岡花見日記
イラストレーターの岡花見です
………イラストレーションのこと 製本のこと
 





ポール・エリュアールの詩集を製本しなおしました。

「工芸製本」と呼ばれる伝統的な手法ではなく、「くるみ製本」です。
(市販のハードカバーの本は、ほとんどが「くるみ製本」です。)

元は箱入りの立派な本でしたが、
長い時を経てだいぶ傷んでいましたので、
まずは本全体を解体して、しっかり綴じ直しました。

背と角切れは布にして、
平らな部分にはイタリアのプリントぺーパー、
花布は絹糸。

明るく軽やかなイメージに仕上げました。



この本は恋愛詩集なので収録していないのですが、
エリュアールの「自由」という詩は、よく知られていますね。
2015年のパリ同時多発テロのあとには、その「自由」の一節が、
ポンピドゥー・センターの正面に掲げられたと聞きました。

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写真は、先週作った、本型の箱。
名刺入れとしても使えます。

背と四隅は山羊革、表裏の表紙はマーブル紙、
小さいですが、製本と同じ技術、同じ材料で作ってあります。
今はもう手元にないのですが、別れを惜しんで、写真を撮っておいたのです。

古びてくれば、古書のような趣もでてくる、
本型の箱、秘密の箱、なぜだか昔から憧れています。

昔、お酒の小瓶とグラスがしまえる、本型の、古い箱を見ました。
本棚に本といっしょに並べておいて、
誰にも教えず、気づかれず、ときどきひとりで取り出して、
こっそり楽しんでいたんだろうなぁ、
なんて想像すると楽しくなります。

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昨日は、横浜山手の「ガス山」に行ってみました。

小説家の中島敦が住んでいた(ことがある)と聞いていたので、
以前から、一度行ってみたいと思っていたのです。
桜も咲いたし、お花見散歩です。

ガス山という地名(通称)は、東京ガスのガスタンクが設置されていたから、とのこと。
行ってみると住宅地で、昔ガスタンクがあった場所は、公園になっていました。

ガスといえば、わたしは以前、経済産業省の「ガス管に関するパンフレットの仕事」をしました。
その時に作ったキャラクターが、このイラスト。

名前は「瓦斯山 管三(がすやま かんぞう)」、通称「ガス管」!!
そう提案したのですが、あえなく却下されました。

昨日ガス山を歩いているとき、ふと、管三さんの顔が目に浮かびました。

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一昨年11月から(足かけ3年!)製本していた『ベリー公のいとも華麗なる時祷書』
ついに、製本完了です。

外側は山羊革とマーブル紙、背には飾りのバンドを入れて、
花布は絹糸で編みました。

本のかたちはできあがりましたが、これからまだ、
革部分に金箔で線をいれたり、タイトルをいれたりと、装飾を加えていきます。
専用の箱も作らなければ……。

とはいえ、無事、本になりましたので、嬉しくてお披露目です。万歳!



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ひと月ほど前のことですが、金沢の21世紀美術館へ行き、「生誕百年記念 井上有一」展を見てきました。

井上有一は、1980年代の後半に、わたしが働いていた画廊が推していた書家です。
有一没後の展覧会(渋谷シードホールの「生きている井上有一」展、
京都国立近代美術館の「大きな井上有一」展等)、何冊もの作品集など、
いろいろなことに関わって、わたしにとって、とても思い出深い作家なのです。

金沢21世紀美術館の展示室で懐かしい作品たちと再会して、あのころの出来事のひとつひとつが、鮮やかによみがえってきました。

有一をはじめとして、何人もの美術家の展覧会、作品集作りが同時に進行していて、たいへんだったこと。
画廊に出入りしていたいろいろな方と、お話しする機会が持てたこと。
小説家の小島信夫さんの家に届けものをしたり、
文化人類学者の山口昌夫さんの原稿を受け取りに、新宿の文壇バーに出かけたり。
旅行でニューヨークに行ったときには、美術家の河原温さんのアパートで夕食をごちそうになったりもしました。

働いていた当時は時間に追われて、ただ目の前のことをバタバタとこなすばかりでしたが、
今こうして思い返してみると、素晴らしい作品に触れ、
素敵な方々とお話しすることができて、かけがえのない時間を過ごしていたんだなぁ……と。

金沢の21世紀美術館で、東京の20世紀の思い出を見つけてきたようです。

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子どものころから家にある、このガラス容器。
昔はたしか紅茶の葉っぱ入れに使われていました。

けれども、それから何十年も、何も入れず、何にも用いられず、
それゆえ手に取られることも、触られることもなしに、
ただ、棚の隅っこに置かれていました。

容器本体は八角形で、厚みのある、薄茶色のガラス。
それに、金属の蓋がついています。

子どものころからなんとなく好きで、おとなになっても、
いつも頭のどこかで気にしていた、色ガラスの入れ物、
わたしの部屋の机の上で、今は、花粉症の薬をしまってくれてます。

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買い物に出かけたら、古本屋さんの棚の上に「POPEYE 女のコ特集」(1981年2月)を見つけました。
しかも隣には、その9か月後、「POPEYE」の増刊として出版された「OLIVE」が!
懐かしい、と思う間もなく、手にとっていました。

この「OLIVE」、あのころ、夢中で読みました。
男の子の服を女の子が着ましょうね、という特集で、
ごつい服や、かっちりした靴の男の子っぽいファッションが
たくさん紹介されていました。
ほんとうにかわいくて、雑誌に紹介されているものは、どれも欲しくてたまらなかったなぁ。

