火曜日の朝日カルチャーのクラスが1日から始まるというので、なんとなくあらたまった気分で自宅を出た。
朔日というのは、「月が遡(さかのぼ)る」つまり、「はじめにもどる」「はじめの一歩」ということで、そういう感じがするのだろうか。
やっぱり「陰暦」で日本の暦は出来上がっているわけで、四季の移ろいからも「旧暦」を使ったほうが合っているだろう。
とはいえ、国際化の時代に逆行する感覚だとして、一笑されること間違いない。
しかし、「朔日」という文字は味わい深い文字だ。
循環の思想は、輪廻転生とも通じるし、などと勝手な理屈をつけて、文字を好むのは野口先生譲りである。
火曜日は朝10時からはじまるので、9時少し前に自宅を出る。
今日のテーマは、『原初生命体としての人間』第三章「生き方と息方」の先週の続きだ。
先週は、テーマに加えたエピソードが重すぎたきらいはあったが、真剣なまなざしで聞いてくださる方がほとんどで、思い切りはなしをしてしまった。人生経験が豊かな方々の集まりの醍醐味である。
で、今日は、その補足として、『原初生命体としての人間』の他の章からの参照と『野口体操 からだに貞く』からの参照文献を挙げながら、すすめる案をたてて出てきた。
野口先生が定義された「もの」と「こと」、「関係」、「気持ちがいい」、「原初生命体感覚」について、取り上げてみたいと思っていた。
今日に限ったことではないが、本を読むということは、そのつど新しい発見に満ちている。今日の今日まで、気がつかずに読み過していたことに、「ハッと気付かされる」その面白さは、本でなければ味わえないのではないかと思っている。いや、本だから、それが可能だ!
道々、なんとなくレッスンのイメージを浮かべながら、いつものようにいつもの道を通って駅まで行く途中、思いがけない出来事に遭遇した。
夕方になるとネオンがチカチカ、夕方にならなくても昼間だってギンギラした外装の大きなパチンコ屋の前を通りかかったときのことだ。
店員さんらしい若者が、まだ閉まっている入り口近くにしゃがみこんでした。
横目でチラッとみると、彼の足元に「天塩」と赤い文字で書かれた塩の袋に吸い寄せられた。
「ウム…、なんで?」
それから視線を横にずらすと、今度は一升瓶が塩のそばに置かれているのに気付く。
若い店員さんは、しゃがみこんだまま白い紙をポケットから取り出した。
思わず立ち止まってしまった。
「朝っぱらから、ここで塩をなめてお酒を飲もうっていうの!」
すると彼は入り口の左右に、四角く切った白い紙を置き、盛塩をし始めた。
「今日は、新台入れ替えの新装開店なの」
「いえ、月初めなので」
「なるほど。縁起をかつぐのね」(←これは言葉にしなかった)
盛塩をしてお神酒をあげる祈りの儀式を、ひとり執り行うとところに通りかかったわけだった。
「まぁ、いいことね」
いつもの開店中の騒音や、賑々しい外装の店にいる表情とはうって変わって、あどけない表情をみせ「お気をつけて」といいながら、嬉しそうに笑った。
今日は、葉月朔日。
いい一日のはじまりだった。
朔日というのは、「月が遡(さかのぼ)る」つまり、「はじめにもどる」「はじめの一歩」ということで、そういう感じがするのだろうか。
やっぱり「陰暦」で日本の暦は出来上がっているわけで、四季の移ろいからも「旧暦」を使ったほうが合っているだろう。
とはいえ、国際化の時代に逆行する感覚だとして、一笑されること間違いない。
しかし、「朔日」という文字は味わい深い文字だ。
循環の思想は、輪廻転生とも通じるし、などと勝手な理屈をつけて、文字を好むのは野口先生譲りである。
火曜日は朝10時からはじまるので、9時少し前に自宅を出る。
今日のテーマは、『原初生命体としての人間』第三章「生き方と息方」の先週の続きだ。
先週は、テーマに加えたエピソードが重すぎたきらいはあったが、真剣なまなざしで聞いてくださる方がほとんどで、思い切りはなしをしてしまった。人生経験が豊かな方々の集まりの醍醐味である。
で、今日は、その補足として、『原初生命体としての人間』の他の章からの参照と『野口体操 からだに貞く』からの参照文献を挙げながら、すすめる案をたてて出てきた。
野口先生が定義された「もの」と「こと」、「関係」、「気持ちがいい」、「原初生命体感覚」について、取り上げてみたいと思っていた。
今日に限ったことではないが、本を読むということは、そのつど新しい発見に満ちている。今日の今日まで、気がつかずに読み過していたことに、「ハッと気付かされる」その面白さは、本でなければ味わえないのではないかと思っている。いや、本だから、それが可能だ!
道々、なんとなくレッスンのイメージを浮かべながら、いつものようにいつもの道を通って駅まで行く途中、思いがけない出来事に遭遇した。
夕方になるとネオンがチカチカ、夕方にならなくても昼間だってギンギラした外装の大きなパチンコ屋の前を通りかかったときのことだ。
店員さんらしい若者が、まだ閉まっている入り口近くにしゃがみこんでした。
横目でチラッとみると、彼の足元に「天塩」と赤い文字で書かれた塩の袋に吸い寄せられた。
「ウム…、なんで?」
それから視線を横にずらすと、今度は一升瓶が塩のそばに置かれているのに気付く。
若い店員さんは、しゃがみこんだまま白い紙をポケットから取り出した。
思わず立ち止まってしまった。
「朝っぱらから、ここで塩をなめてお酒を飲もうっていうの!」
すると彼は入り口の左右に、四角く切った白い紙を置き、盛塩をし始めた。
「今日は、新台入れ替えの新装開店なの」
「いえ、月初めなので」
「なるほど。縁起をかつぐのね」(←これは言葉にしなかった)
盛塩をしてお神酒をあげる祈りの儀式を、ひとり執り行うとところに通りかかったわけだった。
「まぁ、いいことね」
いつもの開店中の騒音や、賑々しい外装の店にいる表情とはうって変わって、あどけない表情をみせ「お気をつけて」といいながら、嬉しそうに笑った。
今日は、葉月朔日。
いい一日のはじまりだった。