百日咳の患者数 1週間で過去最多 3月24-30日
(2025年04月08日 18:45 医療介護CB News)
『国立健康危機管理研究機構(JIHS)は8日、全国の医療機関から第13週(3月24-30日)に報告された百日咳の患者数が578人で、全数把握を開始した2018年以降、1週間の報告として過去最多になったことを明らかにした。』
百日咳という名前はあるが、乳児の場合は、
100日間も咳をする以前に、早期に呼吸ができなくなって死亡する。
生後数ヶ月で罹患すると、現代日本の医療をもってしても厳しい。
現状、生後2か月から始まる混合ワクチン4回が無料になっている。
また、自費になるが、妊娠27~36週の妊婦が接種を受けておけば、
新生児~乳児期の子供を百日咳から守ることができる。
一方、小学校に行く年齢になってからでも、百日咳はあり得るのだが、
乳児のように皆がすぐに死んだりはしないし、
マクロライド系抗生剤が多くの場合、有効だったので、
流行が目立たないときには、学童の百日咳ワクチンは重要視されて来なかった。
――少なくともこれまでの日本ではそうだった。
しかし赤ん坊の頃に打ったワクチンは、5年も経てば効き目が薄れてきて、
小学生から成人に至るまで、百日咳菌に出会えば感染が成立し得る。
しかも昨今は、抗生剤耐性菌が増加している。
百日せき「耐性菌」各地で報告 専門医がワクチン接種呼びかけ
(2025年4月5日 5時49分 NHK)
『東京都立小児総合医療センターでは、去年11月以降、9人が百日せきと診断されて4人が入院し、このうち生後1か月の乳児1人が亡くなりました。』『センターによりますと細菌の検査を行った6人中5人から通常、治療薬として用いられる抗菌薬が効かない「耐性菌」が検出されました。』『亡くなった乳児も耐性菌に感染していたということです。』
こうなると、罹っても死なない年齢の者でさえ、治療ができないので
何週間も、息の詰まる激しい咳の発作に耐えるしかなくなる。
先日も、成人で、長期間、咳がとまらず苦痛が激しく、肋骨骨折もして、
各種医療機関に行き、喘息や逆流性食道炎など疑って検査を繰り返し、
最後にようやく百日咳だと判明した、という話がSNSに出ていた。
本当は、就学前と、小学6年生頃に追加で3種混合を受けるのが望ましいし、
成人も、10年ごとくらいに追加接種をしておけば安心で、そうすれば、
年上のきょうだいや親が先に罹って、生後間もない子にうつし死なせてしまう、
という悲劇も避けられる。
しかし、前述の妊婦の接種と同様、これらは日本では自費接種になるので、
今のところ到底、一般的ではない。
昨年、ヨーロッパで百日咳が急増していたので、
いずれ日本も同様になると当時からSNSで医師らの指摘があったが、
果たしてその通りになっているのが現状だ。
特に、幼児から十代は、保育園・幼稚園や学校で、文科省による、
「マスク着用を求めないものとする」方針のもと集団生活をしているので
目下、百日咳のみならず、コロナ、インフルエンザ、ノロ、RSなど
いずれもこの年代が感染の核となってしまっている。
私自身はマスク着用が自分には効いている自覚があり、
2020年以前とは打って変わって風邪その他にかからなくなっているのだが、
それでも、至近距離でノーマスクの人が咳をしていたら、
何らかの菌やウイルスを貰う可能性はあると思っている。
去年夏のコロナだってそれでうつったとしか思われない状況だった。
また、神社仕事の外作業で指先を傷つけることが結構多く、
ここ何年か、破傷風も心配ではあるので、
この際、3種混合T-Dap(ジフテリア・破傷風・百日咳)の接種を
検討したほうが良いかもしれないと、このところ思っている。
百日咳にしてもその他の呼吸器感染症にしても、
典型的な症状が出揃うより前の、カタル期のうちに、
周囲への感染性が高まるものが多いので、
ユニバーサルマスクが実現すれば、感染の大半が未然に防げるのだが、
最近の風潮を見ていると、なかなかそうも行かないだろう。
2023年3月に「マスク着用は個人の判断」となってからは、
症状があってさえもマスクを着用しない人がよくいるようになった。
とりあえず、日本の3種混合が、小学校1年生と6年生あたりで、
定期接種になればいいのにと、私は今、地味に願っている。
『地味に』というのは、この日記でのみ、大人しめに主張している、
という意味である(^_^;。
私は学童期の子も孫も持たない身なので、
世間話であってもワクチン云々と意見など言うのは、お節介が過ぎる、
と思われる方々もきっとあるだろうと思う。
医師ならば、法律上、公衆衛生の向上に寄与する義務があるので、
普段から積極的にワクチン接種を勧めるのも当然のことだが、
私は一般人なので、外でこんな話をしようとは思いません。
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