日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「指示語」は、簡単なものならどうにかなったけれども、「接続詞」は入れる時期を間違えると、……ということになってしまう、いや、なってしまった。   

2024-06-05 08:09:50 | 日本語学校
晴れ。

もう、そろそろ「梅雨入り」かと思っていたのに、最近、朝は「晴れ」と「曇り」の日が続いています。もっとも大気は相変わらず不安定で、急に黒雲が広がり、雨がザッと降って来たりしますから、油断はできません。それに、多分、そのせいなのでしょう、特に、午後のクラスで風邪で休む人が増えています。今日はこちらの席、明日はあちらの席といった具合に、だれかしら休んでいますね。電話で訊くと、「風邪です…」。直ったと投稿してきても、ゴホン、ゴホンと、咳が続いている…。

さて、学校です。

小中学校の「国語」の教科書や問題集を参考にして、「指示語」と「接続詞」の練習をしてみたのですが、うまくいってほっとできた「クラス」と、うまくいかなくて、早すぎたかと後悔させられた「クラス」とが出てしまいました。うまくいかなかったクラスは、どうも早すぎたようです。

これも、10年ほど前にベトナム人学生にやってみて、「うまくいった」ので、ちょいとばかり味をしめてやってしまったとのですが。どうもやるべき時期というか、ある時期を超えねばやっても意味がないというか、そういうのがあるようです。

「Aクラス」の「N3組」には、やっているうちに、判りかけているのが、何となくですが、見てとれました。あとは文章を、少しでも多く読むしかないのでしょう。一方、「Bクラス」の「N3組」には、早すぎたようです。単語の量も足りなかったのでしょう。

この「時期」というもの、難しい。嵌まれば、こちらが思っているよりもずんと効果が出るものの、早まれば、やればやるほど墓穴を掘るような結果になってしまうし、また遅すぎれば、なんとも味気ないものになってしまう。いやあ、難しい…。ただ7月の試験は待ってくれませんから、ついつい、焦ってやって失敗してしまうという轍を踏んでしまう。

いけませんね。

ただ、「Aクラス」の「N2組」は、「日本留学試験」の「聴解・超読解」の過去問をやることによって、「接続詞」の必要性が判ったようで(この問題は彼らにとってかなり難しかったのですが)、それが判っただけでも、模擬試験をした意味はあると思います。

このように、学校での勉強は、学生が食いついてくれば来るほど、こちらも、内容を濃くしたり、多くしたりすることができるのです。が、反対に、学校に来て座っているのがやっと、あるいはクラスで出される宿題をそれなりにやるので手一杯、それ以上やる習慣もやる気もないといった人達には、「たったこれだけしか学ばずに卒業か」と、ある意味、こちら側としても、やるせない思いを抱かされることもある…。

高校を出たばかりの「中国人学生」が何人もいた頃には、(勉強の習慣が失われる前に来ているので)彼ら、よく勉強していましたね。アルバイトが三時からだから、二時間くらい学校で勉強してから行くと言って残っていました。もっとも、最初のうちは、残って一緒にご飯を食べたり、おしゃべりしたりするのが楽しかったようです。

ところが、ある日を境にガラリと変わって勉強するようになった。あれ?おしゃべりの声が聞こえないと見に行くと、勉強していたのです。…えっ。勉強している…。驚いた。

で、訊いてみると、もう一人、在日の人が加わったのだそうな。そして夢中でおしゃべりしている彼女らを、「うるさい。勉強できない」と叱ったのだそうな。「あんた達、どういうつもりでここにいるの。私なんか勉強したいのに、時間がない」。「勉強しなさい」。

面白いですね。私たちが100万言費やしたとしても、おそらく、首を引っ込めて、嵐の過ぎるのを待つ…だけであったろう彼女らも、身近な人に、厳しく言われると、ハッとなって、自分たちの立場を思い知ったようです。この三人も無事に志望大学に入れましたから、本当は、その人が、一番の恩人なのでしょう。最初は煙たかったようですけれども。

このときは、4月に来て次の年の7月には「N1」に合格し(一人は不合格でしたが、点数の上ではそれほど遜色なかった)、すぐに「新聞」や「雑誌」の切り抜きを使って時事問題を、また高校の教科書やDVDなどを使って「世界史」なども勉強させることができました。彼ら、そういう面での知識がほとんどなかったのです。国によって教えられる内容どころか出来事自体にも、差があるのだということを、思い知らされたような「時代」でしたが。今の学生達は、それどころではないでしょう。

日々是好日
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