転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



このところ、結構寒くなっているのに、まだ昨日まで日本シリーズをやっていた。
開幕が遅かったせいで、今年は全体のスケジュールがかなりズレてしまったのだ。
ここに至るまでには、各球団、選手とも、
日程消化のために大変なことが多かっただろうと思われた。一時は
「しまいに連戦連戦か?師走にもつれ込んだらどーすんねん」
と見ていて思ったくらいだった。
さすがにそれは回避されたけれども。

さて、広島カープには既になんの関係もない日本シリーズだが、
我が家では主人が一応、毎晩きちんとテレビ観戦をしていた。
そのお蔭で、私も、中日とソフトバンクが三勝三敗同士で昨夜の最終戦を迎えた、
という展開が理解できていた。
そしてなんとなく、カープのよしみでセ・リーグ寄りの感覚があるのと、
私が個人的にドアラを偏愛しているのとで、
「中日に勝たせたい」的な気分が、昨夜の我が家にはあった。

相手のソフトバンクといえば。
私が結婚して福岡に住むようになった頃、ちょうど福岡ドームができたばかりで、
しかし当時の私には野球観戦の趣味は全くなく、
主人もカープの来ない球場には用事が無かったので、
球場付近までは見物に行ったが、結局、ドームの中に入ったことは一度もなかった。
広島市民球場の常識からカケ離れた、新しいドームの綺麗な外観に感心し、
同時に、最寄り地下鉄駅の唐人町から、結構歩くなあという印象が残った程度だった。

そもそも、私達の新婚時代には、「ダイエー」ホークスだった。
あの球場は、まだ「ヤフー」ドームではなかったのだ。
そういえば、それよりもっと昔々、職場の同僚の男性が「南海」のファンだった。
そして同じく、職場の後輩の女の子が「西武の秋山」のファンだった。
ああ、21世紀になった今、その秋山が率いる、南海のなれの果て(爆)
を観ることになろうとは。

いや、「なれの果て」どころか、ソフトバンクは今や、日本一強い球団だ。
さしもの中日も、本拠地ナゴヤドームでやってさえ苦戦した。
当初、日本シリーズの初めに中日が福岡で連勝したのを観たときには、
まあこのあと、名古屋で一勝くらいソフトバンクに花を持たせるとしても、
残りは、チェンと吉見が一試合ずつ投げれば仕上げだな、と思っていたのに。
チェンの投げた17日第五戦に勝てなかったのは全くもって誤算だった。

次の吉見の日も、辛くもという印象だったが、これはとにかく勝てた。
両者無得点とか、中日1点リードなどという展開で9回を迎えたときの、
中日の強さは、確かに見事なものがあるのだった。
簡単に土俵を割ってしまう某球団(爆)などとはチームの底力が違うし、
監督の神通力も采配も素晴らしいということなのだろう。

今季は、三勝三敗、日本シリーズとしてはフルに闘うことになり、
一般的な意味では、ファンは最大限に楽しむことができ、実に見応えがあった。
しかし中日寄りに見れば、七戦目が巡って来てしまったせいで、
敵の打線を抑えるに足る、エース級の先発投手が残っていなかった。
山井も小林も見事なピッチャーであることには間違いないし、
某球団(爆)との試合くらいなら全く問題はなかったのだが、
何しろ、日本シリーズ最終戦で、相手がソフトバンク、
チェンも吉見も使えないとなると、誰が先発しても不安には違いなかった。

転妻「各自1イニングずつ死ぬ気で投げるということで、9人使えば?」
転夫「死ぬ気で投げても守れるとは限らんよね。中継ぎなんてみんなそうじゃん」

事実、2回まで山井は文句なしだったのだが、3回でダメになった。
ノーアウト満塁のピンチを招き、交代した小林も更にうまく行かず、
押し出しのフォアボールでソフトバンクにあっけなく1点を与えてしまい、
1イニング投げきることもできずに交代となった。
「一球入魂」しさえすれば守れるなら苦労はないのだ。

