日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「クラス分け」。判らないまま、「N2クラス」にいるよりも、「N3クラス」にいた方がいいであろうに…。

2020-03-27 08:43:47 | 日本語学校
曇り。

さっきまで青空が見えていたのに、もうすっかり雲に覆われています。いわゆる「花曇り」です。

明日は、雪になるかもしれないとのこと。そう言えば、先々週の土曜日だったか、降りましたね。この時も、今時?…という感じで、皆、驚いていましたが…。

もうじき、卯月が始まろうという日に、一応「かもしれない」とはいえ、そういう予報が出されるとは。

本当に雪になりますと、もう「花冷え」などと、緩いことは言っていられません。それどころではない寒さになるのでしょうから。20年ほども前だったか、咲いた桜の上にこんもりと雪が積もったことがありました。観賞する者にとっては感動的な美しさでしたが、花にとってはどうでしたろう。たまらなかったでしょうね。それに蠢きだした虫や動物達にとってもそうでしたろう。

さて、「花曇り」の空の下、学校に顔を出す学生達がいます。このうち、二人は、毎日来ることになっています。二人とも在日の学生で、二人のうち一人は、4月から高校に入ります。もう一人はタラタラした勉強しか母国でしたことがないと思われる学生です。毎日学校に来て、勉強する習慣をつけさせるというのが目的といえば目的。それから中国人留学生が一人。日曜日、夜勤が入っているので、月曜日だけは来られませんが、それ以外は毎日来ることになっています。話したり、問題を解いたりしているうちに、「あっ。先生、○○ってなんですか」などと思い出したりすることもあるようです。4月から高校に入ることになっている学生に教えている地理など、彼にとっても参考になるようです。一緒にDVDを見たりしていますから。

問題は、あまり来ないベトナム人学生ですね。新学期になって、日本語が判らなくなっているのは、だいたい彼等です。アルバイトも、ベトナム人が多数を占める工場だったりしますし、だいたい勉強の習慣がついていない人が多いのです。

もちろん、学校に来るのは、自習のための学生達ばかりではありません。呼ばれて、「下のクラスでもう一度やり直してはどうか」という相談?(指示?)を受けるための人も数人います。

上のクラスは、中国人は1名しかいませんが、インド人と、ミャンマー人、ベトナム人数人が頑張ってくれているので、どうにかこのペースで、「7月の日本語能力試験」では、「N2」と「N1」が目指せるクラスになれそうなのです。が、このクラスには、同じ4月生と言いましても、家で勉強する習慣がない、また、教師の指示に従った勉強ができないという人も含まれています。

そういう人は、「N2」用の教材で同じように勉強していても、もう蚊帳の外状態だと思われるのです。が、だからといって、例年のように、複式学級並みに手当をしていく余裕はありません。「N2」と「N1」の学生の手当てをしていくだけで精一杯というのが現状なのです(今のところ、文法も「N2」ばかりです)。「N3」用には、同じ時間帯に「N3クラス」があるので、そこで「N3」合格を目指して頑張って欲しいのですが、なかなか「うん」と言いません。それは決して彼等にとってマイナスにならないと思うのですが。

実際に、この来年度からの「Aクラス」では「N2」文法の暗記をしています。毎日、とにかく繰り返し読んでいく(軽い説明は終わって、暗記練習に入っています。きちんとした説明は三分の一ほど終わっているようです)。4ページの暗記用プリントを2ページずつ読んでいるのですが、この間、一緒に読まずに(読めないのでしょう)、その時にルビを振ったり、次の時間の漢字テストの準備をしたりしているのです。…それはとっくに終わっているはずなのに。暗記練習の時に慌ててやっている。

こういう「家で勉強する習慣のない」人は、学校での勉強がすべてです。下のクラスであったら、教えた時間内に、十分に時間をとって、ルビも振らせますし、もっと区切って読む練習もできるでしょう。同じレベルであれば、それをだれも不満には思わないでしょうし。最も大切なことは、そのクラスでは「N3」を学んでいるということです。

彼等にとってわけのわからない「N2」の文法やら読解文やらヒアリングやらを、学校以外で勉強する気もないし、習慣もない人たちが、その唯一の勉強の時間である教室でやっているのです。「N2」どころか、「N3」も忘れてしまうのが関の山。

それを避けるために、「N3クラス」に行った方がいいと言っているのですが、どうして嫌がるのでしょうね。私達も、「N3」くらいまでなら、どうにか我慢できた(世話もできました)し、待つこともできましたが(彼等は何とも思っていなかったのでしょう。何度も、勉強の仕方なども説明したのですが)、同じような勉強の仕方では「N2」は無理です。判らないのに、じっと座っているのは、堪えられないことでしょうに。そういう状態は母国で習慣になっているから何とも思わないのでしょうか。

本当に、このクラス分け(半年くらい、時にはもっと早く、することもあります)の時が、一番悩ましい。テストの点を見せて、話しても、判らないのです。

もちろん、話したとしても、最後は、こちらの考え通りにしていくのですが。

日々是好日
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