実際に「OLIVE」を見て買った、青いチロリアンジャケット、デニムのジャケット、
編みこみのセーター、ダンガリーシャツ、デザートブーツ……
今は何も手元に残っていないけれど、
「OLIVE」を見ていると、その手触りも香りもよみがえってきます。
懐かしいなぁ。

年末なので、古い雑誌などを処分していたところなのに、
この二冊、つい、買ってしまいました。

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友人の依頼で、楽譜用カルトンを作っています。
持つ人・使う人を想像して、そのイメージに合うように、布の色や紙の柄を選んで、組み合わせていきます。

本を作っているときもそうするのですが、
いろいろな布や紙を、机の周りに思いきり広げて、
組み合わせを考える……そういうのって、本当に楽しいです。

そういえば、昔はよく、箪笥から着物を取り出して、
着るあてもないというのに、
着物と、半襟と、帯と、帯締め、あれこれ組み合わせて遊んでいましたっけ。

いくつになっても、やることは変わりませんね。

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家の本棚に並んでいた、古いサルトルの本を、製本しなおしました。

だいぶ前に古本屋さんで手に入れた、全四冊。
ソフトカバーの表紙も天も、ホコリと焼けで濃い褐色の、
ちょっと情けない状態だったのです。

表紙は外して、ハードカバーに換え、
背は布製にして、表紙と裏表紙(製本用語で平(ひら)といいます)はマーブル紙に。
花布(はなぎれ)は絹糸で編みました。



最後に四冊いっしょに収める箱を作って、出来上がり!

時間があるときは、こうして、家の本棚の古い本を、
少しずつ製本しなおしています。


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12月になったので、クリスマスの人形を飾ります。
ずっと前にメキシコに行ったとき、銀細工で有名なタスコという町で買いました。

この人形たち、ふだんは「お菓子の空き箱」にしまっています。
もう25年ぐらい、ず~っとそうでした。
しかし今年の春、ついに、この人形専用の箱を作ったのです。

箱の底にはフェルトを貼り、
人形どうしがぶつかって傷つかないように、
ひとつひとつのサイズを測って仕切りを作りました。
みんなが赤ちゃんのイエスさまを囲むように配置してあります。

箱の中、それぞれの仕切りのなかで、
イエスさまをのぞき込んでる博士や羊や天使たちがかわいくて、
夏にも秋にも、フタを開けて眺めていました。

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家の周りを、たくさんの葉っぱが舞っています。
電柱の陰や玄関にたまった枯葉を見ると、思い出すのは、やっぱり焼き芋。
でも、落ち葉を集めて庭で焚き火して、焼き芋を焼いていたなんて昔のこと。
もう焚き火なんて、できませんから。

現実にはできないけれど、絵本の中ではできる!
というわけで、「焚き火で焼き芋」の場面を描きました。

これは、全国心身障害児福祉財団が毎年作っている『宝くじドリームジャンボ絵本』です。
今年のお話は「なかよし みんなと桜の木」。
年をとった桜の木と、その桜が大好きな子どもたちのお話です。

『ジャンボ絵本』は、全国1400か所の幼稚園・保育園に贈呈されます。
子どもたちが、絵本の中の焼き芋を楽しんでくれると嬉しいなあ。

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ときどき長いお休みを入れながらですが、
「パッセカルトン」というヨーロッパの古い技法の
製本をしています。

写真は、それに用いる花布(はなぎれ)を編んでいるところ。
編むといっても実際は、細い絹糸を一本一本、こよりに巻き付けていくのです。

いつ終わるともしれない、細かくな単調な作業。
でも、気がついたのですが、こういう手仕事にわたしは意外と向いているようです。
本のページを、一折づつ糸で綴じていく作業もあるのですが、
そんな地味な仕事も、やっぱり大好きなのです。

たとえば、明るい窓辺に腰をおろして静かに作業を続けていると、
やがて、止まってしまいそうなほど穏やかな時の流れのなかに溶け込んでいき、
作業の音だけを残して、身も心も消えてしまいそうです。

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とりカエルくんが、9月1日の「Jタウンネット」で紹介されています。
「なかなかいい感じにゆるく、かわいらしいキャラ」と書いてあって、うれしくなりました。

記事には、正面を向いて微笑むとりカエルくんが載っていますが、
後ろ姿もカワイイでしょ?

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住宅用の火災警報器は、十年で取り替えよう!
と呼びかけるキャラクター、「とりカエル」くん。

そのスペシャルサイト(http://www.torikaeru.info/)がオープンしています。

「とりカエル」くんが大活躍するマンガも載っていますので、
お時間のあるときに、ぜひ見てください。

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以前ご縁があって、詩人のさとう三千魚さんと知り合いになりました。
先日、さとうさんの新しい詩集『はなとゆめ』が出版されました。
ページをめくると、急に音楽を聴いているような気分になりました。

わたしはリコーダーの発表会で、オトテール作曲の組曲を演奏したことがあるのですが、
そのうちの「ロンド」を演奏していたときと、同じ気持ちになったのです。
その曲はとてもおだやかな旋律です。
そして、やさしい装飾音に彩られています。
エコーのように、同じ旋律が繰り返されます。
曲の途中に、何度も最初のテーマが姿をあらわします。
それはまるで、とても小さな花が、静かにそっと咲くようです。

さとうさんの詩を心のかたすみに置いておけば、
世界のすべてが美しくいとおしく思えるようになって幸せだなぁ
……と思いました。

写真は、詩集『はなとゆめ』と、オトテールの楽譜です。

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