先月と今月、閃輝暗点を続けて経験したので、
きょうは夕方、脳神経外科クリニックへ行った。
頭部MRI・MRAを撮って貰い、結論としてはありがたいことに、
何の異常も認められなかった。……良かった(汗)。
閃輝暗点とは、不意に視界の真ん中に光る点のようなものが見えてきて、
最初しばらくは、その一点のあたりが見えにくく感じ、
時間の経過とともに、それがギザギザの輝くようなものへと変化してきて、
15分あまりで、ギザギザは緩く視界の左右に伸びたように広がり、やがて消える、
という症状のことを言う。
原因は、脳の中の、視覚に関係する中枢の部分の血管が収縮して
一時的に血流の具合が変化することだと言われている。
偏頭痛の予兆として経験する人が多いようだが、
私は初めて閃輝暗点を体感した3年前以来一度も、頭痛を感じたことはない。
緊張したり、強く集中して仕事等をしたあと、解放されてふっと緩んだときに、
あれ?なんだか目がおかしくなってる……?と気付くことが多かった。
その程度なので、少々見えづらい以外に、さしたる苦痛はなかったのだが、
30分に満たない短時間とはいえ、視界の一部が僅かでも損なわれるのは、
やはり鬱陶しく、不快ではあった。
芥川龍之介も経験 片頭痛の前兆で視野の一部がギラギラ(ヨミドクター)
芥川龍之介の小説『歯車』に、まさに閃輝暗点だろうと思われる描写があり、
以前からこういう症状があり得ることは、知識としては知っていたのだが、
実際に自分が経験したのは、前述の通り3年前の春が最初だった。
そして、その翌年は一度もなかったのに、今年になってこれまで3度あり、
頭痛がなく頻度だけが増すときは、まれに脳梗塞や腫瘍のことがある、
という、いつものよけいな医学知識が頭をよぎり、
手をこまねいているのも落ち着かなくなり、意を決して受診をしたのだった。
結果は、冒頭に書いたように画像的には何も問題なく、
梗塞部位も腫瘍もなく、血管も通っており、眼球にも異常は認められず、
「普通の、よくある閃輝暗点です」
「頭痛のある人もない人もいますけど、トシ取ると頭痛は無くなる人が多いです」
「予防法はありませんが、心配もないものなので、気にしなくていいです」
と先生が仰り、頭痛がないので投薬も何もなく、終わった。
上のリンク先の記事で若倉雅登医師がお書きになっている通り、
『はじめから頭痛をほとんど経験せず、閃輝暗点だけが出現するタイプもありますが、
私が外来でよくみるのは、閉経期をすぎた高年女性の閃輝暗点です。』
という、私もまさにこれで、どストライクのお婆さん閃輝暗点であった(汗)。
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