先日、ネットで、ほかのことを検索していたら、
偶然、ベイ・シティ・ローラーズ(BCR)の記事を見かけ、
あまりの懐かしさから、私はつい、出来心で、
彼らのアルバム『青春に捧げるメロディー』のCDを買ってしまった。
BCRと出会ったのは、記憶が正しければ1976年のことで、
同じクラスだった友達ふたりから教えられて、
私は彼らのレコードを聴くようになったのだった。
短い間だったが私はBCRのレコードを熱心に聴く毎日を送り、
それを出発点として、間なしにQUEENに移って行った、という流れで、
私にとってBCRは「洋楽事始め」的な存在意義のあるバンドだった。
BCRのレコードは実家に今でも何枚か残っていると思うのだが、
私にとって最高の一枚というとやはり、今回買ったアルバムで、
恐らくこれが、彼らの人気絶頂期の録音だろうと思う。
と言っても、Bye Bye Baby(YouTube)とかSaturday Night(YouTube)は
収録されていないので(上記YouTubeの映像はどっちもクチパクですね・爆)、
当時ファンだったという人でなければ、このアルバムは
馴染みのない曲のほうが多いとお感じになるかもしれないが、
『二人だけのデート』(I Only Wanna Be with You(YouTube))だけは、
多分、聴けば大半の方が、何らかの記憶をお持ちだと思う
(残念だけど、この映像もやっぱりクチパクですね・爆爆)。
このレコードを買ったとき、私は中学1年生だったので、
英語を習い始めた時期でもあり、当時、なんとかして
彼らの歌を一緒に歌えるようになりたいと、
歌詞カードにカタカナを振って、日夜、練習したものだった。
「読書百遍」じゃないが、意味がわかってもわからなくても、
ひたすら繰り返して、ついて行けるようになるまで頑張った。
今考えたら、結構スコットランド訛りのあるレスリーの歌を、
英語初心者が、そうそうピタリと真似られる訳もなかったのだが、
あの頃は、そんなこと、わかりゃしませんでしたからね(^_^;)。
凝り性の私は、勿論、訳詞もなめるように読んだ。
山本さゆり氏の訳だった(QUEENは山本安見氏の訳が多かった)。
そこで気づいたのは、この『二人だけのデート』という歌は、
とても素敵なラブソングだとは思うけども、
男が歌う歌としては、なんだか、ヘンなのではないか?
ということだった。
レコードについていた訳詞は、無論、少年言葉になっていて、
レスリーが歌うに相応しい言葉遣いにしてあったのだが、
よく見たら内容が、どうも不思議だったのだ。
You stopped and smiled at me
And asked if I'd care to dance
I fell into your open arms
(直訳:あなたは立ち止まって私に笑いかけ、
踊りませんかと誘った
私はあなたの広げた腕の中に倒れ込んだ)
のあたりなど、内容的には男女が逆では?と、中学生の私は考えた。
女の腕に男が飛び込む??
そしたら、一緒に倒れて、女が後頭部強打、とか・・・(違っ)
で、これについては、私は高校生になったとき、ハタと思いついて、
あれはやっぱり、女性一人称の歌だったんだ!と結論づけた。
世良公則(YouTube)やチャゲ&飛鳥やアリスが、「あたい」「わたし」と
女性の歌を格好良く歌ってなんの違和感もなかったので、
そうか、BCRのアレもそーゆーたぐいだったに違いない!と、
自分で勝手に解釈してひとり悦に入っていたのだった。
私は自分のこの考えを、相当、気に入っていたものだったが、
なんのことはない、BCRのは女性歌手の歌が原曲だったと後に知った
(ダスティ・スプリングフィールド(英)のソロ・デビュー曲。
I Only Wanna be with You(YouTube)、1964年)。
余談だが、70年代には、KISSのアルバムLove Gunにおいても、
クリスタルズの往年のヒット曲Then He Kissed Me(YouTube)がカバーされ、
KISSなりのアレンジで収録されていたのを私は今でも覚えている。
尤も、こちらの場合は確か、ハッキリと、男性側の歌うものとして、
タイトルもサビもThen She Kissed Meに変えられていた筈だ。
ポース・スタンレーの野太い声で聴くのはなかなか面白かったものだった。
内容的には、やはり少々無理は、あったけれども(^^ゞ。
(脱線しまくりで申し訳ないのだけど、私にとって、
ポール・スタンレーというのは物凄く好きなヴォーカリストだ。
KISSとしても最高だが、↓は是非見たかったと今も思っている。
ポール演じる『オペラ座の怪人』(YouTube)(99年トロント公演)
ポールによるPhantomのCM(YouTube))
ということで話を戻して、歌詞の性転換の問題は、さておくとしても、
ベイ・シティ・ローラーズが私にもたらしてくれたものというのは、
やはり、ポップスを聴くことの楽しさだった、と今にして思っている。
彼らの曲は、こうして改めて聴いてみると、
実に秀逸なカバー曲が多かったのだ。
このアルバムの後半に入っているDon't Worry Babyだってそうだ。
もともとはビーチボーイズのヒット曲(YouTube)だが、
BCRとほぼ同時期にBJトーマス(YouTube)も
これをカバーしていて(彼のは二番の歌詞が違うのだけど)
私はFMで、そうした原曲やカバー曲に出会うのが、とても楽しみだった。
BCRの取り上げた曲は、どれもポピュラー音楽史に残るような名曲ばかりで、
彼らによって、そうしたナンバーへの手ほどきをされ、
カバーという手法を知ってひとつの曲を二度も三度も味わうことのできた、
我々世代は実に幸せだったのだと思う。
ときに、このサイト↓にはビックリした。
Unofficial Absolute Bay City Rollers website
もー、誰が誰だか簡単にはわかんないくらい、
彼らもオジサンになったのだなーと。
いや勿論、大ババな私に今更言われたくないとは思いますが。
にしても、パット・マッグリンだけ相変わらず美しいのは、なぜ?
80年代に一度、パット・マッグリン死亡説が流れたことがあったが(爆)、
現在、奥様とご一緒に活動なさっている由、よろしかったです(^^ゞ。
追記:もうひとつ、かなりくだらんことを思い出した。
前述の、『二人だけのデート』は、アルバムでは
最後、フェイドアウトするのだが、その、いよいよ終わりのところで、
何か小さく、人の声で、「すぽ」、みたいな音声が入っている。
これは恐らく、レコーディングのときのエンジニアの、
「Stop」という合図の声が残ったものではないかと思うのだが、
当時、我々の間では、これはウッディのくしゃみである、
というのが通説になっていた。ウッディは蓄膿症だったから。
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