突然だが、私はある種の「血圧ノイローゼ」だ。
試しに計ってみた、今さっきの血圧は、「115/87」。
下の血圧が高いですね。ではここで問題です。
これは正常値の範囲でしょうか。
それともなんらかの治療を要する高血圧症でしょうか?
ご存じの方も多いと思うが、昨今、健康診断における、
血圧の基準値は、どんどん、厳しくなっている。
一昔前は、確か160/95くらいからが高血圧だった筈だが、
現在ではこれが、140以上/90以上はすべて高血圧、と改められている。
上と下、いずれか一方が該当するだけでも高血圧だ
(参考サイト:大阪民医連 高血圧の治療指針(2005))。
このページ↑を見ていると、私は畏れを抱かずにはいられない。
なぜって、正常血圧とは120未満/80未満、と定義されているからだ。
上が119以下かつ下が79以下でなければ、
「完全な正常」とは認められない、ということだ。
それ以上ですぐ高血圧と認定されてしまうわけではないが、
「120以上140未満/80以上90未満」は「正常高値」と言われ、
既に要注意ゾーンになってしまう。
更に恐ろしいことに、これは医療機関測定値限定だ。
家庭で計った値だけで『高血圧でない』と安易に判断していはいけない。
家庭血圧の基準値はもうひとつ低くて、130以上/80以上、
の場合は即、高血圧の可能性がある、と定められているのだ。
家で計って、135以上/85以上だったら確実に高血圧であり、
治療が必要なのだそうだ!
(参考サイト:家庭で血圧を測るならば)
つまり、冒頭に書いた私の血圧は、既に要治療の病人のそれだ。
だって下の血圧が87もあるのだから!
いや、きょうなどは運良く80台だったから、まだいいほうだ。
実は、この家庭血圧基準値を知った二年前以来、
私はしばしば家庭血圧でさえも、
下が90以上を記録することが起こるようになって来た。
若い頃の私は、血圧など気にしたことがなかった。
断じて低血圧だったことはなかったが、基準値そのものの測定値で、
血圧で注意を受けたことなど全くなかったからだ。
それが、妊婦検診のある日、一度たまたま130台/60台が出て、助産師さんから、
「ちょっと大丈夫!?たっかいですねえ!」
と言われて心臓が轟き、以来、ときどき高い値が出るようになった。
また高いんじゃないかと思うと、カフに空気が送られてくる音を聞くだけで、
鼓動が俄に速くなって、頭がカーっとして来るのだった。
『たっかいですねえ!』の声が、耳の中でそのたびに鳴った。
祈るような思いで血圧測定をしていたあの頃、本当に胎教に悪かった(爆)。
思えば、私の血圧ノイローゼは、妊婦検診が発端だったのだ。
産後は、妊婦検診と血圧測定から解放され、たまに健康診断で測っても、
しばらく私の血圧は基準値でちょうど良く落ち着いていた。
しかしやはり、何かの拍子に測ると、結構高いことがあって、
私は中年にさしかかるに連れ、マイブームのように、
ときどき血圧に熱中するようになった。
気にして、家庭用血圧計で測り続けていると、下がって来て、
とうぶんの間はまた忘れていられるのだが、
思い出してたまに測ってみると、また高かったりして、
集中的に何日も血圧を測り続けるようなことが、これまで幾度もあった。
加齢と、もともと決して血圧が低くなかった体質と、更に肥満とで、
近年の私は、確実に血圧が上昇傾向にはあると自分でも思っている。
ところが、だ。
世の中にはなんでも詳細に調べるヒトがいるもので
(人も呆れる偏執狂の私に言われたくないか(^^ゞ)、
血圧が高い人間のほうが実は長生きしている、
というデータもあるのだという。
(参考サイト:高血圧治療ガイドラインの誤り)
まあ、私の観察では、毎日血圧を計って厳密に生活する人より、
血圧の正常値がいくつかも考えずに漬け物を食ってる人のほうが、
結果的に、のびのびと長生きしそうなイメージは、ある(^^ゞ。
さて、それはともかくとして、生来が臆病な私は、
これまでたびたび、血圧の相談で内科に行っている。
医療機関で計ると私の血圧は更に高く、130~/90~くらいになり、
やはり、下が基準に引っかかることが多い。
「私は将来的に、脳溢血で死ぬってことですか!」
と短絡的に詰め寄ったら、先生は苦笑なさって、
「まずは、減量してみて下さいね~(^_^;)」。
この問答が幾度か繰り返され、私は結局いっこうに痩せず、
相変わらず拡張期血圧が高いままだ。
私は、寝起きが良いので目覚めてすぐ活動できるし、
日常の動作も、ケツに火がついているようにセカセカしているし、
どう見たって低血圧タイプには程遠い。
やっぱり将来は危ないんじゃないかと思う。
だが、ただひとつ良いことは、下の血圧が高いタイプの高血圧は、
大動脈に弾力性があるからこそ出現するパターンなのだという。
動脈硬化になると、下の血圧がどんどん低くなるのだそうだ。
よろしくないのは、下の血圧に有効な降圧剤が無いという点だ。
現代医学は、上の血圧のコントロールにはかなり威力を発揮するが、
下の血圧は、なかなか思うように行かないらしい。
しかし、いずれにせよ、ベストは勿論、薬物治療なしで、
「上も下も低い」を維持することであるのは間違いない。
上下とも、運動や生活改善などの一般療法の段階で、
できるだけ良い値に持っていくことを目指すべきだろう。
降圧剤での管理は、それに継ぐセカンド・ベストということになる。
Trackback ( 0 )
|
|