先日、年配の知人である青山夫人から電話があった。
「あの…変なこと聞いて悪いけど…
どこか見てくれるところ、知らない？」
“見てくれるところ”というのは、拝み屋さんのこと。
霊能力で困り事の相談に乗る人である。
２～３０年前まで、このあたりには
一町村に数人の割合で拝み屋さんがいた。
普通の家の、普通の年配女性がほとんどで
霊能力で問題解決というよりも、女性や老人など弱者の気休め機関
といったおもむきだった。
現在はそのほとんどが他界し、拝み屋さんという商売は聞かなくなった。
もしまだいたとしても、とても紹介する気にはなれない。
その時は気が紛れても、後で何かとトラブルが多いからだ。
紛失物は、たいてい身近な誰かの出来心と言われ
家庭不和や人間不信をもたらした例は多い。
泥棒の仕業にすれば、警察が介入して厄介なことになるからだ。
精神の病や争いごとを除霊してもらって
ますます悪化したのも、子供の頃に見ている。
青山夫人は、絞り出すような声で言う。
「３５才の息子が精神的に具合悪くなっちゃって
今、休職して関東から帰省してるの。
カウンセリングに通っているんだけど、はかばかしくなくて…。
どこかへおすがりしたいと思うのよ」
「おすがりするなら、私より青山さんのほうが詳しいじゃないの」
青山夫人はとてもいい人なんだけど、昔から何かにすがるのがお好き。
体が丈夫でないのもあって、これまで何かあるたびに
さまざまな場所で、やれお祓いだ、ご祈願だと
スピリチュアル・ジプシーを重ねてきた。
こういうのって、癖になるらしい。
ジプシーを続けるうちに、自身も少々“見える”ようになったとおっしゃる。
「体調が悪い時、ああ、私を救えるのは○○稲荷しか無い！とひらめいてね
這うようにして、お祓いを受けたの」
「亡くなった兄が夢枕に立つと、悪いことが起きるの」
などと、違和感満載のオモシロ語録は多い。
以前病気になった時、私の友人の旦那におすがりなすったこともある。
この旦那、市外にある大きな寺院の僧侶。
決して怪しい所ではなく、由緒正しき古寺である。
そのお寺が霊験あらたかという話を聞いた青山夫人は
つてを頼って、お祓いに出かけたそうだ。
お祓いは神社の専売特許だと思っていたが、寺院でもできるらしい。
ただし、それで病状が改善したかどうかどうかは聞いてない。
聞いてないということは、いまひとつパッとしなかったのだろうと察する。
その後、青山夫人は私の家で、その友人と写っている写真を見つけ
「何でお聖人（しょうにん）様の奥様がここに？！」
と驚いていた。
仲良しの友人だと言うと、感激して
「やっぱりみりこんさんと私には、仏縁があるんだわ！」
と涙を浮かべていた。
以来、仏縁の人として、夫人は私をとてもかわいがってくれる。
しかしそのお聖人、お寺の住職とは世を忍ぶ仮の姿。
浮気はするわ、キャバクラ通いが好きだわ
とんでもねぇなまぐさ坊主である。
友人は商売柄、人に話すこともできず
寝たきりの舅の世話や寺の雑務をこなしながら、長年一人で苦しんできた。
あんななまぐさ坊主でも、祓うだの救うだの
人智を越えた行為が可能なものであろうか。
毒をもって毒を制すということなのだろうか（冗談です）。
だったらうちの夫なんて、もはや神仏の域ではないか（冗談です）。
「休職が長引いたら解雇になってしまうから、急ぎたいのよ。
拝み屋さんがいないんだったら、またあのお聖人の所へ
息子を連れて行ってみようかしら。
みりこんさん、ついて来てもらえない？」
「よしなさい、よしなさい」
理由をしゃべるわけにはいかないので、ただ止めるしかない。
営業妨害になろうが、あんなヤツに高いお金を払うことはないのだ。
そんなお金があったら、息子さんにおいしいものでも食べさせてもらいたい。
「私が愛読しているエ○ラさんやシ○さんの本を渡したら
投げつけられて…もう、どうしていいやら…うっう…」
夫人が泣き出したので、とりあえず電話を切って、彼女の家に駆けつけた。
数百メートルの距離ではあるが、走ったので暑いのなんの。
汗が止まらない。
「私のために、こんなに汗びっしょりになって…
ありがとう！みりこんさん！」
夫人は感激した。
「いや、これは更年期障害で…」
そんなこと聞こえちゃいない夫人は、涙を拭きながら言う。
「そばで親身になってもらいながら
遠くの何かに頼るなんて、私、間違ってた」
「いや…更年期しょ…」
「いいの！
あなたの言いたいこと、わかります！」
「ち…ちが…」
「私、頑張る！
母親だもの！
みりこんさん、気がついたことがあったら、何でも教えて！」
我がナイアガラの滝は、彼女にうるおいをもたらしたようだった。
そう言えば奉仕作業なんかで、私だけ汗だくになるので
人一倍働いたように思われて、ねぎらいも人一倍だったような…。
