萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

バリ島 交通事情

2008年01月29日 | その他旅行
 ヒンドゥー教のバリ人はバリ島に渡って来る前はジャワ島に暮らしていた。しかし、島に入ってきたイスラム教勢力の伸張とともに、バリ島へ移住したそうだ。したがって、現在イスラム教徒が90%を占めるインドネシア共和国に属するバリ島だが、ここの宗教は未だヒンドゥー教が大半だ。ジャワ島とは最も狭いところで3kmというバリ海峡を境に宗教の自由は守ってきたのだ。

また、バリ島は食料が豊富に育つ土地で、米は二期作から三期作が可能だそうだ。農民は朝夕それぞれ2、3時間働けばよく、残りの時間は絵画、彫刻、音楽、舞踊などの芸術的創作活動に当てられ、芸術の島として世界的に知られるようになった、という。“地上の楽園”といわれる所以である。

但し、観光地化された昨今では、いい事尽くめでは無い。


<バリ島でも渋滞はすごい。>

1月20日付けの日経新聞に、インドネシアでも「渋滞・大気汚染が深刻に」なっている、という記事が載っていた。以下引用すると

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人口一千万人を超すジャカルタは東南アジア最大の街だが、都市交通網の整備の遅れが響き、渋滞は慢性化。排ガスで覆われた中心街は高層ビル群の姿が霞むほどだ。打開策として打ち出したバス専用レーンの工事で、逆に道路混雑が激しくなる皮肉な現象も起き、市民の健康被害も深刻になっている。

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高層ビルが大気汚染で霞んで見えるという体験は、小生も上海などである。雲が低いというか、特に夜景において異様にみえる。人間社会に対する“天からの警告”にふさわしい、不気味さであった。

さらに記事では渋滞について、

「ジャカルタには400万台を超えるクルマと無数のバイクがあふれている」

「首都圏の自動車保有台数はここ数年、年平均で約一割増えているが、道路の拡張は年0.01%にとどまる。」

「雨季の為に道路が冠水して、渋滞が悪化すると一時間で100mしか移動できない」

など、“渋滞ぶり”の記事が並ぶ。これにともなう大気汚染もひどく、

「ジャカルタでは06年、大気の状態が『良好』と判断された日は、わずか26日しかなかった。」

「喘息を訴える子供達が増え、呼吸器系の疾病が死亡原因のトップになった」

などの記事が続く。

昨年12月にバリ島で行われた国連関係の会議でユドヨノ大統領は「バリのような楽園を地上から失ってはならない」と訴えたそうだが、バリ島でもクタやウブドの街中の渋滞はタダならぬものに見えた。(上の写真はナマやさしい。街中ではクルマと無数のバイクでごった返していた。)

イスラム教の進攻を阻止したバリ島でもモータリーぜーションの波は防げなかった、ということかもしれない。
コメント
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