転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



清志郎の詞で歌われている、国立市の多摩蘭坂を訪れるファンが、
5月3日以来、未だに絶えないそうだ。
私も80年代の終わり頃、実際に行ってみたことがあるのだが、
多摩蘭坂界隈は、観光するような場所とは全然違う、普通の住宅地だ。
ただ、清志郎が、一時期、この近くに住んでいたことがあり、
『多摩蘭坂を 登り切る手前の 坂の途中の家を借りて 住んでる』
という箇所が歌詞にあるので、清志郎ファンの間では、
昔から「聖地」のひとつになっているのだ。

たまらん坂(Wikipedia)

新聞記事やネットの情報で見聞きした範囲では、
この三週間ほどの間、たくさんのファンがここを訪ねてきて、
「たまらん坂」の表示のあるあたりに、花や缶ビール、
某メーカーのカップラーメン(清志郎がCMの曲を担当した商品)、
メッセージや写真など、思い思いの品を供えているそうだ。
長時間立ち尽くしたり、清志郎の歌を歌ったり(爆)、
中には早朝や深夜に、じっと祈っていく人もあるということだ。

御近所の方々は、当初、必ずしも忌野清志郎の名をご存知ではなく、
ましてや『多摩蘭坂』という彼の歌があることなど思いもよらず、
しばらくは、何が起こっているのかと随分当惑なさったようだ。
しかし、訪れるファンの話から、徐々にこの場所の意味がわかり、
今では、ファンの気持ちを尊重して見守って下さっていて、
清掃に手を貸して下さったり、昔の国立の話をして下さったりしている、
・・・ということが、ネットの掲示板に出ていた。

供えられる花や品物の量は、半端なものではないのだそうで、
御近所やファンの有志が、まめに整理と掃除をされているとのことだ。
清志郎の愛した、彼の思い出のたくさんある国立で、
清志郎とそのファンが、地元の方々から大切にして頂いている、
というのは実に嬉しいことで、私もファンの一人として感謝に絶えない。
本来なら大変ご迷惑になるであろう、このような行為に、
温かい眼差しで接して下さっている方々に心からお礼を申し上げたい。
そして、ファンを代表して清掃活動をかって出て下さってる方々にも。

RCサクセション 多摩蘭坂(YouTube)

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それにしても、清志郎の多摩蘭坂での下宿生活は、
どのようなものだったのだろう?
『恐るべきジェネレーションの違い(Oh Ya!)』
という曲で、若き清志郎は、
アパートの大家ときたら文句ばっかりだ、
どこかに少しは気の合う大家は居ないのか、
等々と歌っていたのだが、やはり多摩蘭坂の頃も、そうだったのだろうか?

と言っても、その歌詞に出て来る大家というのは実に親身な人で、
口うるさく言う文句の中身というのが、
『夜うるさい』『素行が悪い』『いろんなヤツの出入りが激しい』
『家賃が遅れる』『女を連れ込んでる』『風紀が乱れる』
と、まるで親御さんか舎監先生かという内容なのだった。
そして清志郎自身、
『大人たちの言うことはわかる』『大家の言うこともわかる』
と歌っているくらいなのだった(苦笑)。
今だったら、これだけ構ってくれる大家も少ないのではなかろうか。
人間関係が鬱陶しかったぶんだけ、人の気持ちも温かかった時代に、
清志郎は若い日々を過ごしたのだなと、思った。

RCサクセション 恐るべきジェネレーションの違い (Oh Ya !)(YouTube)

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