更年期も悪くない。
「あの…変なこと聞いて悪いけど…
どこか見てくれるところ、知らない？」
“見てくれるところ”というのは、拝み屋さんのこと。
霊能力で困り事の相談に乗る人である。
２～３０年前まで、このあたりには
一町村に数人の割合で拝み屋さんがいた。
普通の家の、普通の年配女性がほとんどで
霊能力で問題解決というよりも、女性や老人など弱者の気休め機関
といったおもむきだった。
現在はそのほとんどが他界し、拝み屋さんという商売は聞かなくなった。
もしまだいたとしても、とても紹介する気にはなれない。
その時は気が紛れても、後で何かとトラブルが多いからだ。
紛失物は、たいてい身近な誰かの出来心と言われ
家庭不和や人間不信をもたらした例は多い。
泥棒の仕業にすれば、警察が介入して厄介なことになるからだ。
精神の病や争いごとを除霊してもらって
ますます悪化したのも、子供の頃に見ている。
青山夫人は、絞り出すような声で言う。
「３５才の息子が精神的に具合悪くなっちゃって
今、休職して関東から帰省してるの。
カウンセリングに通っているんだけど、はかばかしくなくて…。
どこかへおすがりしたいと思うのよ」
「おすがりするなら、私より青山さんのほうが詳しいじゃないの」
青山夫人はとてもいい人なんだけど、昔から何かにすがるのがお好き。
体が丈夫でないのもあって、これまで何かあるたびに
さまざまな場所で、やれお祓いだ、ご祈願だと
スピリチュアル・ジプシーを重ねてきた。
こういうのって、癖になるらしい。
ジプシーを続けるうちに、自身も少々“見える”ようになったとおっしゃる。
「体調が悪い時、ああ、私を救えるのは○○稲荷しか無い！とひらめいてね
這うようにして、お祓いを受けたの」
「亡くなった兄が夢枕に立つと、悪いことが起きるの」
などと、違和感満載のオモシロ語録は多い。
以前病気になった時、私の友人の旦那におすがりなすったこともある。
この旦那、市外にある大きな寺院の僧侶。
決して怪しい所ではなく、由緒正しき古寺である。
そのお寺が霊験あらたかという話を聞いた青山夫人は
つてを頼って、お祓いに出かけたそうだ。
お祓いは神社の専売特許だと思っていたが、寺院でもできるらしい。
ただし、それで病状が改善したかどうかどうかは聞いてない。
聞いてないということは、いまひとつパッとしなかったのだろうと察する。
その後、青山夫人は私の家で、その友人と写っている写真を見つけ
「何でお聖人（しょうにん）様の奥様がここに？！」
と驚いていた。
仲良しの友人だと言うと、感激して
「やっぱりみりこんさんと私には、仏縁があるんだわ！」
と涙を浮かべていた。
以来、仏縁の人として、夫人は私をとてもかわいがってくれる。
しかしそのお聖人、お寺の住職とは世を忍ぶ仮の姿。
浮気はするわ、キャバクラ通いが好きだわ
とんでもねぇなまぐさ坊主である。
友人は商売柄、人に話すこともできず
寝たきりの舅の世話や寺の雑務をこなしながら、長年一人で苦しんできた。
あんななまぐさ坊主でも、祓うだの救うだの
人智を越えた行為が可能なものであろうか。
毒をもって毒を制すということなのだろうか（冗談です）。
だったらうちの夫なんて、もはや神仏の域ではないか（冗談です）。
「休職が長引いたら解雇になってしまうから、急ぎたいのよ。
拝み屋さんがいないんだったら、またあのお聖人の所へ
息子を連れて行ってみようかしら。
みりこんさん、ついて来てもらえない？」
「よしなさい、よしなさい」
理由をしゃべるわけにはいかないので、ただ止めるしかない。
営業妨害になろうが、あんなヤツに高いお金を払うことはないのだ。
そんなお金があったら、息子さんにおいしいものでも食べさせてもらいたい。
「私が愛読しているエ○ラさんやシ○さんの本を渡したら
投げつけられて…もう、どうしていいやら…うっう…」
夫人が泣き出したので、とりあえず電話を切って、彼女の家に駆けつけた。
数百メートルの距離ではあるが、走ったので暑いのなんの。
汗が止まらない。
「私のために、こんなに汗びっしょりになって…
ありがとう！みりこんさん！」
夫人は感激した。
「いや、これは更年期障害で…」
そんなこと聞こえちゃいない夫人は、涙を拭きながら言う。
「そばで親身になってもらいながら
遠くの何かに頼るなんて、私、間違ってた」
「いや…更年期しょ…」
「いいの！
あなたの言いたいこと、わかります！」
「ち…ちが…」
「私、頑張る！
母親だもの！
みりこんさん、気がついたことがあったら、何でも教えて！」
我がナイアガラの滝は、彼女にうるおいをもたらしたようだった。
そう言えば奉仕作業なんかで、私だけ汗だくになるので
人一倍働いたように思われて、ねぎらいも人一倍だったような…。
