転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



朝7時半の新幹線で広島を発った。
千秋楽公演そのものは13時開演だったのだが、
ソルーナ(磯野千尋)さんの大劇場公演最後の楽屋入りが、
朝10時半の予定となっており、それに先立って楽屋口で行われる、
「入り(いり)」(=ファンクラブ主導によるお見送り)に
私も参加することになっていたので、
この日は朝早くから出る必要があったのだ。

大劇場向かい側の集合場所に行くと、
サヨナラの白ウェアをスタッフさんから手渡され、
それを着て、まずはこのあとの予定の説明を受け、続いて、
ソルーナさんをお見送りするかけ声の練習(笑)があった。
「せーの!」「行ってらっしゃーーーい!」
みたいな、宝塚ならではのヤツだ。
普段の私は、会活動に殊更熱心という人間ではないが、
よいのだ、ここまで来たらやるのだよ。
こういう場に水を差したり、屁理屈を言ったりするのは、
ヤボ以外のなにものでもないと私は思っている。

時間になって、サングラス姿で登場なさったソルーナさんは、
いつもと変わらない笑顔で、とても気さくだった。
「(卒業の)実感が湧かないのよ~」
などと仰っているのが聞こえた。
お手紙渡しのあと、皆でぞろぞろと楽屋口まで一緒に歩き、
そこでまた整列して、さきほど練習した
「行ってらっしゃーーーい!」
をやった。
ソルーナさんも手を振って笑顔で楽屋口から入って行かれた。
見送りながら、スタッフさんや長年の会員さんらが、
涙をぬぐっていらしたのが印象的だった。

****************

13時からの千秋楽公演は、4月25日にも観た雪組『ベルばら』だったが、
今回は他組トップのゲスト出演が全くない構成だったので、
雪組メンバーだけの、本来の『ベルばら』という内容だった。
私は今回は、ファンクラブ「ちひろ会」の会席で観たので、
周囲も皆、会員で、ソルさんのルイ16世の登場場面では、
まわりじゅうのオペラグラスが一斉に同じ方に向いて上がっており、
勿論私もそうしたのだが、なかなか壮観だっただろうと思われた(笑)。

千秋楽公演は通常、本公演のあと、組長とトップ男役による挨拶がつくが、
そのほか、退団者がいるときは、その人がひとりで大階段を下りて、
組からと同期生からの花束を受け取り、中央のマイクで挨拶する、
というセレモニーが行われる。
単なる偶然だが、今回は、卒業はソルーナさんおひとりだった。

最後まで明るい雰囲気で、紋付に緑袴の正装で階段降りしたソルさんに、
同期生としてはモック(遥くらら)さんが登場、花束を渡された。
芸能界を離れて長いモックさんだが、相変わらずスラリとしてお美しかった。
本当はここに、なーちゃん(大浦みずき)にも居て欲しかった。
ソルさんはご挨拶で、なーちゃんと一緒に踊った思い出に触れていらした。
きっと、なーちゃんは、もうずっと前からソルさんと一緒に、
この舞台にいたに違いない。

「大劇場の幕のこちらから感じられる空間や景色は
 今日で最後になってしまいました。
 寂しいけれど……、これからは、幕の向こう側から、
 皆さんとともに大好きな宝塚を応援したいと思っております」

と挨拶されたソルーナさん、御卒業後はどうなさるのかしら。
舞台のお仕事はされないのか、ダンスの指導をなさるのか、
それとも今後、宝塚で教えたりされることもあるのだろうか。

幕が降りても拍手がやまず、カーテンコールが4回もあった。
ソルさんは最後まで笑顔だった。
ソルさんと、隣のえりたん(壮一帆)とが幾度も目を見交わして、
温かい雰囲気だったことが印象的だった。

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「出」も、私は今回はファンクラブとして並んだ。
大劇場を出たところで一旦、ファンクラブで集まり、
出をお迎えするかけ声の練習をしてから(笑)、
楽屋口のところに改めて整列した
(白のウインドブレーカーは、全く通気性がなかったので、
正直なところ、ここではもうシヌかと思うほど暑かった←殴)。
そして、袴姿で花束を抱いて出てこられたソルさんは、私達が、
「ソルーナさん!大きな愛をありがとうございました!!!」
と一斉に言うと、華麗に(!)投げキスを飛ばして応えて下さった。
いや~、さすが、ソルーナさん!!
最後まで男役として、ダンディ磯野なのだった(^^)!
ソルさんが車に乗り込まれるところまで、皆で拍手で見送った。

