大宮駅を東口に降りて右方向へ行くと通称「南銀」と呼ばれている繁華街の通りがある。その繁華街の中ほどにその店はある。紺地に白の「魚や」の暖簾が目印だ。この場所はどちらかというと、南銀でもスナックなどの店が多くある通りで、女性などが一人で来るにはちょっと入りずらい場所である。
入口は狭いが中に入ると案外広く、カウンターは10~12人には座れそう。右手の小上がりにも2テーブルほどある。大体、いつも七時過ぎにはサラリーマン客を中心に一杯になる。
この日は友人と二人で暖簾をくぐった。呑み物はとりあえず、生ビール。肴には「白子焼き」と「北海たこ刺し」「栃尾油揚げ」をまずもらう。この白子焼きは風味といい、舌触りといい絶品である。晩秋から3月初旬までの季節商品とのこと。この前行った時はギリギリでまだあった。
呑み物を日本酒に切り替え、まずは宮城の「浦霞」。肴がいいので杯も進む。次は気になっていた秋田の「能代」をたのむ。この酒がまた、すっきりとしたいい酒だった。前回来た時には品切れになっていた「さば塩焼き」を追加でもらう。できるまで、「塩辛」「お新香」などでつなぐ。15分もたったろうか、見た目もとても美味しそうな「さばの塩焼き」が登場。大ぶりだが、身はしまっていて、ほどよく脂ものっている。これは、これは、大変に旨い。
こうなると、気になっていた「鮭ハラス焼き」ももらってしまう。これも十分美味しかったのだが、脂がこってりとのり過ぎていて、満腹に近い状態のオジサンにはちょっとくどかった。口直しと言ってはなんだが、さっぱりと「焙り明太子」をいただく。これまた、風味と塩加減がほどよく、お茶漬けにしたいぐらいであったが、もう入らない。酒の友としていただいた。
ということで、酒の方も大分呑んだ。ただし、沢山食べたのでそんなに酔った感じはしなかった。魚はどれも新鮮で包丁を握るご主人の腕もたしかだ。酒も美味しいし、雰囲気もいい。友人に教えてもらったのであるが、大宮にもいい店があったものだ、と感心した次第。
<これが「白子焼き」だ。冬場しかない、季節モノ。>
<こちらは「焙り明太子」。白いご飯が欲しくなる。>