19日の午後、まずは大阪に行って、
北翔海莉の出るミュージカル『パジャマ・ゲーム』を観て、
その足で、新大阪の最終の新幹線で東京に向かい、
翌20日は昼に歌舞伎座で『マハーバーラタ戦記』観劇、
夜はサントリーホールでポゴレリチのピアノリサイタルを聴いた。
みちこさんの退団後ミュージカル第一作は、
作品選択として大変良かったと感じた。
ヒロインが決して若くなく、それなりの人生経験もした大人、
という設定での、それでも甘い面も可愛らしい面もある恋の物語は、
今のみちこさんの存在感に、よく似合っていた。
『マハーバーラタ戦記』は、驚くばかりの傑作に仕上がっていて、
もしポゴレリチの来日がなかったならば、
私は10月をこれに捧げ尽くしても悔いはなかっただろう、と思った。
菊之助が企画、構想、脚本製作、振付を担当。
カズくんは今や最高潮だ。
しかしポゴレリチのリサイタルがまた、唸ってしまうほどの見事さで、
印度伝とポゴ氏と、一日で一度に味わってしまうなんて、
良すぎて勿体ない経験だったと、……このうえなく感激しつつも、
何か後悔せざるを得ないような複雑な気分を味わった。
超弩級の舞台や演奏会には、それに見合った長さや濃さの、
「浸りきる時間」や「反芻する余裕」が本来的には必要なのだ。
それを得ることが許されていない今の境遇を、恨めしく思った。
そして、21日は土曜日でも休みどころか、
私は午前11時からいつもの仕事が始まる予定になっていた。
そのために、品川6時始発の「のぞみ99号」で帰って来た。
ホテルで4時起きだった。
朝5時半になるまで、JR品川駅の新幹線改札は閉鎖されている、
ということを、今回初めて知った(^_^;。
新幹線の中でサンドイッチとコーヒーの朝食をとり、洗面所で歯を磨き、
そのまま爆睡して、9時41分に広島着、
怒濤の勢いで家に帰って荷物を置いて着替えて、
いつもは徒歩通勤なのだが特別にバスに乗り、会社に滑り込んだ。
間に合った!
最初から最後まで、休憩なしに走り続けた2泊3日が、終わった。
何かこう、体積が3立方センチしかないのに重さが1トンあった的な……。
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