転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



先日12日の東京公演について、何人かの方から、
ご感想及び当日のレポをメールで送って頂き、
とても楽しませて頂いたのだけれど(ありがとうございました)、
一番笑ってしまったのが、ポゴレリチの、アンコール後の行動だった。
これは今後の公演でも同じようにやるのだろうかと興味深い。

その行動とは、ずばり、「お片づけパフォーマンス」なのだ。
一昨年の来日公演のときは、ポゴレリチは、最後のラフマニノフを終えると、
勢いよく立ち上がり、椅子を片足で蹴飛ばしてピアノの下に入れ、
「終わりなんだよっ」
と言わんばかりの乱暴さでリサイタルを締めくくったものだったのだが、
今年の彼は、逆に、不思議なほど丁寧だったようだ。

今回は、アンコールでショパンの夜想曲ホ長調を弾いたのだが、
それが終わるとポゴレリチは、まず、ピアノの蓋を閉め、
それから、グランドの支え棒を外して上蓋も自分で閉め、
右足の右側で椅子を押してピアノの下に収納し、
譜めくり助手の椅子も両手でピアノの下に仕舞ってから、
客席上手下手、背後Pブロックの上手下手、
左右ブロック、の六方にきちんと会釈して、笑顔で退場した、
・・・・というのだ。

演奏会の隅々まで観客に見せることを考える、真のエンターテイナーなのか、
普通の演奏家とは違う次元で一人浮遊している変人ということなのか、
・・・・判断に迷うエピソードだ(逃)。

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