退団者がひとりだけだったので、これで会の「出」は解散になり、
このあとは、フェアウェル・パーティに出席する人たちだけが、
引き続き、徒歩で宝塚ホテルに向かった。
友人たちと私も、そのままの流れで歩いていたのだが、
私達は結構、全体の中では早くホテルに着いてしまったらしくて、
私達が宝塚ホテルの玄関前に来たとき、
なんと、ソルさんの乗った車もホテルに到着したところだった。
私達は期せずして、ここでまたソルさんを、
お出迎え&お見送りする格好になった。
さきほどの袴姿のまま車を降りられたソルさんは、
私達に気づいて、再びにこやかに手を振って下さったが、
ここで強引に着いて行こうとする人が一人もいないのが、
さすがに、宝塚ファンなのだった(^_^;。
皆、申し合わせたように、行儀よく玄関の外に固まったまま、
ホテルの中に入って行かれるソルさんに手を振り続けていた。

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このあと、フェアウェルは19時からと聞いていたので、
私達は一旦、宝塚ホテルのレストランに入って休憩した。
あまりにも暑かったし、立ち通しで足が疲れていたし、
それに、ソルさん宛てのカードを書くようにと
予め会から言われていたのに、私達のうちの何人かは、
まだ、それを完成させていなかったので、その作業をする必要もあった
(ちなみに私は前夜のうちに書き上げてあった(^_^;!)。
さきほどの千秋楽の退団者紹介のとき、ソルさんが皆によく、
love you!と言って下さっている、というお話が出ていたので、
そんなことを初めて知った私達は、皆、それがいたく気に入り、
ここで各自のカードに赤い文字でlove you!と書き入れたりも、した。

ひとあたり作業も終わり、お茶を飲んで疲れも取れたので、
私達は18時半頃、フェアウェル会場のあるホテル9階に上がったのだが、
どうも予定より早く開始されていたようで、
私達が到着したとき、もうソルさんは壇上にいらして、
立食パーティーが始まっており、入口近くのテーブルには、
専科の汝鳥伶さんとチャル(箙かおる)さんがいらっしゃり、
その斜め後ろはソルさんの同期生のテーブルになっていて、
既にどこもかしこも、結構、盛り上がっていた。

ゲストで雪組生たちも次々とやってきて、
ソルさんへの思いをそれぞれ語ってくれたのだが、えりたん(壮くん)が、
「ソルさんはよく溜め息をつかれるので、ついたら罰金500円と決めていました。
今日の退団挨拶のときも溜め息をついてらしたので、後で500円頂きます」
と言ったのが、オオウケだった(笑)。
そのあと登場した同期生ウル(未央一)さんの爆笑物真似芸は、
もうもう、あまりにも巧すぎ、可笑しすぎて、友人と私はシんだ。
ラインナップは、ツレちゃん(鳳蘭)、喜多先生、植田先生、等々。

会場の一画には大きなスクリーンがしつらえられ、
ソルさんの思い出の舞台映像が次々と流れていた。
花組『秋…冬へのプレリュード』でのヒットラーそっくりさん、
なーちゃん(大浦みずき)退団公演のときの、
ショー『ジャンクション24』で、ソルさんとなーちゃんとで踊った、
ピンクの掃除夫の衣装の可愛い踊り、
宙組全国ツアー『カステルミラージュ』で、
マフィアのボス・アントニオに扮したときの、ソルさんのソロ……。

「ありがとうね!」
と私の手を握って下さったソルさんに、
「お会い出来て本当に良かったです。ありがとうございました」
と私が言ったら、ソルさんは穏やかなまなざしで、
「うん!うん!」
とうなずいて下さった。
いつも、舞台ではいぶし銀のようなダンディな男役、
オフでは大人の女性ながら、ピュアで愛らしいソルさんだった。

****************

残念ながら、私はこの日のうちに東京に移動する予定にしていたので、
パーティーには最後までは居られなかった。
ファンクラブの代表さんやスタッフさんにご挨拶をして、
東京に帰る友人と私とで、フェアウェルを中座したのだが、
スタッフさんがエレベータまで見送って下さり、
本当に最後まで、温かい会だった。
ちひろ会の皆様、ありがとうございました!
そしてソルさん、御卒業、本当におめでとうございます!
このあと、また東京公演にも伺いたいと思います。
ラストスパート、お体を大切になさって、全うなさいますよう…!

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