日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「7月生」が少しずつ入ってきています。

2024-06-24 08:01:59 | 日本語学校

曇り。

気温はあまり高くはないものの、ムシムシジトジトしています。今朝「アジサイ」の花に覆い被さるように「オシロイバナ」の葉が茂っているのを見かけました。花数はそう多くはありませんでしたが、「梅雨時」特有の「ドクダミ」も花の姿が見かけられなくなりました。「梅雨」本番がやっと来たというのに、「梅雨時」の草花は足早に過ぎ去っていこうとしています。

さて、学校です。

先週、「七月生」四人がやってきました。スリランカの学生です。早速名前を書いてみるように言ったところ、最初の二字か三字ほどで、止まってしまい、互いに顔を見合わせるばかり。「N5」に合格してきたのかと改めて問うてみますと、付き添いの人が「合格している」と言います。

おそらく試験の「ためにする勉強」で終わっているのでしょう。留学生として来ていても、「ひらがな」、「カタカナ」、「数」などをきっちりと覚えてから来てる(来日)人は、案外に少なく、いくら「N5」「N4」に合格しているといっても、だいたいが「ための勉強」にすぎませんから、もう一度、端っからやり直さねばならないものなのです。つまり、それを頭に置いてから指導していかねばならないということなのです。

その上、なまじ、少々かじっているだけに、いざ、日本で始めて見ると、「それ、知っている」で、きちんとやらなくなるような人も出てくる。「読めない」のに、「知っている」はないだろうと思うのですが、「インド圏」ではだいたいが「耳の文化」ですから、「文字の大切さ」を知らしめることに、まず、手を焼いてしまう…。

もっとも、来日以前に、日本語を学ぶ上では「文字が大切である」ということが判っている人もいますし、来日してからそれができるようになる人とは、こちらが口を酸っぱくしたからわかったというのではなく、「書きなさい」「覚えなさい」と(学校で)言われるままに、素直にやっているうちに、自然に身についたというもののようなのです。

「言われるがまま」にやるというのが、違う文化圏に来たときには、如何に大切であるか。「文字」を習い、「文法」を習い、「単語」を身につけていくうちに、自然と日本の流儀を覚えていく。それができなければ、今現在も、何人かいる、「判った気」「できている気」になっている人達と五十歩百歩ということになるのでしょう。

「七月生」のクラスは7月の第二週から始まりますから、それからでしょうね。一応、「学校が始まってから、最初のうちは予習はするな」「復習に重きを置け」と言っておいたのですが、向こうで学んできた文字ともとれぬ文字を復習して、「ひらがな」の授業に臨まれてはたまりません。

(日本語を)やってきたという人達には、最初に名前を書かせて、その文字の様子を見てから、こちらも教え方、注意の仕方を考えるというのが普通なのですが、それができないようであれば、「まずは黙って学校(日本で)の勉強に臨み」、「学んだことを幾度も書き直し、形を整えていく」、それしかありません。

とはいいながら、半年経っても、一年経っても変えられない人もいます。そういう人達が、変えなきゃという気もちになるのは、専門学校を受験するための願書書きの時。「その時になってやっと」と、だいたい相場は決まっています。それまで、幾度こちらが書き直させ、練習させようとも(宿題がありますから)、同じですね。授業の時に、時間を取って書き直させなければやろうとはしません。おそらくそういう習慣もなかったのでしょう。

とはいえ、時間が限られています(長くて二年)から、毎日それができるかというと、そいうわけでもないのです。もとより、皆が皆、そういうレベルであれば、できるのでしょうが、半分ほどはきっちりやっている(人達な)ので、そうそうそれもできない。もちろん、最初のうちは、手をかけますが、これはかけるだけ無駄だと思われたら、そこは、スッパリと切って、意欲のある人達の方に時間を割くべきでしょう。そうでない人達は、低空飛行のまま、もう一度やり直すか、そのクラスでやれることをやるかにして(日本にいるので、アルバイトなどを通して、じきに「聞く・話す」はできるようになるものですから)、卒業となるのでしょうね。

尤も、かといって彼らがどうしょうもない人達かというと、そういうわけではないのです。仕事はきっちりできるし、親切で人の手伝いを買って出てくれる人も多いのです。

ただ、こういう「書いて」「覚えて」「読んで」という勉強に向いていないというか、それが苦手なだけなのです。

もっとも、そういう人達が大部分を占めるクラスだと、毎回、「N4」「N5」の漢字の読みに重点を置き、それだけは大丈夫なようにさせるとか、「N4」から「N3」にかけても文法を使った文を作らせてできるようにさせるとか、別な方法もあることはあるのですが、ただ『みんなの日本語(Ⅰ)』から『(Ⅱ)』の初めにかけては、それは無理ですね。本当に「基本」は大切なのです。

日々是好日
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