晴れ。寒い。
さて、学校です。
「年」と「曜日」、「午前」「午後」などの漢字が自然に出てくるようにと、時々、「ディクテーション」とは別に、その前に、「さて、今日は何年、何月何日、何曜日」などと問い、それを書いてもらっているのですが、それが一応できるようになりますと、少しずつ、漢字を増やしていっています(もちろん、簡単な、「お天気はどう?晴れ?曇り?雨?また、寒い?暑い?」などで、「あ~あ」とか、「忘れたァ」などという声を無視して進めていきます。
それで「Cクラス」の面々、もう慣れていたのですが、それに慣れたせいもあるのでしょう。勝手に、我から、「風が強い」とか、「花が咲いた」とか、言う人が出てきたりするのです。で、「はい、それも書きます」。途端に他の学生からブーイング、そしてその学生は「へへへへへ、しまった」。
そうですよねえ。「N5」や「N4」の漢字が書けるようになっても、すぐに新しい「N3」の漢字が始まります。また、「N3」の漢字が終われば、「N2」の漢字も待っています。覚えても覚えても、ハッと気がついたときには前に習った漢字を忘れている。困った、困った、で、みんな「困った」さんになる。
本文を読むときも、その課の難しい漢字は読めるし書けもするのに、「父」を「はは」と読んだり、「春」を「ふゆ」と読んだりする。そのたびに、「はい、『はるなつあきふゆ』を書こう」などと言われる。本当は辟易していると思うのですが、最近、少し違った傾向が出てきたようです。
間違えても、焦ったり、やる気をなくしたりが、なくなって来たようなのです。「忘れた」で、また書いて覚えを自分から進んでやるようになったようなのです。それは、最初は忘れていても、二、三日後に(忘れたであろう頃に)書かせてみると、書けるようになっているのでわかります。こうなると教員はきっかけを与えてやればよく、随分楽になります。
実は、この学校でも、「非漢字圏」の学生が大半を占めるようになってから、どの授業の時でも、教員が漢字を懸命に入れるようにし始めました(初めは試行錯誤だったのですが)。
学生にとっては大変でしょうが、「『N3』漢字」の授業の時は、当然のことながら「N3漢字」を入れていき、「読解」教材の時でも、その課に出てきた漢字を入れるようにしています。だからでしょうね。課が進むごとに、真面目にやっている学生達の「手が慣れて」いくのを感じます。
「N3」課程に入ったばかりの頃は、本当にたくさん」とため息をついていた人たちも、「たくさん」に慣れ、「見たことがある」字が増えていくと、何だか自信がついたような感じになるのです。
もちろん、間違いはたくさんありますし、それも当然のことで、私たちもそれについて文句などは言わないようにしています。
大学に入りたいからと、アルバイトをしながら、そして毎日眠い目をこすりながら学校に来て勉強している。口では厳しいことを言いはしていても、私らにしても内心では「偉いなあ。頑張っているなあ」と思っているのです。
やりたくなくてやっていないのではなく、本当に時間がなくてできないときもあるのです。ただ、そういう学生は、バイトの行き帰り、またバイトの休憩時間などに、ポケットに入れた手帳を見ながら覚えているようです。
それを最近感じました。卒業文集に、今年の卒業生が「日本語で一番難しいのは文法だ。漢字は頑張って書けば覚えられるから大丈夫」と書いてあったのです。
本当にいつの間にこんなに成長したのでしょう。皆、最初は「漢字はいやだ」と言っていましたのに。
日々是好日
さて、学校です。
「年」と「曜日」、「午前」「午後」などの漢字が自然に出てくるようにと、時々、「ディクテーション」とは別に、その前に、「さて、今日は何年、何月何日、何曜日」などと問い、それを書いてもらっているのですが、それが一応できるようになりますと、少しずつ、漢字を増やしていっています(もちろん、簡単な、「お天気はどう?晴れ?曇り?雨?また、寒い?暑い?」などで、「あ~あ」とか、「忘れたァ」などという声を無視して進めていきます。
それで「Cクラス」の面々、もう慣れていたのですが、それに慣れたせいもあるのでしょう。勝手に、我から、「風が強い」とか、「花が咲いた」とか、言う人が出てきたりするのです。で、「はい、それも書きます」。途端に他の学生からブーイング、そしてその学生は「へへへへへ、しまった」。
そうですよねえ。「N5」や「N4」の漢字が書けるようになっても、すぐに新しい「N3」の漢字が始まります。また、「N3」の漢字が終われば、「N2」の漢字も待っています。覚えても覚えても、ハッと気がついたときには前に習った漢字を忘れている。困った、困った、で、みんな「困った」さんになる。
本文を読むときも、その課の難しい漢字は読めるし書けもするのに、「父」を「はは」と読んだり、「春」を「ふゆ」と読んだりする。そのたびに、「はい、『はるなつあきふゆ』を書こう」などと言われる。本当は辟易していると思うのですが、最近、少し違った傾向が出てきたようです。
間違えても、焦ったり、やる気をなくしたりが、なくなって来たようなのです。「忘れた」で、また書いて覚えを自分から進んでやるようになったようなのです。それは、最初は忘れていても、二、三日後に(忘れたであろう頃に)書かせてみると、書けるようになっているのでわかります。こうなると教員はきっかけを与えてやればよく、随分楽になります。
実は、この学校でも、「非漢字圏」の学生が大半を占めるようになってから、どの授業の時でも、教員が漢字を懸命に入れるようにし始めました(初めは試行錯誤だったのですが)。
学生にとっては大変でしょうが、「『N3』漢字」の授業の時は、当然のことながら「N3漢字」を入れていき、「読解」教材の時でも、その課に出てきた漢字を入れるようにしています。だからでしょうね。課が進むごとに、真面目にやっている学生達の「手が慣れて」いくのを感じます。
「N3」課程に入ったばかりの頃は、本当にたくさん」とため息をついていた人たちも、「たくさん」に慣れ、「見たことがある」字が増えていくと、何だか自信がついたような感じになるのです。
もちろん、間違いはたくさんありますし、それも当然のことで、私たちもそれについて文句などは言わないようにしています。
大学に入りたいからと、アルバイトをしながら、そして毎日眠い目をこすりながら学校に来て勉強している。口では厳しいことを言いはしていても、私らにしても内心では「偉いなあ。頑張っているなあ」と思っているのです。
やりたくなくてやっていないのではなく、本当に時間がなくてできないときもあるのです。ただ、そういう学生は、バイトの行き帰り、またバイトの休憩時間などに、ポケットに入れた手帳を見ながら覚えているようです。
それを最近感じました。卒業文集に、今年の卒業生が「日本語で一番難しいのは文法だ。漢字は頑張って書けば覚えられるから大丈夫」と書いてあったのです。
本当にいつの間にこんなに成長したのでしょう。皆、最初は「漢字はいやだ」と言っていましたのに。
日々是好日