萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

鮨。

2010年03月26日 | 酒食・グルメ?

<どれも旨かったが、手前右の穴子焼きはことのほか美味であった。>


昨晩、札幌にいる兄が出張で仙台に来た。食事でもしようということになった。仙台は初めてだというので、牛タンでも、と思ったがちょっと安易すぎるので鮨屋を予約しておいた。案の定、牛タンは昼飯で食べた、という。

昨日はラーメンの話を書いたが、ラーメンにしろカレーにしろ元は中国やインドから伝播してきたのを日本風にアレンジして、国民食ともいえるレベルにまで改良したモノである。基本的にこういうのは日本人の得意技だ。

中国から漢字を輸入してきて、ひらがなとカタカナを発明して日本語を作ったり、種子島に一丁の鉄砲が伝わるや否やあっという間に国産化して、長篠の戦で信長は三千丁の鉄砲隊を組織した。鉄砲が種子島に着いてわずか32年後のことである。

現代においても、クルマ、カメラ、ラジオ、テレビと輸入したものを国産化して、輸入元をしのぐ、という例は枚挙にいとまがない。反面、日本で発明したモノとか文化は乏しい。相撲や剣道、柔道などの格闘技にはオリジナル性が強いものが多いが、数はしれている。

そんな中で「鮨」は、特に、江戸前鮨は完全な日本のオリジナルである。酢飯に生の魚を載せて食べる、という発想は誰が考えたか知らないが非常にユニークだと思う。江戸前(東京湾)で獲れる様々な魚の味わい方として、これ以上のものはないのではないか。

海外でも鮨は食べることができるようになった。小生も上海やニューヨークの日本料理店で食べたことがあるが、微妙な味で、それは、素直に鮨だとはいえないシロモノであった。もちろん、旨いとは思わなかった。

鮨は日本でしか食べることができないものだ、とその時思った。日本人に生まれてよかったとも思った。しかも、日本では珍しい独自の食文化である。そのことを考える時、さらに誇らしく思えてしまうのだった。
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