まれた環境だと感謝しなくてはならないのだろう。
しかし、一般論として失敗の少ない方法を最初から提示して貰えるかわりに、
型にはめられ、それ以上の可能性が広がることも期待できなくなっている。
私が高校生だったときのほうが、自由でストレスが無かったよなあと、
ついつい思ってしまうのだった(^_^;。

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