館林ロストシティーランブラーズ・フォークソングシングアウト

フォークを歌って43年の坂を今登坂中。世間に一言あってこそフォーク。軟弱アコースティックミュージックにシングアウトだ!

ODT①・今月の僕の新譜・その2・(07.12)。

2007-12-07 07:05:58 | お勧めCD/LPなど
今月の~~とあるが、入手は8月の暑い盛りであった。
時々、ドワッと東京へ「買出し」に行くので、新譜の紹介など、どうしても、遅れ気味なのだ。




ODT ジャズトリオ・3世代にまたがる、トリオである。年齢からすると、原田氏のトリオか?と、思いがちだが、3人対等のトリオなのである。ここに、このトリオの「音の棲家」があり、実は、完成度の高さ(各々の対等な音の絡み・忌憚のない駆け引き)の源泉がある様に、僕は思っている。恒常的に、ライブスポットなどで、トリオ演奏を行っているチーム、既に「息の合った演奏」は言うまでも無いのだが。

トリオ・その姿はJAZZの、ある意味究極の姿であると、僕は思っている。4や5に許される「曖昧さ」や「瑕疵」が、厳しく聞き分けられたりさえするからね。
決まっている、トリオの演奏は、たまらない!のだ。
コラボの完成度が増すと、プロのミュージシャンも、トリオに行き着く・・・
そんな気がしているのだ。

このアルバム・JAZZトリオで思い浮かべる、王道を行くあれこれ、を思い浮かべて良い!

見事な、大人の、JAZZアルバムである。購入は容易である。店に行くもよし、ネットでも、すぐ行き着く。



さて、本作品、凪いだ海に、船が滑り出すように1曲目、ブルーベックの「In Your Own Sweet Way」で始まる。ミディアム ハイなテンポで、心地よい響きに包まれるが、聴けば聴くほど表情を変え、3人の個性が、実はほぼ凝縮された、気の抜けない曲となっているのだ。
すべての鍵盤をタッチする如きの、あびる氏のピアノスケール。音数の多い、軽快で華麗なピアノに、原田氏の細かいパッセージと、切れのあるハイハット、斉藤氏の、メロディアスなベースが、野太く絡むのである。1曲目、「のっけからかました!」アルバムである。

2曲目は、1曲目の心地よさをそのままに、ある意味、意表を突いて、バカラックの「Close to You」が流れる。最後には、チャップリンの「Smile」と来たもんだ。このおしゃれな選曲は、ウ~~~ム・・誰の仕業であろうか?
世界の女性の「心」を掴もうとする如き快演だが、これからの季節、澄んだ星に包まれながらの美しき女性とのドライブに、さりげなくこの曲を流して・・・などと、男は考えたりしてしまいそうである。

先ほど、トリオの決まった時の、すごさと言ったが、実はこの3曲目、マイルスで有名な「If I Were A Bell」で、僕は、参ってしまったのだ。
原田氏のブラッシャーと斉藤氏の太く・ねっとりしたベースが、あびる氏の澄んだ音色、かつ、自由に飛び回りそうなメロに、まとわりついて離れないのである。
飛び立とうとするメロに、まとわりつき、地上に引き戻す。また、メロは空へ上がろうとするが、ドラムスとベースは、引き戻す・・・・
その丁々発止の駆け引き・語り合いが見事!な1曲に仕上がっているではないか!たまらないね!これ。


このトリオ、ボッサやカリプソの世界は、かなり得意とするところ。その元祖、ジョビンの「Fotografia」で、貴方を必ず、海の美しい、椰子に夕日の陰る地へ、誘うに違いない。また、あびる氏の、情感たっぷりのバラード「Casita」・スタンダードの「Everything I Love」とトリオジャズの楽しさ、ハンモックを揺らすような心地よさを、貴方は堪能するに、違いないのだ。


そして、そうなのよ、そうなのだ、マイルスの「Nardis」には、彼らの「野心」が見え隠れして、気の抜けない危うさを、しっかりちらつかせているのである。




このアルバム・★★★★☆であります。

何?☆はどうして?

モンクの「Straight No Chaser」・・・・3人の、バカテクの仕業か?この曲、もっと「ルーズ」に、あえて音数を減らすような、べたっとした仕上がりが僕は好み。ちょっと、3人の生真面目さが出たかな~~。

このアルバムは「ワン」である。ワンの後には、ツーが来る。早々と、リスナーは待っているのだ!来年?出ないの?

俺は、待っている!
コメント (13)
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