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殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

ええ〜?!・3

2023年02月27日 13時19分24秒 | みりこんぐらし
事故以来、夫は運転は慎重になったようだ。

今までは荒い運転を注意すると、誰でもそうだろうけど機嫌が悪くなり

「こっちは悪うない」、「ぶつかったら諦めるんよ」

などとうそぶいて思考停止していたのが、丁寧な運転をするようになった。

痛い目に遭わないとわからない、典型的なタイプである。


さて1月19日の事故から数日後、本社から長男に連絡があった。

17年間、無事故無違反の実績で、トラック協会から表彰されることが決まったそうだ。

これには家族一同、「ええ〜?!」と叫んだ。


運転を職業にしている人の中で、ここまでのロングランはあまりいないそうで

協会の管轄でも該当者は数名だという。

本社の傘下でも初めてのただ一人ということで、社長以下、本社はたいそう喜び

27日の表彰式には仕事を早退して、何が何でも行くよう言われた。

良いことで会社の名前が公になり、表彰という現実的な形を成したことは

我々が考える以上に嬉しいらしい。

親父は交通事故でしぼられ、息子は無事故無違反で表彰。

皮肉なものである。


当日はダイちゃんを露払いに従えて、長男は市外で行われる表彰式に出かけた。

ダイちゃんが付き添いを買って出たのは、もちろん外出して時間を潰せるからだ。

表彰式の後で行われるはずだったパーティーは、コロナが再び勢い付いてきたということで中止。

表彰者には、その代わりとして記念品と菓子折りが与えらた。

後で長男が言うには、お酒を飲むつもりでやって来たダイちゃんは残念そうだったらしい。


この日はたまたま我々夫婦の43回目の結婚記念日で

我々夫婦も何だか嬉しかったが、長男の表彰を聞いてもらいたいわけではないのだ。

ひとたび表彰なんかされたら、その後のプレッシャーが大きくなる。

本社からは額縁が届き、賞状を入れて事務所に飾るようにとも言われたが

もしもこの先で事故や違反があったら、これは取り外さなければならない。

その時は、さぞや惨めであろう。

長男には気楽に仕事をさせてやりたいのが親心さ。


で、私が言いたいのは、その後のこと。

表彰式の数日後、家の電話に名前を名乗らない男性から

長男に電話がかかるようになった。


家の電話にはヨシコが出る。

いつも絶対に出る。

そして電話の相手に

「今日は仕事が早く終わったんで、さっき遊びに行きましたよ。

釣りじゃないかしらん」

なんてベラベラしゃべりまくっている。

電話を切ってから、長男に用があったこと、相手は誰だかわからないことなどを伝えるので

「名前を言わん人に細かいことをしゃべったらいけんよ。

最初に名前と用件を聞かんと」

私は言うが、どこ吹く風だ。


この電話と私の小言は1日1回、4日間続いた。

かけてくるのは毎回、昼間なので長男は仕事でいないため

電話の男とはすれ違ったままだ。

しかし私には、だんだん相手がわかってきた。

数年前、ダイちゃんの後継者として本社に入社したS君、30代である。


4回目でやっとヨシコが名前をたずねると

「本社のSと言います」

やっぱりね。


S君は、若いに似合わず気むずかしい子だ。

見た目は小太りのホンワカキャラでも、性格はホンワカしてない。

ダイちゃんと会社に来ても、口を開けば「眠い」、「給料上げて欲しい」と愚痴が多く

とっても感じが悪い。

気持ちはわかるのよ。

立ち回りがうまくてズルいダイちゃんから面倒な仕事ばっかり押し付けられ

毎日が限界モードだろう。


さらに彼は入社当初、ダイちゃんの宗教勧誘を一発で断っているので

その報復も加味されているのは明白。

彼の少し後に、やはり同じ年頃のM君がダイちゃんと同じ経理部に採用され

S君と仕事を分け合っていた。

しかしこのM君は、ダイちゃんの宗教勧誘をきっぱり断れなかった。

会合に何度か連れて行かれた挙句、ノイローゼ状態になって去年、退職してしまった。

優しくて感じの良い男の子だったので、残念だ。


それはともかく、長男に用があるなら会社か携帯にかければいいものを

わざわざ家にかけてくるS君は変だ。

それに一応は社会人なんだから、電話をかけたら名前を名乗ればいいではないか。

父親は高校の先生だというし、自身も教師を目指した時期があると聞いていたので

それくらいの常識はあって当然だろう。

ひょっとして、とうとう病んだのだろうか?


S君に連絡してみるよう長男に勧めたが

「おらんとわかっとるのに家に電話してくるヤツなんか、不気味じゃけん話しとうない」

と、けんもほろろなので結局、夫がS君に連絡。

例の表彰を社内報に載せることになったので、100字程度のコメントを書いて

本社に提出して欲しいという用件だった。

S君は通常の仕事の他に、年に数回発行する社内報の作成も一人で担当しているのだ。

性格同様、ちっとも面白くない社内報だが、彼が激務で不安定になるのも無理はないかもよ。


長男にコメントを書けと言っても書くわけないので、我が家の筆先女である私が代行。

S君の社内報作りが少しでも楽になればと、マンガめいたイラストも添えた。

ずっと前にこれをやったら、スペースが埋まったと喜んでくれたからである。

病んでいるらしき今は知らないけど。



さて前回、夫と義母ヨシコの交通事故で、二つの問題が発生したとお話しした。

一つは、事故に遭った社用車に部外者のヨシコが同乗していたこと。

そしてもう一つは事故の翌日、大切な試験を控えていた夫が

首と腰をやられて行けなくなったことである。


この試験は産業廃棄物収集運搬免許を更新するためのもので、5年に1回巡ってくる。

あの夫で何とかなるのだから、そう難しい試験ではないらしいが

この免許を取得したら5年毎に試験を受けて合格する必要がある。

流してしまったら仕事ができなくなるばかりか

グリーンナンバー、つまり人や物を運ぶことで利益を得る営業ナンバーを失うからだ。

この免許はうちらダンプ屋稼業にとって、大型運転免許の次に重要なものなのである。


今回の更新はコロナを考慮して、5年前までとは違う形式だ。

まる2日間の事前講習はリモートで済ませ、試験だけを広島市内の会場で受ける。

夫はリモート講習を事務所で済ませ、あとは試験だけになっていた。

が、行けなくなったのだから日程を変更するしかなかった。


試験はそう毎日行われているわけではないが、この免許が必要な会社はたくさんあるので

月に一度ぐらいは中国地方のどこかでやっている。

このような資格の手続き全般は、S君の担当だ。

彼は1ヶ月後に同じ広島市内の同じ会場が取れたと、すぐに連絡してくれた。

過去、日程がうまく合わなかった時は

講習と試験を追いかけて山陰まで行ったこともあるので

同じ広島県内で済むなら、その方がありがたい。


で、事故から1ヶ月が経った先日、うちらは広島へ行った。

事故からこっち、慎重になっている夫は、私を誘って新幹線で行くつもりだったが

ちょうど次男のダンプが車検に入ったので、彼が車で連れて行ってくれると言い

親子3人で出かけた。

《続く》
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