30年以上前・グランドファンクだ!ドミノスだ!CSN&Yだ!って頃に、僕は、この人達に出会う。その時以来ずっと一緒なので、すでにきっかけさえ、思い出せない。
聴いてみたくて、レコード屋さんに、飛んでいった。カタログで調べてもらったら、RCA盤で2枚組の「オリジナル カーター ファミリー」ってやつが、唯一購入可能だった。
注文して、届いた2まい組、その一枚をターンテーブルに乗せる。
SP盤の擦れた、遠くから音楽が鳴ってるような、音楽が流れ始める。
安物の(その時はその音質から、そう感じたのだ)ギターが単調なメロを低い音で取り、聴いたことの無い「弦楽器」がサイドを取る。
サラ(セイラ)のリードボーカルは男性的な低さで、淡々と歌っていた。
コーラスを合わせるメイベルは凡そ単純な音階をなぞっていた。
時々歌うAPは外れるか外れないか、ぎりぎり辺りを、頼りなさそうに、歌っていた。
そして、僕はA面の数曲の、違いが分からず、A面が一曲に聞こえた気がしたのだ。
「なんだろう・これ?!」
であった。
気になって、少しづつ「聴き返す」。
やがて、その「魔力」のような、カーター音楽に、身も心も奪われたのだった!
裏切られ、自殺し、柳の木下に埋めて欲しいと、そんな言葉が「恋の歌」と歌われ
故郷を離れ、放浪し、もう一度故郷へ帰りたいと、歌われ
神へ召される喜びが歌われ
どんな歌も「メジャーKEY]でさらっと歌ってしまう、スタイルに参ったのだ。
メイベルのギターを必死でコピーし、謎の弦楽器ーオートハープを弾き方も知らないのに購入し、日本語に訳したり、適当な歌詞をつけて歌ったりと、以降、本日まで、僕の音楽として、至る。すでに、僕自身になってるかもしれないな。
メイベルのスタイルが多くのギター奏者の基本であったり
そのギターはギブソンのL-5であったり
この方たちの音楽が後に、フォークやカントリーになっていたり
諸々のミュージシャンが今でも、カーターソングをアルバムに入れたり
「ウオーク ザ ライン~君に続く道」のジョニーの奥さん、ジューンはメイベルの娘であったり
そんなことも、後で知ることになる。
そう、僕にとっては「WILL THE CIRCLE BE UNBROKEN」なのである。
アパラチアなどの田舎で歌われていた音楽を、A・Pカーターが採譜し、多くを「自らのクレジット」としているらしいが、この時代にあって、信じられない程「ソフィストケート」されている。
建物の(音楽の)土台と柱がしっかりしているので、アレンジで壁や屋根が葺き替えられても、建物(音楽)が、時代や世紀に耐える、そんなものを感じるのである。
書くと限が無いね、これには・・・
お勧め?ですか?
いっぱいあります。
1928年録音「KEEP ON THE SUNNY SIDE」如何でしょう?
大恐慌前夜の不況の時代・「それでも、強く明るく生きよう」とメッセージした、彼らの歌、今の時代に、その精神を体に入れて、歌い続けたい、僕である。
PS・この方達の娘達、そして孫達も「カーターファミリー」のクレジットで、音楽をやっています。以降の「カーターファミリー」と区別して、「オリジナル カーター ファミリー」が、僕にとっての「カーター ファミリー」であります。
音源も・「オリジナル カーター ファミリー」のクレジットで紹介・販売されています。