ここでブルペンに入っている投手名が画面に表示された。
そのとき右投げの投手欄を眺めていた私の頭に、
不意に天啓のように良い考えが浮かんだのだ。
……いやまあ、仮に私が天才的なアイディアを出したって、
この試合には全然関係のないことなのだが(爆)。

転妻「そや!浅尾や、今すぐ浅尾使うねん!」

セットアッパーの浅尾を3回でもう出せなんて、
まるで「お通し」のあといきなり御飯と漬け物をオーダーするような暴挙だが、
いいんだ、ここのコシヒカリはそんじょそこらのとは違って極上だし、
この店には来年春までもう二度と来なくていい。
この際、何をやってもいいだろう(爆)。

転夫「さすがに3回で浅尾はないだろう」
転妻「けど明日は無いんやから。そうでなくても、今もう既にあと2点取らんと勝てんよ。
 この回や次で、もう1点取られたら終わってまうやん。
 あちゃおくんだって、最高の投球ができても0点に抑える以上の仕事は出来んのだよ、
 味方が打って帰って来ねば。中日は巨人とは違うよ。3点になったら返せんよ」
転夫「確かに(^^ゞ」

しかし、にわか評論家・転妻の暴論を尻目に、『提督』(ネルソン)がコールされた。
常識的な采配だった(^^ゞ。
果たして、ネルソンは頑張った。ソフトバンクに得点を許さず3アウトを取り、
そして4回表、ブランコがレフトへのヒットで出塁した。チャンスだった。

転夫「次じゃ、おまえが打たんか和田!」
転妻「ここでツーランじゃ。それしか無い!」

しかし、頼みの綱の和田もライトフライに終わった。
その4回裏にも更にソフトバンクが1点を追加した。
私はこのあたりからテレビを観なくなったのだが(殴)
とにかく中日打線が沈黙しているので、試合は沈む一方だったようだ。
ファンにとって、打てないチームの試合を観ることが、
どれだけフラストレーションのたまることか、
私は某球団のお蔭で、よぉーく知っている(^^ゞ。
昨夜、中日ファンは本当につらかっただろうと思う。

しかしここまでの六試合を戦い抜いたことは、どちらのチームも同じだった。
特にソフトバンク・ファンにとっては、待ちに待った本拠地での一勝が、
日本一を決める優勝の一戦となり、感無量だったことだろう。
ソフトバンクほど実力のある球団も少ないのに、
これまでは短期決戦に弱かったのか、日本一になることは容易くはなく、
昨日の試合結果には感慨もひとしおだったことと思う。
おめでとうございます。

ときに、考えてみると私は、パ・リーグを観る機会が今までどうも少ないままなのだが、
学生時代には西武ライオンズのお膝元(に近いところ)に住んでいたし、
近年もダイエーホークスに関しては、前述の福岡と、そして神戸でも、ご縁があった。
神戸の官舎の近くにあったダイエーショッパーズの食品フロアで、よく、
「♪われらーの われらのー ダイエーホークス」
という『いざゆけ若鷹軍団』の歌を聴きながら買い物していたものだったのだ。
あの歌は今でも、時折、脈絡なく私の鼻歌になることがある。

その「♪わかたか ぐんーだんー」を昨日、久しぶりにまともに聴いてみたらば、
♪われらーの われらのー ダイエーホークス
のところが、
♪われらーの われらのー ソフトバーンクホークス
になっていて、ささやかに字余り気味だったのは、ご愛敬だった。
さすがに新しい応援歌を作ることまでは、していなかったとわかった。


追記:台湾では、ソフトバンクホークスは「福岡軟体銀行鷹軍」らしい。
「プロ野球」は「職業棒球隊」といい、中日ドラゴンズは「中日狂龍軍」、
阪神タイガースは「阪神猛虎軍」、ヤクルトスワローズは「東京養楽多燕子軍」、
横浜ベイスターズは「横浜湾星軍」、広島カープは「広島東洋鯉魚軍」だとか。
読売ジャイアンツは「東京読売巨人軍」、……これは、まんまで一番オモロない(逃)。

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