更年期も悪くない。
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よい結果が出て、さすがみりこんさんです！
私もこのブログで過去ログを読み耽った時は滝に打たれたようでしたから。
ま、これは別として、滝汗って本当によく言ったものですね。
自分の身に降り懸かると気が弱るかな？と思いましたが、大きなタオルハンカチと団扇片手にガハハっと笑える自分で助かりました。
しかしよくもまあジャージャー出るもんです。
よくそんなに水が備蓄されてるな…って、自分で感心するぐらい。
何年経ってもおさまりませんが、汗ですむなら
ラッキーかもしれません。
いかにも一生懸命みたいに見えて、いいこともあるし（笑）
タオルハンカチとうちわは必需品ですね。
ガハハと笑って、やり過ごしましょうぞ♪
タオルの”滝沢商”のロゴが妙に気になるんですけど（笑）
わたしも今日は汗だくで花壇に花の植え付けしてました＾＾
なまぐさ坊主！
実はわたしもし長男である父が家業継いでたらその長男であるわたしも坊主でした（汗）
父が継がなかったんで次男の叔父が継ぎ
いとこが今は継いでますが
明らかになまぐさ坊主の様相を呈してますので・・
信用するに足りません(笑）
滝沢商店のタオルで、ローカルな雰囲気を出してみました。
シーバスさん、なまぐさ坊主の予備軍！
いやいや…お寺もいまどきは人気商売ですから
向いてると思いますよ。
酸いも甘いも噛み分けて、人々を優しく楽しく導きそう♪
遊びたい時もありますね
住宅ローン、光熱費を払ってもらっていたのも守られていたのかなぁと思いました。
まつげパーマとエクステを再開すること。少しでも自信を持ってもらえたら嬉しいですね。
ですね(笑
実母の小学校の同窓生にも、ナマグサ坊さんがおります。自治体の議員を長く務める彼は、小学校のころは、色んな意味で、どうしようもなかったそうですが‥いまも、公人として、どうしようもない男です。
汗をかく事は大切なようです。
青山夫人にも一役、姐様の体温調整する役目に二役の滝汗さん！
お疲れさまです＆良い仕事してくれましたね(^_^)
青山夫人の発言が ちょっと昔に聞いた義母さんの発言と似ていて笑ってしまいました。
何かにすがりたくなる気持ち わかります(^_^;)
でも結局は 自分自身なんですよね…。
自分の考え方を変えなければ また同じ問題にぶつかって堂々巡りをするような気がします。
自分の非を認め過ぎるのも他人の非のせいにするのも良くない。悪いところばかり目を向けるから苦しく思うような…。
苦しく思う時こそ 良いところを見つけ感謝し 考える方向をチェンジ！
最近 やっと出来るようになったかな？と思います。
姐様 ありがとうございます♪
昼間のバイト先で、私が辞める事を決めた直後によその会社に面接を受けに行った社員がいて 私より先に辞めるという事態になっています。
4人しかいない会社のうち 2人が辞める…。社長を入れて3人しか残らない。
次の方がすぐ見つかるなら良いのですが…。
そう思うと、悪い事をしたような気持ちになっています。
社長は出来ると判断したからだと思ってるのですが 社長も常勤しているわけでもないので残りの方々に負担をかけてしまいます。
もう一人の社員が私が辞めるという前に辞めてくれていたら…と思うと こんなに迷惑をかけなくても済んだんじゃないかと…。
今更言っても仕方ないのですが、愚痴っちゃいましたm(_ _)m
もう３週目ですからね。
だんだん平気になっていきますよ。
そのうちどうでもよくなって自由を満喫し
「なんだ、今週はいるのか…どこか行けばいいのに」
と思うようになったら、時間差を経て外泊も終わりますよ。
遊びたいうちは、存分に遊ばせてあげてください。
舅や姑と同居で外泊されてごらんなさいよ。
家事はいつもと変わらずこなさないといけないし
せっかくいないのに、親の方がソワソワ落ち着かなくて
いつも以上に監視の目が厳しくて、好きなことは出来ないし
「なんで帰らないんだ」とか、わかりきってんのにグズグズ言われてさ
しまいには「何もかも嫁のせい」で終了。
おもろないで～。
「おまえらも、どっか行けや～！」って、叫びたかったわよ。
未来に目標を持って、楽しく活動している自分を想像するのは
いいことですよ。
説得なんかしなくても、汗のひとつも見せりゃいいってね（笑）
それに体温がグッと上がるってことは、もしかしたら
がん細胞の増殖も、ある程度抑制できてるんじゃないかと
勝手に考えているんですが…ハハ。
＞公人としてどうしようもない男（爆）
どんな職業でも欲望の強い人はいるんでしょうけど
ひとつ間違えると聖職の上に公人だけに、あざとさ百倍ですね！